【導入事例】常盤台バプテスト教会様 / 東京
Japan/Tokyo Oct.2019
東武東上線ときわ台から徒歩5分ほどの閑静な住宅街にある常盤台バプテスト教会は、2020年で創立70年を迎える歴史ある教会です。
このたび常盤台バプテスト教会の音響システムとして、ヤマハのスピーカーシステム「VXL1W-8」「VXL1W-16」「VXL1W-24」「VXS10SW」、パワーアンプリファイアー「PX3」「PX5」、ミキシングコンソール「MG10XUF」が導入されました。
音響システムのコンセプトや機種選定の理由、導入後の感想などについて、常盤台バプテスト教会 友納靖史主任牧師、音響担当 大谷理氏、そして音響システムのプランニングと施工に携わった有限会社エムエージー サウンドエンジニア 小林仰志氏にお話をうかがいました。
スピーチの明瞭度の向上と賛美歌の音楽性の多様化に対応するために音響システムを更新
今回の改修の狙いはどんなところにあったのでしょうか。
友納牧師:
この教会では、毎週日曜日に9時、11時、3時と3回礼拝を行っており、そこで説教を行い賛美歌を歌います。その際にはマイクを使っていますが、今までの音響システムはこの教会の建物が作られた時以来のもので非常に古く、声が聴きづらいという問題がありました。
小林氏:
元々あった音響システムは2ウェイのフルレンジスピーカーが教会の壁の高い場所に取りつけられていて、とにかく反射が強かったんです。しかも後方の席で声が聴こえないからとマイクの音量を上げるとその音をマイクが拾ってしまってハウリングが起きるため、マイクの音量もあまり上げることができませんでした。
友納牧師:
音響システムを更新したのには、もう一つ理由がありまして、それは礼拝での賛美歌の音楽性の変化です。
オルガンやピアノ伴奏を中心とした伝統的な賛美歌は「トラディショナル」と呼ばれますが、最近ではより現代的で言葉も分かりやすくて歌いやすいメロディーを繰り返して歌う「ワーシップソング」と呼ばれる賛美歌も増えてきました。これらは伴奏にドラムやエレキギターを使うこともあります。このように賛美歌も多様化しているため、そうした伴奏に音響面で対応したいということもありました。
大谷氏:
今までもバンド形式の演奏をすることはありましたが、ドラムなどが入ると伴奏の音が大きくなるのに、ボーカル用のマイクの音量が上げられませんでしたし、スピーカーの位置が高いため反響が大きく、何を言っているのかわからない、という状況がありましたので、教会の音響を手掛けていらっしゃるエムエージ―さんにご相談して改修をお願いしました。
スピーカーの存在を感じさせないVXLシリーズを全面的に導入
具体的にはどのような音響システムをプランニングされたのでしょうか。
小林氏:
教会で一番大切なのは「言葉」なんです。さらに賛美歌でバンド形式の伴奏が入ることを考えると音量も必要となります。そこで言葉がよく聴き取れる「明瞭度」とバンド演奏にも対応する「音量」を重視したサウンドシステムをプランニングしました。
ただしこの教会での制約としてはピアノやオルガンの位置の関係で大型スピーカーは設置できない。そして、信仰の場所としての教会の雰囲気をできるだけ守りたいということがありました。
ヤマハのスピーカーVXLシリーズをお選びいただいたのはどんな理由ですか。
小林氏:
教会の雰囲気を壊さない、コンパクトで目立たないデザインが決め手でした。改修の話は3年ほど前から進んでおり、当初は他社のスピーカーでプランニングが進んでいました。
しかしちょうど改修ギリギリのタイミングでヤマハから小型ラインアレイのスピーカーVXLシリーズが発表されて、これはこの教会にピッタリだということで検討したところ、性能的にもコスト面でも折り合いがついたため、VXLシリーズを中心とした音響システムを構築しました。
VXLは何台設置されているのでしょうか。
小林氏:
メインスピーカーとしてVXL1W-16を縦に連結したものを左右にワンペアで4台、アンダーバルコニー用にVXL1W-16を左右にワンペアで2台。さらに2階用にVXL1W-24を左右で2台、祭壇の聖歌隊用のサイドフィルとしてVXL1W-8を左右で2台使っています。
礼拝堂を見ても、どこにVXLがあるのかわからないほど教会の雰囲気に馴染んでいますね。
友納牧師:
我々としては言葉をしっかりと伝えられる音響であると同時に、できるだけ教会の雰囲気を壊さないものであってほしいという思いがあります。
ヤマハのVXLは細長くてコンパクトなので、教会に来られた方のほとんどが、スピーカーだと気づかれませんし、幼稚園の子どもたちも来るのですが、普通はスピーカーのような音が出るものを見るとみんな触ってしまいます。でもヤマハのスピーカーは子どもにいたずらされません。これには驚きました。
またこのスピーカーは遠くまで音がよく届くのに、近くで聴いてもうるさくないのです。それもスピーカーだと気づきにくい理由だと思います。
サブウーファーのVXS10SWも導入されていますね。
小林氏:
バンド演奏の際はVXLだけでは低域が物足りないのではないかと考え、メインとアンダーバルコニーのVXLにそれぞれサブウーファーとしてVXS10SWを追加しました。実際には120Hz以下の音を再生するLFとして使用しています。VXLは予想よりも低音がかなり出ました。
サブウーファーに関しては、床に設置できないので天吊り用のブラケットが用意されているVXS10SWを選定し壁面に設置しています。
各スピーカーの音質調整・距離補正はパワーアンプPXシリーズのプロセッサーで処理
アンプにはPXシリーズが採用されました。その選定理由もお教えいただけますか。
小林氏:
まずはスピーカーをしっかりと鳴らすためには確かな音質のアンプが必要だということ、さらにスピーカーが礼拝堂の様々な場所に設置されているので、EQやとディレイによる距離補正で明瞭度を高めていますが、PXシリーズであればこれらの処理が内蔵のプロセッサーで行えるので、PXシリーズを選定しました。
よく聴こえるようになったことで、話者の負担も減った
新しい音響システムを使ってみた感想はいかがでしょうか。
大谷氏:
今まではスピーカーが高い場所にあるだけだったので、場所によって音がほとんど聴こえない場所がありました。特にバルコニー下などですが、そうした部分にはしっかりとアンダーバルコニー用スピーカーを設置してもらったので、後ろでも音がはっきり聴こえ、どの場所でもよく声が聴こえるようになりました。
また聖歌隊のために用意してあるサイドのスピーカーはピアノ伴奏のモニター用として常時使っています。これも聖歌隊が歌う時にピアノの伴奏が聴こえづらいという声に対応していただきました。
また、ボーカルのマイクについても、女性ボーカル3人、4人というスタイルが多いのですが、ハウリングもなくセッティングがとても楽になりました。
友納牧師:
本当にみなさんから、お話が良く聴こえるようになったと言われます。今の時代、高齢化は避けられないので「よく聴こえる」ということはとても大切だと思っています。
聴こえやすくなったというのは、話す側にもメリットがあって、今までは地声をできるだけ大きく話そうとしていました。でも音響システムが変わってよく聴こえるようになったら、その負担がなくなったのか、話していても大変楽で、疲れにくくなりました。特にシステムが変わったばかりの時は、強くそれを感じました。
小林氏:
教会の音響は古いものが多く、同じ悩みを抱えている方も多いと思いますので、常盤台教会の音響システムはぜひ教会の方にも見て、参考にしていただきたいと思います。
ありがとうございました。ところで礼拝では必ず賛美歌を歌われるということですが、これは誰でも聴くことはできるのでしょうか。
友納牧師:
もちろんです。これだけの聖歌隊の賛美歌を聴ける教会はなかなかないと思います。どなたでも大歓迎ですので、ぜひ聴きにいらしてください。
本日はありがとうございました。
常盤台バプテスト教会
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