【導入事例】株式会社アーティカル 様 / SRカンパニー / 神奈川
Japan/Kanagawa Dec.2021
大阪/神奈川を拠点とするSRカンパニー、株式会社アーティカル様(以下「株式会社アーティカル」)はライブSR、ライブレコーディング、ライブ配信、設備音響設計 / 施工事業などの業務を展開しています。このたび株式会社アーティカルにヤマハデジタルミキシングシステム「RIVAGE PM5」が導入されました。
導入の経緯や選定理由などについて、株式会社アーティカルの川崎ブランチにお邪魔し、代表取締役 濵田 正一氏、サウンドエンジニアの石附 和哉氏にお話しをうかがいました。
ミキサーはエンジニアにとって楽器のような存在
まずアーティカルについて教えていただけますか。
濵田氏:
11年前に大阪で、私と石附ともう一人のエンジニアが中心となって立ち上げた会社です。立ち上げ当初からライブPAだけでなく、ライブレコーディング、そして最近ではライブ配信など音の仕事に幅広く携わっています。
この川崎ブランチはどんな経緯で立ち上げられたのですか。
石附氏:
東京でツアーを受注することが多くなってきて、エンジニアの仕事も東京圏での方が多くなったので、3年近く前に現在の川崎ブランチを立ち上げました。
濵田氏:
僕たちはエンジニアとミキサーがセットで動くことをコンセプトにスタートしました。なのでエンジニアの数だけミキサーとプレイバックする為のスペースも必要なんです。ミキサーは僕たちが一番触る道具ですから、ギタリストのギターと同じで、自前で使いやすいものを使いたいと思っています。
ミキサーをオペレートするというフィジカルな面を重視されているということなんですね。
濵田氏:
はい。自分たちの手に馴染むものを増やしていくという考え方でやってきました。倉庫内でもミキサーは全て開けてあって、いつでも触れる状態にしています。そうしておけば、プレイバックで研究したり次の現場で使うデータをチェックするのにもすぐに触れますから。会社を始めた当初はヤマハの「CL5」を使っていて、その後、「QL5」、「QL1」、そして今回、「RIVAGE PM5」を導入しました。
以前からヤマハのミキサーを導入していただいているということですが、どんな理由からですか。
濵田氏:
やはり日本のメーカーなので、機能面や操作面に関してかゆいところに手が届く感じがあります。それと汎用性ですね。「CL5」は今や全国どこに行っても出会います。体に馴染んでいるミキサーが日本中にあるのは、とても助かります。
石附氏:
アーティカルを立ち上げる以前も僕たちは「PM3000」、「PM3500」、「PM4000」、「PM5000」などアナログ時代からヤマハのミキサーをよく触っていたので、ヤマハへの信頼はすごくありますし、その使い勝手の良さは体に馴染んでいます。
「RIVAGE PM5」の導入理由は、96kHz動作、I/O数、そしてカッコよさ
このたび「RIVAGE PM5」を導入いただいた理由を教えてください。
石附氏:
今まで「CL5」、「QL5」が世の中ですごく使われていて、僕もずっと使って来ましたが、最近は96kHzで動くミキサーが出てきたのと、モニターでは全員イヤーモニターというのが最近増えてきて、イヤーモニターを全部ステレオで送るとなると、メンバーが多い場合はミックスバスが24chでは足りない現場が出てきました。
RIVAGE PMシリーズの中から「RIVAGE PM5」を選ばれたのには理由がありますか。
濵田氏:
そもそも僕たちが求めていたのは「CL5」のグレードアップ版だったので、今までやってきた仕事の規模感、サイズ感も含めて一番しっくりときたのが「RIVAGE PM5」でした。とはいえ「RIVAGE PM3」と悩みましたけど。結局、最終的には「RIVAGE PM5」がカッコよかったから(笑)というのはあります。
ライブSRはミキサーがかっこいいのは大事ですよね。
濵田氏:
本当に大事です。触っていて楽しくなりますから。
実際に「RIVAGE PM5」を使ってみた感想はいかがでしょうか。
石附氏:
96kHzで動作しているからだと思いますが、「CLシリーズ」にも入っているプラグインエフェクトのクオリティが段違いに良くなってますね。たとえば「Portico」の質感もだいぶ違うように感じます。「U76」を使うか「Portico」を使うか迷って聴き比べたときに、その質感の違いが「CLシリーズ」の時よりもより顕著に分かります。
濵田氏:
全体として解像度が素晴らしい。音質がすごく向上してますね。
あと「Bricasti Design Y7」がプラグインで内蔵されたことが、僕としてはかなり嬉しかったです。普段、実機のBricasti Designのリバーブ「M7」を使っていて、質感がすごくいいんです。それが「RIVAGE PM5」からプラグインではいって、実機だと1系統ですがプラグインだと何台でも使い放題なので、使いまくってます(笑)
「RIVAGE PM5」はPA、配信、モニターとオールマイティーに使える
「RIVAGE PM5」の操作性はいかがでしょうか。
石附氏:
「CL5」を使い慣れている人ならすぐに使えるでしょうね。ヤマハらしく使いやすいミキサーです。それと「RIVAGE PM5」は画面が3つあって、オペレーターごとにセットアップが自由に組めるというのがいいですね。セットアップは現場やオペレーターにもよりますし、演目によってもかなり自由にカスタマイズできます。「RIVAGE PM5」で一番使い勝手がいいなと思ったのが、センドのポイントが細かく変えられるところです。例えばモニターの送りも、コンプレッサが当たる前の音をこの人には送りたいとか、細かく分けられるのがいいと思います。それとMONITOR BUSが2系統あって、そこにEQがかけられたり、インサートができるミキサーは、なかなか他にはないと思います。
「RIVAGE PM5」は用途としてはオールマイティーに使えるのでしょうか。
濵田氏:
オールマイティーだと思います。「RIVAGE PM5」はすでにコンサートPA、配信ミックス、モニターミキサーとして稼動していますが、画面もフェーダーもツマミも、用途に応じて使いやすいようにカスタマイズができるので、様々な用途で広く使われるミキサーになるのではないでしょうか。今、「CLシリーズ」や「QLシリーズ」はリハーサルスタジオにもあるし、ライブハウスにもあるし、ライブイベントでも使いますが、それと同じように「RIVAGE PM5」や「RIVAGE PM3」が日本中どこにでもあるようになるといいなと思っていますし、可能性はあると思います。そうなれば僕たちが会社で煮詰めたデータが日本全国でそのまま使えますしね。
最後に今後の抱負を教えてください。
石附氏:
ライブの現場がこのコロナ禍でいったん無くなってしまって、やっと今戻ってきた感があるので、コロナ期間にインプットした知識やノウハウを使って、今後はより良い音を出していけたらいいなと思っています。
濵田氏:
まだまだ100%ではないですが、雰囲気的にはずいぶん戻ってきている印象です。今の一番の目標は「RIVAGE PM5」を持って全国を飛び回ることですね。それと個人的には「RIVAGE PM5」のプラグインを深く研究したいです。PAがプラグインでチャンネル数を気にせず好きなだけエフェクトを使えるようになったのはつい最近のことなので、研究して音作りの幅を広げていければと思っています。
本日はお忙しい中ありがとうございました。
株式会社artical(アーティカル)
http://artical-inc.co.jp
製品情報
デジタルミキシングシステム | RIVAGE PMシリーズ |