【導入事例】株式会社ヤナセ 東京支店 様 AMGパフォーマンスセンター京橋 / ディーラー / 東京都
Japan / Tokyo, Dec 2017
東京駅からほど近い京橋にオープンした株式会社ヤナセ 東京支店 AMGパフォーマンスセンター京橋。そのショウルームの音響機器としてサーフェスマウントスピーカーVXS5、VXS5W、サブウーファーVXS10ST、パワーアンプPA2120が導入されました。
ショウルームのコンセプトや機器導入のきっかけについて、株式会社ヤナセ 東京支店 AMGパフォーマンスセンター京橋 所長の青山 典義氏、ショウルームの音響面のプロデュースを行った株式会社マスターマインドプロダクション サウンドデザイナー/プランナーの岡田 卓志氏にお話をうかがいました
まずAMGパフォーマンスセンター京橋について教えいただけますか?
青山氏:
AMG京橋パフォーマンスセンターは10月14日にオープンしたばかりの拠点です。AMGはメルセデスの中でも「究極のハイパフォーマンスを追求するモデル」と位置づけられており、スポーツ市場を担うクルマです。
私たちとしてはAMGをもっと拡売していきたいと考えています。AMGの実車を見ていただけるショウルームとしては、ヤナセのメルセデス・ベンツ東京芝浦のショウルーム内にAMGパフォーマンスセンターがありますが、今回は特に中央区のみなさまにご覧いただきたいと思い、国内でも数少ないAMG単独のショウルームを京橋に設立いたしました。
AMGパフォーマンスセンター京橋にはどのようなお客さまがいらっしゃいますか?
青山氏:
場所柄、大企業の本社などが多く集まっていますので、ビジネスパーソンの方々がお昼休みや会社帰りに立ち寄られることが多いですね。また京橋は歴史のある街ですから、近隣の日本橋や銀座にお住まいの方々もいらっしゃいます。
京橋は江戸の昔からの街だからでしょうか、一言で言えば落ち着きのある、大人の街だと感じます。ですからここも、大人がゆっくりと寛ぎながら、クルマを見たり検討したりできるような「大人のサロン」にしたいと思っています。
ショウルームも大人っぽい落ちついた雰囲気ですが、一方でAMGらしさも感じられますね。
青山氏:
AMGはメルセデスの中で最もスポーティな個性を持ったブランドで、レースっぽい硬質さ、ある種の無機質さも併せ持っています。
ですからショウルーム内にサーキットのピットを摸したコーナーを用意するなどインテリアでもレーシーな演出を行っています。
ここからは音響面でのプロデュースを担当された株式会社マスターマインドプロダクションの岡田氏にお伺いしたいと思います。非常に品質感の高いAMGのショウルームですが、この空間の音響システムはどのような設計になっているのでしょうか?
岡田氏:
このショウルームの広さや形状を考慮してスピーカー4基を天吊りで設置しました。またAMGというクルマの存在感を意識し、低音再生用のサブウーファーを1基設置しました。サブウーファーはショウルーム中央のカウンター脇に置いてあります。
VXS5をお選びいただきましたが機種選定の決め手はどのような点だったのですか?
岡田氏:
まずヤマハを選んだ理由ですが、第1に音質がいいということ。
弊社はこれまでも豊富なVXS5の納入実績があり、ご好評をいただいています。性能面でも、帯域のバランス、広い指向性、ユニットの反応の良さなど、さすがスタジオモニターの定番「NS-10M」を生み出したヤマハだと思います。
そして2点目は国内メーカーでフットワークが軽いこと。アフターケアの面でもヤマハなら安心です。そしてヤマハのスピーカーからVXS5を選んだ理由はサイズ感とデザインでした。ショウルームではビジュアル面のプレゼンテーションが最も大切ですから、スピーカーはインテリアの雰囲気を邪魔しないサイズのモデルを選びました。
VXS5はデザイン面でもシンプルで品があり、このショウルームの雰囲気にマッチします。またカラーも白と黒で選べましたので、設置場所の色目に合わせて黒と白を1ペアずつ導入しました。
サブウーファーにVXS10STをお選びいただきましたが、ショウルームや店舗のBGM用の音響システムでサブウーファーを採用された理由を教えてください。
岡田氏:
普通ならこのタイプの空間のBGMでサブウーファーを使うことは少ないと思います。
しかし私たちは、AMGの高い品質感を演出するためにはサブウーファーが必要だと考えました。サブウーファーが豊かな低域を再生することで部屋全体のサウンドの高域の鋭さがとれて音に落ち着きが出て、空間全体にしっとりと音を染み渡らせることができます。
パワーアンプのPA2120はバックヤードに設置されていますが、このモデルを選定した理由を教えてください。
岡田氏:
アンプに関してはハイインピーダンス駆動に対応し、出力が2系統出せる機種ということでPA2120を選びました。
通常なら出力は1系統で充分ですが、ここでは1系統をサブウーファー専用とし、もう1系統をVXS5への送り出しに使っています。
なぜ出力をサブウーファーとVXS5の2系統に分けたのでしょうか?
