デジタルミキシングシステム「RIVAGE PMシリーズ」がSMPTE ST 2110-30に対応
ヤマハは、ユーザーの利便性向上のため、定期的にソフトウェアのアップデートをおこなうことで、高品質で使いやすい機能を提供しています。一方、Danteネットワークは、その高品位な伝送と柔軟性から、幅広い業務用オーディオシステムに採用されており、機器間の接続性向上に大きく貢献しています。今回、デジタルミキシングシステム「RIVAGE PMシリーズ」の最新ファームウェアアップデートにより、Danteインフラを介してSMPTE ST 2110-30に対応しました。
SMPTE ST 2110は、放送業界で急速に拡大しているMedia Over IPの規格であり、ST 2110-30はそのオーディオ伝送の部分にあたります。「RIVAGE PMシリーズ」には最大144chのオーディオ入出力に対応しているDanteインターフェースカードを用意しています。Audinate社のソフトウェア「Dante Domain Manager」と組み合わせることで、これらのインターフェースは「SMPTEモード」で動作できるようになりました。これにより、ST 2110-30機器と通常のDante機器間の互換性が保たれるだけでなく、システムセットアップが容易になり、セキュリティも強化されます。既にST 2110-30に対応しているデジタルミキシングコンソール「CL/QLシリーズ」やI / Oラック「Rシリーズ」と組み合わせることで、ユーザーの選択肢を広げ、より柔軟で包括的なシステムの構築に貢献します。
さらに、「RIVAGE PMシリーズ」では、1台のDSPエンジンに対して最大4枚のオーディオネットワークカードを装着でき、複数のネットワークをブリッジすることができます。Danteインターフェースカード「HY144-D-SRC」はサンプリングレートコンバーターを備えており、接続における選択肢を追加できます。例えば、96kHzで動作するライブSRのためのDanteシステムと、48kHzで別のクロックドメインで動作する放送用のST 2110ネットワークとの間を安全に接続することができます。
ヤマハ株式会社プロオーディオ事業部マーケティング&セールス部部長平井智勇のコメント:
「RIVAGE PMシリーズ」がSMPTE ST2110-30を対応したことで、より柔軟性なシステムを求めるお客様、これから既存のシステムのIP化を検討していくお客様にお役立ちいただけると確信しています。我々は今後もお客様のご意見に耳を傾け、より柔軟なシステムと快適なミキシング環境を提供できるよう努めてまいります。