【導入事例】株式会社ファミリーマート 様 Fit&GO 大田長原店 / フィットネスクラブ / 東京都
Japan / Tokyo, Jun 2018
2018年2月にオープンした「Fit&GO大田長原店」は、株式会社ファミリーマートが新規事業として展開する24時間利用可能なフィットネスクラブです。駅至近の好立地で、1階がファミリーマート、2階がFit&GO大田長原店となっており、まさにコンビニ感覚で気軽にスポーツが楽しめるまったく新しいフィットネスクラブです。 このたびFit&GO大田長原店にヤマハのBGMシステムが導入されました。その導入の経緯や選定理由について、株式会社ファミリーマート スポーツ・メディカル事業部付部長 茂 朋子氏(写真右)、同事業部フィットネス事業グループ Fit&GO大田長原店 店長 池永 藍氏(写真左)にお話をうかがいました。
最初に、フィットネスクラブ「Fit&GO」のコンセプトについて教えていただけますか。
茂氏:
フィットネスクラブやトレーニングジムは世の中にたくさんありますが、欧米と比べると日本ではまだまだ参加率が低く、日常の中でトレーニングをするライフスタイルが定着しているとは言えません。一方、コンビニエンスストアは多くの人が日々来店してくださる、とても日常的な空間です。そこにフィットネスクラブがあれば、コンビニに行く感覚でフィットネスができるのではと考えました。
たとえばフィットネスに行く時ってどうしても大きなカバンにシューズや着替え、洗顔用品などを入れて「今日は頑張ってトレーニングに行くぞ!」と思わないとなかなか行けませんよね。Fit&GOの会員さんは、着替えを持ってくるのではなく、ほとんどスポーツウェアで来られます。靴だけ持ってきて、履き替えたらすぐ運動して、パッと帰る方が多いんです。ちょっと時間があるからジムに行って帰りに飲み物を買って帰ろうとか、そういう感覚で、まさに日常感覚でフィットネスをされています。
1階のコンビニ店舗との相乗効果も狙いの1つでしょうか。
茂氏:
もちろんです。普通にコンビニに買い物にいらして「何かジムみたいなものがあるな」と思っていただいて、見に来てくださるかたもいらっしゃいます。ですからFit&GOは下からも中がよくわかるように外に向かって窓を大きくとったり、入り口も入りやすいように工夫して、できるだけオープンにしています。またコンビニにもフィットネス関連商品のコーナーがあって、会員の方がそこでサプリメントやウェアなどを買って2階に上がってきて運動する、ということもあります。人が集まるコンビニがフィットネスクラブを併設することで、この地域の人たちに健康への意識やフィットネスへの意識、運動することへの意識を持ってもらうことにも貢献できるのではないか、と思っています。
ちなみにFit&GOに来られる方は何歳ぐらいの方が多いのですか。
池永氏:
体験でいらっしゃる方も含めると、20代〜30代の方が多いです。40代の方もいらっしゃいますね。それと通常の24時間のフィットネスクラブに比べると初心者の比率が高いですし、女性比率も通常なら8:2で男性が多いのですが、Fit&GOでは6:4ぐらいと、他よりも女性の比率が高くなっています。女性が多い理由は、コンビニの上にあるという安心感も大きいと思います。
Fit&GO大田長原店ではどんな種類のフィットネスができるのでしょうか。
池永氏:
まず入ってすぐウォーミングアップとしても使える有酸素運動のカーディオマシンがあります。バイク、それとランとウォークができるランニングマシンがあります。さらにストレングスエリアでは、鍛えたい筋肉のトレーニングができます。またTRXというサスペンションを使って体を鍛える機器、ボート漕ぎのローイングマシン、さらにチューブやバランスボールを使った運動もできます。一番奥にあるのがフリーウェイトのエリアで、ダンベル、ケーブル、スミスマシンを使って鍛えたい部分を集中的にトレーニングできます。あとはトレーニングの前後のボディケア、コンディショニングに欠かせないストレッチのエリアがあります。
今、ジム内にとてもいい音楽が流れていますが、Fit&GOは音楽にも気を使われているのでしょうか。
茂氏:
運動って実は無音でやる人は少ないんですよ。実際スポーツクラブに行くと、大抵音楽がかかっていますが、ほとんど印象には残りません。というのも、ランニングマシンなどを使うとモーターが回ったりして、けっこういろんな機械音が出ていてうるさいですし、自分のイヤホンを使って自分が好きな音楽を聴いて走る人も多いので、そういう人の邪魔にならない程度の小音量で流していることが多いんです。ですから、ほぼ聴こえないんです。でも私たちがFit&GOで音楽を流すのなら、いい音楽をちゃんと聴いてほしいと思いました。それで、BGMを(株)モンスター・ラボさんに相談し、Fit&GOのオリジナルのこだわりのプレイリストを、ジムエリアとロッカールーム用に2チャンネル分作りました。