岡田氏:
理由は2つあります。
1つはサブウーファーとVXS5のバランスを調整できるというメリット。もし低音がうるさく感じられた時にはすぐにサブウーファーの音量を絞ることができます。
もう1つはシステムの安定性です。1系統をサブウーファー専用にすることでアンプの負荷を分散させています。それによって音響システムが故障するリスクを下げることができます。
また4基のVXS5の音量に関しては個別のアッテネーターで、それぞれ音量を調節できます。たとえば「これから大事な商談があるので商談スペースだけBGMを絞りたい」といった用途にも対応します。
今回マスターマインドプロダクション様が選曲などのコンテンツ部分と音響システムを含めた全体をプロデュースされた背景についてお聞かせいただけますか?
岡田氏:
弊社はもともと音楽制作や選曲などをベースとし、これまで数多くの音楽プロジェクトやイベントのプロデュースに携わってきました。
ヤナセ様は音、音楽に非常に理解があり、普通なら「天井スピーカーから流れる曲を選んでください」というところを、「いっしょに空間をデザインしましょう」とのご依頼をいただけました。
空間の音響をプロデュースするにあたってハードウェアとしての音響システムも大切ですから、今回はソングリストの制作に加え、音響システムの選定・構築も担当させていただきました。
青山所長、実際にヤマハの音響システムをお使いいただいてみて、どうお感じでしょうか。
青山氏:
このショウルームにとてもよくフィットした素晴らしい音響システムを選んでもらえたなと喜んでいます。もともとヤマハは国産スポーツカーの名車であるトヨタ2000GTを手掛けましたし※、オートバイやヨットのメーカーでもあるので、乗り物と親和性が高いメーカーだと思っています。だから相性がいいのではないでしょうか。
※1964年にトヨタ自動車工業とヤマハ発動機の間で開発協力プロジェクトが生まれました。ヤマハ発動機は主にエンジンの高性能化と車体、シャーシの細部設計を担当しました。
BGMのセレクトもとても上質ですね。
青山氏:
はい。マスターマインドプロダクション様が選んでくださった音が、このショウルームをAMGらしい上質な空間にしていると思います。特にこの京橋のショウルームはスペースの都合で展示車両が少なくこじんまりした空間なので、音楽による演出は大切だと感じています。
AMGはスポーツ志向のクルマですからレースカー的な「ソリッド感」、いわば、メカニカルであり、無機質なニュアンスを持っています。こういう空間は、一歩間違えると「殺風景」な場所になってしまいますが、素晴らしい音楽によって巧みに演出され上質な空間になっていると思います。
岡田氏:
「ソリッド感」は選曲する際に私たちも意識したキーワードでした。今回は4チャンネルのプレイリストをお納めしましたが、そのうち3つは私たちがすでに手掛けているヤナセ東京営業本部で共通のものです。
さらにそこにAMGパフォーマンスセンター京橋のために作成したプレイリストを追加しました。AMGが持っているソリッド感は、音楽で言えばミニマルなテクノのような、最小限で構成されたシンプルな音楽が似合うと思いましたので、それを念頭に作り上げました。ショウルームができあがってからも実際に足を運び、微調整という意味でソングリストの曲目を一部差し替えたりしています。
最後になりましたが、AMGパフォーマンスセンター京橋として、今後どのようなことを目指していきたいとお考えですか。
青山氏:
AMGはすべての面において高水準なクルマであると自負しています。
今後は歴史と伝統のある京橋という街と、AMGというドイツのスポーツカーとの融合を、このショウルームで目指していきたいと思います。