ターンテーブル『GT-5000』について低温時に規定の回転数に達しない、 または規定の回転数に達するまで通常よりも時間が掛かる症状につきまして
2021年9月1日
株式会社ヤマハミュージックジャパン
平素はヤマハ製品へのご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
ターンテーブル『GT-5000』につきまして、出荷された製品の一部で低温時に規定の回転数に達しない、または規定の回転数に達するまで通常よりも時間が掛かる症状が発生しました件につきましてのご報告と、その対策についてご案内いたします。
ヤマハWebページや取扱説明書などへの事前の注意喚起が十分でなく、お客様をはじめ関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
対象製品
症状
GT-5000の許容動作温度は10℃から35℃に設定されておりますが、冬季などお部屋の温度が低くなり許容動作温度を下回る場合や、本体が冷えた状態から回転を始動した際に、室温が許容動作温度を上回ってもターンテーブルの速度が上がらず規定の回転数に達しない、または規定の回転数に達するまで普段よりも時間がかかる症状が報告されております。
GT-5000は回転時のトルク変動を抑え安定した再生を実現するために、トルクの非常に小さいモーターを使用しております。センタースピンドルの軸に塗布されたグリースが低温で粘度が高くなると、回転負荷が大きくなりモーターの性能限界を超えてしまうため発生する症状となります。この状態はお部屋を暖めることでグリースの温度が上昇し、本来の性能を発揮できる状況になると解決いたします。グリース部の温度や塗布量の微小な違いにより差がございますが、最終的に30秒以内で規定の回転数に達するようであれば問題ございません。この症状の多くは春から秋の暖かい時期には発生しません。またこの症状による製品そのものや音質への影響はございません。
GT-5000に採用したグリースは、製品の設計段階で複数の種類を塗布して比較試聴したうえで、特に音質的に優れたものを採用しております。弊社としても低温時の動作について認識をしておりますが、GT-5000の音質を決定するうえで重要な機能部品として音質を優先して採用に至りました。ご使用の上でご不便をおかけする場合がございますことを、深くお詫び申し上げます。
対策
まずはセンタースピンドルの軸に塗布されたグリースが暖まり本来の性能を発揮するまで、室温20℃程度を目安にし、室温が均質になるまでお部屋を暖めてからご使用ください。許容動作温度につきましては、室温ではなくセンタースピンドル部の温度となりますため、室温に追従した製品の温度上昇に時間を要する場合がございます。環境にも依るところがございますが、製品内部が5℃程度に冷えた状態から、グリースの温度が動作許容温度に達するまで、20℃に均一に温められたお部屋で90分程度の時間を要する場合がございます。
回転の始動時には最も負荷が大きくなりますため、ターンテーブルを回転方向にゆっくりと手で回す動作をお試しいただくと、動作補助となります。