Fit&GO専用のプレイリストをオリジナルで2種類つくったんですか。
茂氏:
はい。Fit&GOらしさをBGMでも追求しようと考えました。ジムエリアではトレーニング中にテンションが上がるような音楽を、ロッカールーム用はもうすこし穏やかでリラックスできるような音楽を選曲してもらいました。しかもプレイリストはそれぞれ6時間あります。これはトレーニングに来たお客様が「いつも同じ曲がかかってる」ということがないようにです。
音楽を大切にされているFit&GOでヤマハの音響機器を選んでいただきました。どのように使っていただいているのでしょうか。
茂氏:
ジムエリアにはVS6Wを2台、さらにサブウーファーVXS10SWを1台設置しています。ロッカールームには、コンパクトなVXS1MLBを男性用と女性用とにそれぞれ一台設置しています。そしてスタッフルームにはジムエリア用のアンプとしてXM4080、ロッカールーム用のアンプとしてPA2030aが設置してあります。
ヤマハの機器を選んでいただいた理由を教えてください。
茂氏:
Fit&GOの立ち上げチームには、音や音楽が好きでこだわりを持ったメンバーが多く、通常の店舗やフィットネスクラブよりもいい音で音楽を流したいという希望があったので、実際に試聴して機種選定を行いました。お客様にも「このフィットネスクラブは音楽にこだわっている」ということをさりげなくアピールしたかったので、あえて露出形のスピーカーを選びました。ヤマハのスピーカーは品がいいデザインで、しかも主張しすぎないところがいいと思いました。色が黒と白から選べたのもよかったです。ジムエリアは白、ロッカールームは黒っぽい空間なので、色味がマッチするようにジムのVS6は白、ロッカーのVXS1MLは黒を選びました。
サブウーファーも設置されたんですね。
茂氏:
運動している時って心拍数が上がっていく中で、低音が体に響くと気づかないうちに気持ちが乗ってくる効果って、絶対あると思うんです。せっかく私たちは音楽にこだわっているので、サブウーファーで低音を出すことで、音楽とフィットネスの相乗効果を体感してもらいたいと思い、設置しました。とはいえジム内の設置場所は限られていますので、サブウーファーも天井に吊ることができて良かったと思っています。
オープンして今まで、ヤマハの音響機器を使ってみて、実際の使い勝手はいかがですか。
池永氏:
BGM用の機器はほとんどつけっぱなしで運用していて、手間は全くかけておらずトラブルもないのでとても助かっています。時間帯や会員さんの入り状況や雰囲気に応じて少し音量を上げ下げしたりしていますが操作も簡単です。
お客様からの反響はありますか。
池永氏:
見学されたお客様から何度か「音がいいね」と言っていただき嬉しく思っています。
茂氏:
Fit&GOはいい音にこだわっていますし、音量もそれなりに出していますが「うるさい」とか「トレーニングの邪魔」という声は今のところありません。オープン当初は「そんなにBGMにお金をかけても誰も聴かないよ」という声もあったんですが、やはり音に対する反響は大きく、居心地がいい空間作りにはいい音は欠かせないんだなと思いました。私自身、実際にユーザー側としてフィットネスクラブの音楽に不満を感じていましたから。
お話をうかがっていると、Fit&GOは単なるフィットネスではなく、空間も音も大切にしている「毎日行きたくなる場所」だと感じました。
茂氏:
はい。フィットネスクラブですからマシンやトレーニングの機能はもちろんですが、音も含めた空間までをふくめて「Fit&GO」という場所になっているのだと思います。そのあたりが他のフィットネスとは違うものとして、みなさまにわかってもらいたいと考えています。
今後、Fit&GO大田長原店を第1号店としてFit&GOはどんどん増えて行く予定ですか。
茂氏:
ファミリーマートとしては今後5年を目途に300店まで拡大する計画です。「ファミリーマート+フィットネス」の相乗効果で、多くの方により健康で快適に暮らしていただきたいと思っていますし、もう一方でファミリーマートのフランチャイジーの方々にとっての新たなビジネスモデルにもしたいと考えています。ファミリーマートとフィットネスをいっしょに経営することで、多くの人の笑顔が集まる場所にしたい。そういう空間のモデルにしていきたいと考えています。