【導入事例】PRONTO青山 様 / カフェ&バー / 東京
Japan/Tokyo Nov.2020
2020年2月、PRONTO青山店の改装にあたり、ヤマハのサーフェスマウントスピーカー「VXS1ML」、サブウーファー「VXS3S」、パワーアンプリファイア−「MA2030a」が導入されました。
選定理由やBGMのコンセプトについて、株式会社 宏有 代表 山口 剛彦氏、株式会社 プロントコーポレーション 設計監理部 設計グループスペシャリスト 佐藤 和泰氏、同社経営企画本部 経営企画部 広報グループ 山下 夏子氏、そして音響設計とミュージックデザインに携わったMood Media Japan株式会社の取締役 シニア・ミュージック・デザイナー 植木 美央氏、同社 アカウント・エグゼクティブ 高橋 嶺治氏にお話をうかがいました。
PRONTOブランドを象徴する青山店の内装はブルーグレーを基調とした上品な空間に
まずPRONTO青山店についてご紹介ください。
山下氏:
PRONTOはイタリアンバールをコンセプトとし、朝はコーヒーとパンでモーニング、昼はパスタでランチ、午後はスイーツでティータイム、夜はアルコール類とフードメニューでバー、と一日を通して寛げるカフェ&バーです。その中でもPRONTO青山店は、PRONTOがカフェ&バーとして営業を開始して間もない1993年にオープンしたお店で、同じ場所で25年以上にわたって営業を続けているPRONTOを象徴する大切な店舗です。青山という場所柄でしょうか、デザイナーやカメラマンなどクリエイティブなお仕事の方々が打ち合わせで利用されますし、ランチ時はすぐ近くの青山学院大学の学生の方々も大勢いらっしゃいます。
PRONTO青山店は最近改装されたそうですが、どんなコンセプトで改装されたのでしょうか。
佐藤氏:
今年(2020年)の2月に改修しました。今回内装には青を多く使っています。通常、青という色は飲食店の内装色として敬遠する設計者もいますが、上品な雰囲気でリニューアル感を出すために数案検討する中で、ブルーとグレーが混ざったような温かみのある薄いブルーグレーをコンセプトカラーとして使いました。結果的に青山に青となっておりますが(笑)主にタイルやベンチなどにブルーグレーを使用して落ち着きのある上品な空間づくりを行いました。機能面では受動喫煙防止に関する法令や条例に準じ、分煙を徹底するために喫煙ブースを設け、換気能力も大幅に向上させました。
BGMはMood Media Japan選曲で全館統一しブランディング
PRONTO青山店で使っているBGMは、どのように選定されているのでしょうか。
佐藤氏:
以前のPRONTOではそれぞれの店舗スタッフが選定したBGMを使っており、選曲がばらついてしまっていたので、2009年にPRONTOのブランディングの一環として全店舗統一のBGMのプレイリストをMood Media Japanさんに作成していただきました。それ以来10年以上にわたってBGMはMood Media Japanさんにお願いしています。
Mood Media Japanでは、PRONTOのイメージに合わせて、どんな音楽を選定しているのですか。
植木氏:
PRONTOは、日中はセルフサービスのカフェ、夜はフルサービスのバーになるという、ユニークな二毛作業態です。そこで音楽も合わせて1日を朝・昼・夜の3つに区切り、シーンの移り変わりにあわせた楽曲をセレクトしています。朝の時間帯は、アコースティック楽器を多く使った、爽やかで落ち着きのあるロックやポップスが中心。昼から夕方にかけては、躍動感のあるソウルやファンク寄りの楽曲を取り入れて、ビジネスパーソンや学生がリフレッシュをしたりコミュニケーションをしたりできるような、活気のある空間づくりを目指しています。バータイムのメインターゲットは、20~30代の女性。おひとりでもグループでも、お酒を飲んでいてもいなくても、気張らずにくつろいですっきり明日を迎えられるよう、最新のポップにレトロ風味のロックやファンクをミックスして、開放的で闊達な空気感を作っています。
コンパクトなサーフェスマウントスピーカー「VXS1ML」とサブウーファー「VXS3S」によるサウンドシステムを選定
ヤマハの音響機材の選定理由を教えてください。
佐藤氏:
