【導入事例】株式会社アーチドゥーク・オーディオ 様 / SRカンパニー / 神奈川

Japan/Kanagawa Dec.2020

神奈川県横浜市に本社を置く株式会社アーチドゥーク・オーディオは、2013年に設立されたPAカンパニー。

同社は「CS-R10」と「CS-R10-S」を中心に据えた2組の「RIVAGE PM10」を運用しており、今回新たに「CS-R5」と「CS-R3」を追加導入しました。「RIVAGE PMシリーズ」の多くを取り揃えることになった理由とその使用感について、株式会社アーチドゥーク・オーディオ、チーフエンジニアの村上諒氏にお話を伺いました。

株式会社アーチドゥーク・オーディオ チーフエンジニアの村上諒氏

アーチドゥーク・オーディオさんの沿革をご紹介いただけますか。

村上氏:
2013年5月に設立、6年目を迎えた会社です。本当に小さなコンテナ倉庫からスタートした会社ですが、現在は総勢30名のスタッフが在籍するまでに成長しました。いわゆるPAカンパニーではありますが、仕事の幅は広く、コンサートは勿論、企業のカンファレンスや発表会等の各種イベント等も手がけています。最新の機材を用いることで大規模な会場から小規模なものまで、幅広く対応できるのも私たちの強みです。

「RIVAGE PMシリーズ」の選定理由をお伺いした際に、Dan Duganのオートマチックミキサー機能が最大で64ch使用できることが大きいとのことでしたが。

村上氏:
カンファレンスなどの複数のマイクがあるようなトーク系の現場では非常に重宝しています。レベルを整えるだけでなくて、無発声時のノイズも減らしてく素晴らしい機能ですね。

「RIVAGE PM10」を導入してから一年以上の年月が経ちますが、使用するうえで改めて良いと気づいた点はありますか?

村上氏:
私たちは「CL/QLシリーズ」も所有していますが、「RIVAGE PMシリーズ」ならではの機能性やサウンド・クオリティの高さですね。96kHzでの音声処理というのも大きく、これはマイクテストで声を出した瞬間に、その解像度の高さに驚かされます。操作性も安定しているので、現場での使用回数が増えるにつれて、私達のフラッグシップコンソールとして馴染みのある存在に育ってきています。

プラグインエフェクトで気に入っているものがあれば教えてください。

村上氏:
先述したDan Duganのオートマチックミキサーはもちろんですが、バージョン3.0から搭載されたDaNSeというプラグインが素晴らしいです。ノイズサプレッサーなのですが自動学習機能であるLearn機能がとても優秀で、ボタンひとつで会場のノイズを学習し、自動的に抑えてくれます。カンファレンスなどの現場はもちろん、最近増えてきている配信系の現場は特にノイズにシビアな環境なので、そういった場面で効果的に活用できます。

Silkプロセッシングに関してはどうですか?

村上氏:
Silkプロセッシング以前の話ですが、I/Oラックである「RPio622」の入力部のクオリティの高さを感じますね。非常にナチュラルに音を捉えられています。そのうえでのSilkは色付けされていくというよりも、音全体が膨らんでいくような、あくまで自然に底上げされていくような印象です。EQというよりも良質なトランスを通したときのようなイメージですね。音に存在感を出したいときにはピッタリだと思います。

今回新たに「RIVAGE PM5」、「PM3」を導入されましたが、その理由について教えてください。

村上氏:
私たちは優れたクオリティのサウンドを会場の規模に関わらずどんなところにも提供したいと思っています。ですが、「CS-R10」などの大きなコンソールだとスペース的に難しい場所もあります。今回導入した「CS-R5」や「CS-R3」があれば、フラッグシップである「RIVAGE PM10」と同じクオリティのサウンドを、さまざまな規模の現場にも持っていけるようになる。それが今回の導入に対する理由です。サイズはもちろん重量もかなり軽いですし、これは私たちにとっても嬉しいですね。

「RIVAGE PM5」は一度現場でも運用されたとのことでしたが、いかがでしたか?

村上氏:
その現場を担当したのは、「RIVAGE PMシリーズ」をはじめて使う若いオペレーターでしたが、「CLシリーズ」を使い込んでいる経験があったおかげで、当日は初見でも問題なくオペレートができていました。「RIVAGE PMシリーズ」はどの機種でも操作画面は同じですから、初見で「PM5」が使えれば当然「PM10」も扱えます。私も倉庫で「PM5」をテストしたときに、「CLシリーズ」や「QLシリーズ」を操作する知識があれば、何となくでも仕組みが分かりますし、そのままオペレートできるという印象がありました。特に使いにくいと思うところもなかったですし、何の予備知識もなく扱えるというのは、大きなメリットだと思います。

新たにEQなどの画面のマルチタッチが対応になり、ピンチイン&アウトの操作が可能になったこと、さらにはセンドオペレーションのワークフローが改善されています。その部分の印象はどうですか?

