【導入事例】三井ガーデンホテル日本橋プレミア様/ホテル/東京都
Japan/Tokyo Nov. 2018
江戸の中心、五街道の起点であり、現代のビジネスの中心地でもある古くて新しい街、日本橋。2018年9月13日に開業した三井ガーデンホテル日本橋プレミアは、日本橋の新たな北の玄関口ともいえる存在。外国人観光客やビジネスマンをゲストとして迎えることを想定した「モダン」なデザインには、日本橋らしい「粋」がミックスされています。このたび三井ガーデンホテル日本橋プレミアのロビーに、ヤマハのBGMシステムが導入されました。導入の経緯について三井不動産株式会社上杉氏、ホテル総支配人久米氏、Mood Media Japan株式会社植木氏にお話をうかがいました。
(写真左) 三井不動産株式会社ホテル・リゾート本部ホテル事業部 事業部ループ統括 上杉友一氏
(写真中央)三井ガーデンホテル日本橋プレミア総支配人 久米伸一氏
(写真右) Mood Media Japan株式会社 取締役 シニア・ミュージック・デザイナー 植木美央氏
「日本橋のバリュー」を生かし、お客様の五感に訴えるホテルを。(上杉氏)
最初に、三井ガーデンホテル日本橋プレミアのコンセプトについて、ご紹介いただけますでしょうか。
上杉氏:
日本橋は今も東京の中央にあり、かつては江戸文化の中心、五街道の起点でもあった場所です。私たちは当ホテルだけでなく、日本橋という街全体で面開発を行っておりますので『日本橋バリュー』という言葉をキーワードとし、外国からいらっしゃるお客様を含め、このホテルにいらっしゃったゲストの方に「日本橋」の価値を発信できるようにと、様々な工夫を凝らしています。
三井ガーデンホテル日本橋プレミアの9階ロビー
日本橋の価値を発信するために、具体的にはどんなことをされているのでしょうか。ロビーには落ちついたBGMといい香りがあって、とてもリラックスした気持ちになりますね。
上杉氏:
日本橋は江戸時代からの商業都市ですので、その古き良き文化を感じていただけるように、日本橋の路地を再現したアートや廊下、江戸時代末期に江戸で作られていた「江戸切子」を模した家具等を設置するなど、江戸にゆかりのあるものをホテルの随所に散りばめています。
また、三井ガーデンホテルは「ゲストの五感に訴える」をブランドコンセプトとしており、この日本橋プレミアでは特に「五感に訴える」ことを重視しました。たとえば嗅覚に関してはアロマを使っていますが、これは「江戸薔薇」をベースとした香りで、三井ガーデンホテル日本橋プレミアのためにオリジナルで制作したアロマとなっております。また味覚に関しては、慶応3年から続いている加賀料理の老舗料亭「浅田」に、「日本橋浅田」「BAR 松」の2店舗を出店いただき、レストランの朝食、バーのカクテルのそれぞれで、ホテルオリジナルのメニューをご提供いただいております。また、視覚については、ホテルの内装デザインや水をテーマにした各種アート、そして触覚では、手で触れられる場所に木や石などの様々な素材を使用することで、ゲストが本物を実感・体験できるよう配慮しています。そして聴覚に関しては、ゲストに訴求するための方策検討について、音響機器を含めて定評のあるMood Media Japanさんにご提案をお願いしました。
三井不動産株式会社ホテル・リゾート本部ホテル事業部 事業部ループ統括 上杉友一氏
ヤマハを選んだのは音色の美しさ。アコースティックな音によくマッチします。(植木氏)
BGMと音響に関して、Mood Media Japanの植木さんにうかがいます。ラウンジにおける音響のコンセプトを教えてください。
植木氏:
このホテルは地下には卓球ができるバーがあったり、グリル中心で美味しいお肉が食べられるカジュアル・シックなレストランがあったりと、元気で賑やかな飲食店があるのですが、そこから9階のホテルのロビーに上がってきた時には、ガラリと雰囲気が違った、ゆったりと寛げて安心感がある空間にしたいというリクエストをいただきました。またこのロビーには季節ごとに入れ替わる豊かな植栽があります。そんな有機的で落ちついた上質な空間作りのを、音楽と音響でサポートしたいと考えました。
Mood Media Japan株式会社 取締役 シニア・ミュージック・デザイナー植木美央氏
落ちついた美しいBGMが流れていますね。
植木氏:
