【導入事例】國富胃腸病院 様 / 病院 / 兵庫県

Japan / Hyogo June. 2019

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昭和47年の開業以来、消化器外科を中心とした胃腸専門病院として、また高齢者医療にいち早く取り組んできた病院として、地域の医療を支えてきた國富胃腸病院。その病院内の娯楽室に、このたびデジタルミキシングコンソール「TF1」を中心とした音響システム(※)が導入されました。導入の経緯や選定理由について國富胃腸病院 名誉院長 國富奎三氏、そして音響設計・設置を担当した有限会社アステック 代表取締役 東伸司氏にお話をうかがいました。

(※:デジタルミキシングコンソール「TF1」、パワーアンプ「PX8」および「XMV8280」、マトリクスプロセッサー「MTX3」、アウトプットエクスパンダー「Exo8」、デジタルコントロールパネル「DCP4V4S-US」、パワードスピーカー「DBR10」)

photo001 國富胃腸病院 名誉院長 國富奎三氏(写真左)
有限会社アステック 代表取締役 東伸司氏(写真右)


最初に國富胃腸病院について教えていただけますでしょうか。

國富氏:
もともと私は岡山大学医学部におきまして、最初は麻酔科、後に消化器外科を専門に勉強しておりました。そして昭和47年、この姫路に消化器系を中心とした病院として國富胃腸病院を開業いたしました。その後「これからは高齢者医療が社会に不可欠である」と考え、総病床数330床で一般病床及び高齢者医療を行う病院としていち早く取り組みました。

photo002 國富胃腸病院 名誉院長 國富奎三氏

今回音響機器の入れ替えが行われた「娯楽室」は、いつ頃作られたのでしょうか。

國富氏:
平成6年頃です。高齢者医療に取り組むうちに、入院している方々にも「心身の癒しと楽しさ」を医療の場で提供したい、そうした場が必要であるという考えでこの娯楽室を作りました。長く入院されている高齢者の方々は、身体のさまざまな部分が徐々に衰えていってしまうのですが、そういう方々にも音楽やその他の娯楽を通じて楽しんで頂くことが必要ではないかと感じました。また患者さんだけではなく、そのご家族、さらに看護師や医師も一緒に楽しむことで、より深いコミュニケーションを図ることができます。

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グランドピアノが設置されているような…

國富氏:
平成6年当時は、病院内に娯楽を楽しむ場を作る、といったことは一般的に考えられていなかったと思います。

娯楽室はどのように使われているのでしょうか。

國富氏:
娯楽室を作った当時はエアロビクスが流行っていた時代で、私は以前器械体操をやっていてスポ一ツが好きでしたので、ー方の壁面に鏡も用意してエアロビクスやジャズダンスができるようにしました。その後シャンソンのプロの歌手をお招きしてライブなども行うー方、患者様のお知り合い、またご家族の方々のボランティアによるカラオケや歌、及び物語や詩の朗読、舞踊、寸劇などと多彩になって喜ばれております。

PA機器を入れたのもそうした用途があったからでしょうか。

國富氏:
はい。ボランティアで出演下さる方の中には、その道のプロもいらっしゃいますし、患者様に強く臨場感を楽しんでいただくためには、相応の音響機器が必要だと思い、音響の専門家にお願いしました。それがアステックの東さんです。

娯楽室は当初、どんな機材があったのでしょうか。

東氏:
当時はアナログの16チャンネルミキサーを中心とした音響システムを構築していました。

photo004 有限会社アステック 代表取締役 東伸司氏

國富氏:
前の機材の時は何度も東さんに教えてもらったにもかかわらず、機器の操作が難しく、なかなか自分自身で機材を使うことができませんでした。コンサートの時に東さんにわざわざ来ていただいてオペレーションをお願いしたことも何度かありました。

今回音響機器を入れ換えることになったのはなぜですか。

國富氏:
設備上のトラブルがあって音響機器が故障してしまったのです。すでに老朽化していたこともあり、これを機に入れ替えようということになって、また東さんにお願いしたというわけです。

今回導入された音響システムの概要を教えてください。

東氏:
ミキサーにはヤマハのデジタルミキシングコンソールTF1を入れました。そして今回は使いやすさを目指してマトリクスプロセッサーMTX3を入れ、パターン制御を行えるようにしました。出力にはアウトプットエクスパンダーのEXo8を入れ、アンプはPX8とXMV8280を使っています。またコントロールパネルDCP4V4S-USを入れることで、ボタンによってパターン制御が簡単に行えるように工夫をしています。またパワードスピーカーDBR10は、ステージモニター用に用意しました。

photo005 ↑ 娯楽室の音響ラック

今回の音響システムを構築するにあたり、工夫した点はどんな点でしょうか。

東氏:
以前のPA機器は操作が難しくて結果的にあまりお使いいただけなかった、ということで、新しいシステムはどなたにでも簡単に使っていただけるように工夫しました。そのためにデジタルミキサーとマトリクスプロセッサーを組み合わせています。

photo006 ↑ 写真の1段目がパワーアンプPX8、2段目がパワーアンプXMV8280、3段目がマトリクスプロセッサーMTX3、4段目がアウトプットエクスパンダーEXo8

photo007 ↑ 分かりやすいようにラベルが貼られているデジタルコントロールパネルDCP4VSP-14S-USが音響ラックの一番上部に設置されている。カラオケ、ライブなどの設定がワンプッシュで変更でき、それぞれの音量もツマミを回すだけで調節可能となっている

数あるデジタルミキサーからTF1を選定していただいた理由を教えてください。

東氏:
サイズや入出力数がちょうど良かったのと、設定がプリセットできてパターン化できる点、さらにTFはUSB接続のハードディスクをつないでおくだけで2トラック録音が簡単に行える点も選定の理由でした。コンサートやカラオケを行ったときの録音をする際に、そのためにわざわざレコーダーを用意する必要がありません。

photo008 ↑ デジタルミキシングコンソールTF1

今回トータルのシステムとしてヤマハをお選びいただいたのはどうしてでしょうか。

東氏:
やはり信頼性ですね。今までいろんなメーカーの製品を現場で使ってきましたが、やっぱりヤマハが一番安心して導入できますし、困った時のサポート体制がしっかりしているのもありがたいですね。

國富氏:
わたしもヤマハなら大丈夫だと思っていました。娯楽室のグランドピアノもヤマハです。このグランドピアノはもともと自宅にあったもので、娯楽室が完成したときに自宅から運んだものなんです。

photo009 ↑ ステージモニター用にはパワードスピーカーのDBR10が導入された

今後はヤマハの機器をどのようにお使いいただく予定でしょうか。

國富氏:
患者さんやそのご家族の方々に新しい機材のいい音で、コンサートの臨場感により近い音を楽しんでもらえるのは、とてもいいことだと思っています。今回のヤマハの機材のおかげで病院のスタッフでもPA機器が簡単に使えるようになりましたので、ぜび、患者さんも含めてのカラオケ大会をやってみたいです。患者さんの中にはカラオケのレパートリ一を何百曲も持っている方がいらっしゃいますから(笑)


本日はご多忙の中、ありがとうございました。

 

國富胃腸病院
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有限会社アステック
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