村上氏:
EQの画面がマルチタッチ対応になったのは、これまでiPadなどでよくやっていた操作なので、コンソール内でそれができるというのは、操作にも一体感が生まれて良いですね。センドオペレーションに関してはセンズオンフェーダーの逆というか、チャンネル対送りの操作がとてもスムーズなので、現場でも重宝する機能になると思います。

Selected Channelセクションのノブには、新たにタッチセンス機能が付加されました。

村上氏:
ノブを触ったときに操作するパラメーターが何なのかがポップアップで表示され、現在の数値も確認しながら操作に移れるのでとても分かりやすいです。自分が触りたいものが瞬時に確認できて、視線を移動させずにそれができるので、コントロールに集中できます。

「CS-R5」は「RIVAGE PMシリーズ」のなかでも液晶画面が最多の3画面ですが、オペレート的にメリットを感じましたか?

村上氏:
自分たちが見たいと思う情報を多く表示しておけるというのは、それだけコントロールしやすくもあるので、現場においてメリットがあると感じました。「CS-R10」や「CS-R10-S」と比較すると操作子は減っていますが、使用頻度の低い操作子が格納されたぶん、スクリーンが増えているので、操作性としては向上したようにも感じました。

「CS-R5」は「CS-R10」と比較してフェーダー面の奥行きサイズがコンパクト化され、レベルメーターをフェーダーの横に配置するなど、操作面での改良が施されています。

村上氏:
奥行きのサイズが短くなっているおかげで、体格を問わずにオペレートしやすくなっていると感じました。従来の「RIVAGE PM」のレベルメーターはフェーダー上部にありましたが、フェーダー横に配置することでサイズが長くなり、視認性が高まったのは嬉しいです。レベルはもちろんリダクションの細かな数値確認が分かりやすくなっているのは、オペレートのしやすさに繋がっていますね。

「CS-R3」に関してはテストしてみてどんな印象でしたか?

村上氏:
こちらはディスプレイが一画面であるのに加えてフェーダーピッチも狭く、より「CL5」や「QL5」に近い操作フィーリングがあります。「CL/QLシリーズ」からの移行ということであれば、「CS-R3」がもっともスムーズに感じると思います。つまり単純に「CS-R5」のコンパクト版ではなく、「CS-R3」にしかないコンセプトを感じました。チャンネル数が少なくても良い音が求められる現場において、「RIVAGE PM3」は欠かせないモデルになると思います。

「RIVAGE PM10」に加えて「PM5」、「PM3」が加わったことで、コンソールの運用面においてはどんなメリットを感じますか?

村上氏:
やはり「RIVAGE PMシリーズ」はDSPエンジンとコントロールサーフェス、I/Oラックをいずれのモデルでも共有できるというのがポイントですよね。それによって会場やブースのサイズよってコントロールサーフェスをセレクトできるわけですから。会場のサイズの如何に関わらず音質のクオリティが求められる現場もあるので、そういったときにはRIVAGE PMシリーズが活躍すると思います。
また「RPio622」だけでなく「Rio3224-D2」や「Rio3224-D」も使用できるので、PMシリーズを導入しても稼働率が下がることはなく現場によってフレキシブルに構成をチョイス出来るので取り回しに関しても非常に優秀ですね。なので、「Rioシリーズ」所有のユーザーであれば「RIVAGE PMシリーズ」の導入によって得られる恩恵が大きいと実感しました。

「RIVAGE PMシリーズ」に対する要望などはありますか?

村上氏:
「RIVAGE PM5」、「PM3」と同時に「DSP-RX」が登場して導入しやすくなりましたが、さらにコンパクトなDante搭載エンジンなどが発売されると良いですね。あとは今、配信現場という需要が増えてきているので、そういう意味ではラウドネスメーターがプラグインで入っていると良いと思います。例えば「PM5」だと画面が3つあるので、メーター表示を出しておけたりもしたら有り難いです。

確かに新型コロナウイルスの影響もあり、無観客のライブ配信などの新しい現場も増えています。そういったなかでPMシリーズはどう活用できると思いますか?

村上氏:
ライブ配信の場合は最終的なアウトプットが会場に設置するスピーカーではなく、インターネットを介して個人のリスニング環境になるので、さらなるサウンドの解像度、音質の追求が必要になってくると思っています。そうしたときには「RIVAGE PMシリーズ」に搭載されるSilkプロセッシングを含めた、各種のプラグインは“他の配信と音質で差を付けたい”という部分でアドバンテージになると思います。実際に音質を向上させたいというリクエストも増えているので、今後は配信の現場に「RIVAGE PM5」や「PM3」を導入するという選択肢は増えると思います。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

株式会社アーチドゥーク・オーディオ
https://www.facebook.com/ArxiducAudioCoLtd/

製品情報
デジタルミキシングシステム RIVAGE PMシリーズ