ロビーと大浴場で使われているBGMは、三井ガーデンホテル日本橋プレミアのために選曲したものです。ラウンジでは清らかな上品さと親しみやすいあたたかみを併せ持つ、ピアノなどのアコースティック楽器を使った曲を多く選んでいます。その清らかさを表現することと、レセプションからロビー奥のラウンジ、そしてお部屋へとやさしく誘われるような演出をしたいと考え、音質と設置位置を重視した音響システムをプランニングしました。
ロビーの奥にあるラウンジ
ロビーの音響システムにはヤマハのスピーカーVXS5を4台ご採用いただきました。選定理由を教えてください。
植木氏:
ヤマハを選んだ理由の第一は、音色です。ヤマハのスピーカーは原音を忠実に再現してくれるので、特にピアノなどの生楽器の音にはよくマッチすると思います。ロビーで流すために選曲した音楽はアコースティック系の音が多かったので、生楽器の音を美しく再生してくれると思いVXS5を採用しました。おそらく他のスピーカーを使っていたら、全く違う聞こえ方になっていたと思います。またサイズやデザインに関しても、VXS5はこのスペースにちょうどいいものでした。ラウンジの四隅にVXS5を設置していますが、1台は中庭への通路に近い箇所に設置しましたので、湿気や水に強い必要がありました。そんな機能面もVXS5はクリアしていました。
ラウンジの天井の四隅に設置されているVXS5
中庭への通路の入り口。隅にVXS5が設置されているが壁面、天面にフィットしており、目を凝らさないとスピーカーの存在に気づかない。
ラウンジはかなり面積も広く天井も高い空間ですが、四隅に設置された4台のVXS5だけでしっかりとBGMが聴こえますね。
植木氏:
はい。私も当初はちょっと心配でしたが、結果的には4台で十分でした。しっかり音量を出しても不快感の無い音質で、VXS5にしてよかったと思っています。
アンプにはMA2030aをお選びいただいたのはなぜでしょうか。
植木氏:
ヤマハのアンプは当然ヤマハのスピーカーとのマッチングがいいですし、性能的にもMA2030aは今回ロビーで必要とされる能力にピッタリでした。そしてコストパフォーマンスがとてもいいと思います。
バックヤードの音響ラックに設置されたMA2030a(写真左下)
質が高いBGMのおかげで、癒しの空間をご提供できていると思います。(久米氏)
正直言ってここまで違うと思いませんでした(上杉氏)
今回のシステムについて、導入時や運用面での苦労はありましたか。
植木氏:
施工に関しては順調でしたので、設置面での問題は特にありませんでした。
久米氏:
私共の日々の運用に関しても、まったく苦労はしておりません。開業以来一定の音量で運用しており、トラブルもありません。
三井ガーデンホテル日本橋プレミア総支配人久米伸一氏
このホテルのロビーやラウンジにはつねに質のいいBGMが流れています。これはゲストの方々にとって、プラスの効果は大きいのでしょうか。
久米氏:
はい。先ほど上杉から「五感に訴えるホテル」というお話をいたしましたが、特に聴感の印象は大きいと感じています。ロビーやラウンジでいい音でBGMが流れているおかげで、9階のエレベータを降りた瞬間から今までとはまったく別の空間に来たことを体感していただけると思います。お客様からも「癒された」という声をいただいており、特に夜はライティングの効果もあって、ゲストの方にリラックスできる癒しの空間が提供できていると思っています。
上杉氏:
聴覚や嗅覚がとらえる感覚は、無意識に人間が取り入れるものだと思いますが、特に音楽はゲストがホテルに足を踏み入れたときのファーストインプレッション付与に大きな効果があると思っています。これまでの開発では、用途を兼用したスピーカーを利用することもありましたが、アンプやスピーカーについて専用の機材を導入した際にここまで音が違うとは正直思いませんでした。BGMと音響設計をMood Media Japanさんにお願いして良かったと思っていますし、音響は素人ではありますが、ヤマハのスピーカーは、さすがにいい音だなと思っています。
本日はご多忙の中、ありがとうございました。
三井ガーデンホテル日本橋プレミア
https://www.gardenhotels.co.jp/nihonbashi-premier/
三井不動産株式会社
https://www.mitsuifudosan.co.jp
Mood Media Japan株式会社
https://moodmedia.jp
データ
製品情報 | VXS Series , MA/PA Series |
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