弊社はカフェ・レストランのPRONTOとは別に、東京・八重洲にサントリーのプレモルを専門に提供する「神泡BAR」も展開しています。その店のBGMもMood Media Japanさんにお願いしたのですが、BGMに加え最適な音響システムとして、ヤマハの音響機器もあわせてご提案してくださいました。その音響システムがとても素晴らしかったので、今回のPRONTO青山店でも音響システムのプランニングもお願いしたというわけです。
「神泡BAR」でヤマハの音響機器ご提案いただいたのは、どんな理由からでしょうか。
高橋氏:
八重洲の「神泡BAR」は和紙などを使ったとても素敵な空間なのですが、BGMは昔懐かしいジャズなどのオールドミュージックのBGMをセレクトしました。そのような曲はアコースティックな曲調が中心になりますので、ナチュラルな音質で、しかもインテリアを邪魔しないということで、コンパクトなサーフェスマウントスピーカー「VXS1ML」と天井に設置できるサブウーファー「VXS3S」による音響システムをご提案しました。そのシステムを高く評価いただき、このたびぜひPRONTO青山店でも、というお話をいただき、今回同じ音響システムを導入したというのが経緯です。
「神泡BAR」の音響システムでは、具体的にどんな点が良かったですか。
山口氏:
まずスタッフ誰もが一聴して「音がいい」と言いました。それまでのPRONTOのBGMは、いわば軽やかな音に感じたのですが、「神泡BAR」は音がしっかり下まで降りてくるような音質だと感じました。スピーカーのサイズについても、最初は小さくてびっくりしましたね。いったいどこから音が流れてくるのかわかりませんでした。これならお店の内装にはほとんど影響しませんので、その点も評価しました。
PRONTO青山店の音響システムをご紹介ください。
高橋氏:
「神泡バー」と同様にサーフェスマウントスピーカー「VXS1ML」とサブウーファー「VXS3S」で再生システムを構築しました。音が下まで響くような感覚は、サブウーファーを使っていることから来ていると思います。天井にマウントできるので場所を取りません。また「VXS1ML」はスピーカーの向きを設定できますので、たとえばバーカウンターではスピーカーの真下に座るお客さまにうるさくないように少し首を振って、直接音が席に向かないような工夫をしています。今回、スポーツ観戦用にテレビモニターを設置し、店内でテレビの音も聴けるようにしています。パワーアンプ「MA2030a」は前面に入力切り換えがありますので、BGMとテレビの音声を簡単に切り替えることができます。喫煙ブースは客席とは別にパワーアンプ「PA2030a」を使うことで音量を個別に調整できるようにしています。
商品、内装、音楽の3つが揃ってはじめて、お客さまに「居心地がいい」「また来たい」と思っていただける
改装後、ヤマハのサウンドシステムを実際に運用してみての反応はいかがですか。
山口氏:
たいへん満足しています。BGMの曲に関してもお客さまから「この音楽、何ていう曲?」と尋ねられることもあり興味を持っていただくことが多いです。日々の運用も、ボリュームについてはMood Media Japanさんに細かく調整していただいていますので、スタッフが調整する手間がなくなりました。
こういったカフェやレストランという業態では、BGMの選曲や再生音の音質は重要なのでしょうか。
山下氏:
非常に重要だと考えています。カフェやレストランは商品、内装、音楽の3つが揃ってはじめて、「居心地がいい」「また来たい」とお客さまに思っていただける場所になると思っています。特にPRONTO青山店は音楽に敏感なお客さまや、夜一人で来られてお酒を楽しまれるお客さまも多いので、音楽による雰囲気づくりは大切だと思います。また時間帯によってお店の表情が変わるのがPRONTOの特徴です。最近の若いお客さまにはPRONTOはパスタ屋さんというイメージがあるそうですが、カフェであり、夜はおいしいお酒が楽しめるバーもあります。BGMは時間帯で店の雰囲気をガラリと変えるという、重要な役割も担っていると思っています。
本日はご多忙の中、ありがとうございました。
PRONTO -プロント- <公式>
https://www.pronto.co.jp/
Mood Media Japan株式会社
https://moodmedia.jp