【導入事例】株式会社イトーキ 様 / イノベーションセンター / 東京都

Japan/Tokyo, Apr 2017

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2012年に開設されたイトーキ東京イノベーションセンター「SYNQA(シンカ)」は、協業パートナーとイトーキがWin-Winの関係を築き、新しいビジネスを生み出して進化していくというコンセプトで作られた、オープンイノベーションを促進する施設です。
このたびSYNQA2階のTEAM LABにおいてシグナルプロセッサーMRX7-DおよびデジタルコントロールパネルDCP4V4S-USが導入されました。
その経緯や実際の運用について、株式会社イトーキ ソリューション開発本部 ソリューション開発統括部 ICTソリューション開発室 室長 秋山 恵氏(写真左)、および設備機器事業本部 設備機器営業部 AV・ICTシステム東日本推進室 室長 井川 晶弘氏(写真右)にお話を伺いました。

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まず「SYNQA」のコンセプトについて教えてください。

秋山氏:
イトーキでは従来、実際にオフィスとして稼動している空間をお見せする「ライブオフィス」をショールームで展開してきました。しかしひとつの企業が提案できることは、今や限られています。これからは協業パートナーの方々と共に新しい価値を作りだしていく「オープンイノベーション」こそが重要だと考えており、その協業の場として「SYNQA」が開設されました。
1階はイトーキと関連がある企業様を対象としたオープンなスペースである「WORK CAFE」、2階は協業パートナー様と私たちイトーキが共に新しい価値を創造する場である「TEAM LAB」、そして3階が ライブオフィスとしてご覧いただける私たちのオフィス「SYNC OFFICE」という構成になっています。

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非常に素敵なスペースで、いいアイディアが出そうな「知的空間」ですね。

井川氏:
ありがとうございます。
TEAM LABは外部の方とのミーティング空間というファシリティでもあるのですが、イトーキのソリューション提案を具現化したショールームという役割も持っています。

TEAM LABにおいてMRX7-Dはどのように運用されているのでしょうか?

井川氏:
MRX7-Dはスピーチプライバシー用の音源を送り出す役割と、フロア内にBGMや館内放送用のアナウンスを送り出す役割という、2つを担っています。BGMは音源データが収録されたSDカードがMRX7-Dに挿入されており、その音源を使用しています。MRX7-D本体は受付の裏のバックヤードに設置してあります。

フロアのゾーン分けはどのようにされていますか?

井川氏:
主なプロジェクトルーム、セミナールーム、インキュベーションスペース、受付、廊下などフロアは7つにゾーニングされており、それぞれのゾーンにMRX7-Dが音源を送り出しています。
各ゾーンのスピーチプライバシー音源とBGM音源の音量調整は、受付とロビーの2箇所に設置したコントロールパネルDCP4V4S-US各2基により行います。

コントロールパネルはスイッチとボリュームだけの操作なので、シンプルで直感的に操作できますね。ちなみに各プロジェクトルームやセミナールーム内でもMRX7-Dの制御は行えますか?

井川氏:
はい、可能です。MRX7-Dが設置されているバックヤードのラックにはCRESTRON社のコントロールシステムPRO3があります。
各プロジェクトルームやセミナールームにも同じPRO3が子機として配備されており、専用のiPad Appによって親機のPRO3から送られてくるMRX7-Dの音声をコントロールできます。そのiPad AppはMRX7-Dだけでなく各部屋の調光、ブラインドの昇降、プロジェクターやスクリーンのコントロールなどが一括制御できます。

ところで、なぜTEAM LABでMRX7-Dが採用されたのでしょうか?

秋山氏:
わたしたちはオフィスの環境づくりにおいて、会議室などから会話が漏れ聞こえることで起こる機密情報の漏洩を防ぐスピーチプライバシーシステムを、様々なオフィスに導入してきました。中でもヤマハのスピーチプライバシーシステム VSP-1は、最小限の音量で会話の内容をマスキングできる点でお客様から高く評価されており、様々なオフィスに導入してご好評いただいています。

井川氏:
とはいっても、まだヤマハのスピーチプライバシーシステムを多くの方がご存知なわけではありませんので、このTEAM LABのフロアでも、ぜひその効果を体感していただきたいと思い、導入しました。

ヤマハスピーチプライバシーの導入に際して、専用機のVSP-1ではなく、MRX7-Dを選ばれたのはなぜですか?

