【導入事例】「Buvette」様 東京ミッドタウン日比谷 /東京都

Japan/Tokyo, Oct. 2018

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2011年にニューヨークで誕生し、現在、世界的な人気店である「Buvette(ブヴェット)」。2013 年のパリ店に続いて、世界で3店舗目となる日本初上陸の東京店が「東京ミッドタウン日比谷」の1階にオープンしました。この店内のBGMシステムとして、ヤマハの小型BGMスピーカー「VXS1ML」とコンパクトサブウーファー「VXS3S」が採用されました。導入の経緯や選定理由について、同店を運営する株式会社WDI JAPAN西山文絵氏、店舗のインテリアデザインを手掛けた株式会社船場 丸山弘敏氏にお話をうかがいました。


最初に、「Buvette」のコンセプトをご紹介いただけますでしょうか。

西山氏 :
「Buvette」は、オーナーシェフのジョディ・ウィリアムズが、gastronomy=美⾷とtechと家とを組み合わせてつくった造語“Gastrotheque(ガストロテック)”をテーマにしています。お一人でもお二人でも大勢でいらしても、朝から夜までのお好きな時間に、アンティークなインテリアに囲まれたどこか懐かしい雰囲気のなか、フランスの家庭料理をベースにした美味しい料理とお酒をお楽しみいただけるお店です。

右)株式会社WDI JAPAN 営業本部 事業創造チームシニアマネージャー 西山文絵氏
左)株式会社船場 第1事業本部 設計エンジニアリングDIV設計部課長 丸山弘敏氏

ニューヨークの本店やパリのお店とインテリアのイメージは共通しているのですね。

西山氏 :
はい、床面積約90坪と、3店舗のなかで東京店がもっとも広いのですが、シーンをいくつかに分けることで、ニューヨークの本店やパリ店と同様に、古き良きヨーロッパのカフェのような雰囲気に仕上げています。 施設内のエントランスを入ってすぐ、客席ホールの右側にバーカウンターを設け、ホールと棚を隔てた反対側には大コミュニティテーブルが置かれた一段高いスペースがあって、そのまま外のテラス席へと続いています。天井を低くした店内奥のスペースにも客席があり、さらに個室も用意しております。

先ほどから、お店の雰囲気に合った素敵な音楽が流れていますね。

西山氏 :
「Buvette」の店内BGMはオーナーシェフのジョディ・ウィリアムズのこだわりで、彼女自身の選曲によるフレンチ・ジャズで統一されています。
ちょっとレトロな雰囲気のある、懐かしくてほっとするような、温かい感じの音楽です。

BGMもオーナー様自身のこだわりによるチョイスなのですね。店内のインテリアのアンティークな雰囲気やお料理とマッチして、とてもくつろげる空間になっていますね。

西山氏 :
ありがとうございます。さらに朝、昼、夜の時間帯や、店内の込み具合によってもBGMの音量や曲調を変えるなど、音楽によってお店の雰囲気を演出するよう工夫しています。 オーナーシェフ自身がお気に入りの音楽をシーンに合わせて、時には踊りながら自らセレクトしています。

丸山氏 :
私は飲食店の設計が多いのですが、調理の音や食器やカトラリーの音に混じって、たとえば夜になるとバーカウンターの周りが忙しくなりますので、バーテンダーの発する音とお客様の楽しんでいる会話の声とが混じり合ったりとか、そうした時間帯ごとに変わるライブ感を大切にしています。お店の音とお客様の楽しい会話との一体感が醸し出されるような心地良い音空間が構築できればと考えています。

「Buvette」の店舗設計を担当された丸山様におたずねします。今回ヤマハの音響機器を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

丸山氏 :
インテリアやメニューと同じくらい、BGMはお店の空間づくりを構成するのに欠かせない要素の一つだと考えています。そのため、今回も音に関しては設計の初期の段階からオーナー様たちと打ち合わせをして、検討を重ねてきました。
ヤマハの音響機器を選んだ理由は、まず要望として、意匠面からいうとスピーカーは目立たない方が良いので、小さいものを探していたということがあります。
「VXS1ML」を最初に見た時はあまりにもコンパクトだったので、何台プロットすれば店内全域をカバーできるのかと、正直、不安に思いました。ところが実際に音を聴いて、想像以上の音の広がりに驚きました。これなら最小限の本数で空間全体にムラなく届くので、そこが「VXS1ML」を選定した大きなポイントです。

ここのお店はBGMの中でも会話がふつうにできますね。

丸山氏 :
店舗空間に、音の聴こえやすいところと聴こえにくいところがあると、場所によって音のムラができてしまいます。店のある部分だけが騒がしくて会話が聞こえないと、そこにいる方は食事を楽しめないといったことがあるので、スペースによって音のムラが出ないようにというのが理想ですね。

お店の意匠に合ったスピーカーのデザインであるという点も考慮されたのですか。

丸山氏 :
スピーカーのデザインはもちろん大事ですが、できれば店舗空間の中では目立たないほうがいい(笑)。その点、「VXS1ML」は意匠に溶け込む洗練されたデザインで、アームや配線などの雑物がまったく出ませんし、埋め込みユニットがあることや、サブウーファーも含めて外観のデザインが統一されている点も気に入っています。また、形状がシンプルなので配置の調整もしやすいです。

西山氏 :
掃除もしやすいですね。

店内の、それぞれスピーカーを設置している場所を教えていただけますか。

丸山氏 :
…思いだせるかな、なにしろ隠れているので(笑)
お店全体では、スピーカー「VXS1ML」が全部で8台、コンパクトサブウーファー「VXS3S」が2 台設置されています。
フロアの中でも入り口のところが特徴的なのですが、アンティーク調のブリキ素材の天井(テンシーリング)に「VXS1ML」を、間接照明みたいな使い方で設置して、特長である広い指向角度を活用して、包み込むような音を実現しています。

丸山様にお聞きします。最近の傾向として、音を重視するお店が増えてきているということはありますか。

丸山氏 :
ここ数年、音を重視するオーナー様が増えてきていると感じます。今まではブランドはお任せで、そのつど提案されたメーカーのスピーカーでよしとされることが多かったオーナー様も、音響にも自分の意識を向けるようになり、そういう方がヤマハのスピーカーを指定されるケースが多くなっていると思います。

西山様にもうかがいます。ヤマハのスピーカーを使われての印象はいかがですか。

西山氏 :
小さくて目立ちませんが、音の広がりや存在感がとてもあると思います。お店の意匠や雰囲気を壊さず、アンティークな空間にも溶け込んでいると思います。

音に関して、お客様の反応みたいなものをいただくことはありますか。

西山氏 :
お客様から音に関して何も不満や要望をいただかないというのが、音の良さをあらわしているのかなと思います。
スピーカーに気付かれたお客様には、「この音質がこのサイズから」ということで驚いていただき、オーナーシェフのこだわりであるフレンチ・ジャズをBGMに、ノスタルジックな雰囲気の中で美味しい料理とお酒を楽しんでいただけたらこんなにうれしいことはありません。


本日はお時間をいただきましてありがとうございました。

「Buvette」 東京店
https://ilovebuvette.com/

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