井川氏:
まずは複数のスペースを一括管理できるインテグレーション性が挙げられます。単体のVSP-1は設置や操作が簡単なので、比較的小規模なスペースに導入するには最適なのですが、大規模なスペースに複数台設置した場合、集中管理ができません。
しかしMRX7-Dであれば、ゾーニングされた複数の場所にスピーチプライバシー用のマスキング音を送り出して一元的に管理できます。
またMRX7-DはCRESTRONからの制御に対応していますから、各部屋に装備されたCRESTRONのコントローラーでもスピーチプライバシーのコントロールが行えます。それもMRX7-Dを選んだ理由の一つです。

一括制御以外にもMRX7-Dを使うメリットはありますか?

秋山氏:
もちろんあります。2つめのポイントはスピーカーの設置場所を気にしなくていい点です。
今まで弊社で数多くのスピーチプライバシーシステムを導入してきてわかったのは「会話は空調などを通じて、天井面から音が漏れることが多い」ということでした。ですから我々がVSP-1の設置をご提案するときも、天井に近い位置に設置することをお勧めしています。VSP-1は単体の小型のスピーカーなので、高い位置に設置すると操作がしにくくなったり、設置するためにブラケットが必要になったりします。

井川氏:
その点MRX7-Dはシーリングスピーカーが使用できますから、設置面での苦労はなくなります。

秋山氏:
そして第3の理由は、MRX7-D なら1台でスピーチプライバシーシステムと、BGMや館内放送アナウンスシステムとを兼用できることです。1台で何役もこなしてくれる点は、メリットとしては大きいと思います。

スピーチプライバシーシステムについては、お客様からどんな反響がありますか?

秋山氏:
オフィスにおける情報漏洩に関心を持たれているお客様は非常に多いですね。企業の重要な機密情報や人事情報などが会議室から漏れ聞こえてしまうのは困る、というお声をよく聞きます。
また最近はテレビ会議を行う企業様も多いのですが、普通の会議なら声が漏れないのに、テレビ会議だとつい声が大きくなってしまって会話が漏れてしまう、というケースもよく聞きます。スピーチプライバシーのニーズは今後もますます増えるでしょう。

ヤマハ独自の「情報マスキング音」を用いたスピーチプライバシーシステムにはどんなメリットがあるのでしょうか?

井川氏:
「サウンドマスキング」のニーズは多いのですが、一般的によく知られているのはホワイトノイズで会話をかき消す「ノイズ式マスキング」です。この場合比較的大きな音量でノイズを再生する必要があるため、快適性を損なってしまう場合があります。ホワイトノイズが苦手だという方が日本では多いのです。
秋山氏:
これに対してヤマハのスピーチプライバシーシステムは、ヤマハ独自の「情報マスキング音」を使用しており、ノイズ方式と比べて体感で6割程度に音量が抑えられます。比較するとこの音量差はけっこう大きいですね。
それにヤマハの場合、波の音や森の音などが入ったマスキング音があって、これらは非常に心地いい音なのでヒーリング効果やリラックス効果があり好評です。

最後にMRX7-Dならではの使い方があったらご紹介ください。

井川氏:
MRX7-Dはフレキシブルに運用できますから、機密性の高い会議では情報マスキング音を流し、漏洩の心配がない普通の会議ではオフにして、昼休みにはフロア全体にBGMを流す、といったきめ細かい運用も自由にできます。毎日決まった時間に動作させるのであればスケジューラー機能を使って自動化も行えます。そのようなメリットをご紹介すると興味を持たれるお客様は非常に多いですね。


本日はご多忙中お時間をいただきありがとうございました。


株式会社イトーキ
https://www.itoki.jp/
イトーキ東京イノベーションセンター SYNQA
https://www.synqa.jp/


データ

製品情報 MRX7-D
・DCP4VS