キャットミュージックカレッジ専門学校 様 / 教育機関 / 大阪
Japan/Osaka Nov.2021
大阪メトロ御堂筋線・江坂駅から徒歩5分の場所にあるキャットミュージックカレッジ専門学校。少人数制の指導でプロ仕様の設備・機材を使った実習中心のカリキュラムを展開しており、プロミュージシャン、PAエンジニア、レコーディングエンジニア、コンサートスタッフやアーティストマネージャーなど、優れた人材を数多く輩出しています。
このたびキャットミュージックカレッジ専門学校に、ヤマハデジタルミキシングシステム「RIVAGE PM3」が導入されました。その導入の経緯や選定理由などについて、キャットミュージックカレッジ専門学校 教務部 豊島 芳樹 氏、講師の杉山 正吾 氏にお話をうかがいました。
プロのPAエンジニアならヤマハのミキサーは
使えて当たり前、というのが私たちの考え
キャットミュージックカレッジ専門学校について簡単にご説明ください。
豊島氏:
キャットミュージックカレッジ専門学校は1979年に音楽教室からスタートし、1988年3月に大阪府の認可を受け専修学校として開校し、音楽・ダンス業界のプロを育成する学校としてすでに30年以上の歴史があります。その中で音響に関わる勉強をしているのが、音楽技術学科音響エンジニア専攻、総合学科総合音楽専攻と総合スタッフ専攻の3つの専攻です。本校には200名以上を収容できる公共ホールにも匹敵する規模の校内ホール『CAT HALL』があり、CAT HALLでの使用をメインに「RIVAGE PM3」を導入しました。
音響エンジニア専攻コースではどんな授業をされているのでしょうか。
豊島氏:
2年制のカリキュラムで、1年目はPA、レコーディング、放送系を含めた広い範囲の基礎知識を学びます。実技としてはコンパクトなミキサーで小さいセットを組めることが目標です。2年目になると学生はPAコース、レコーディングコースのいずれかを選択し、各分野についてより専門性を高めていきます。PAコースでは、実際にイベントに参加。プロの現場で手伝いから始め、経験を積んでいきます。
このたび「RIVAGE PM3」を導入いただいた理由を教えてください。
豊島氏:
これまでは教材用にヤマハのデジタルミキサー「M7CL」や「LS9」を使っていました。しかし、現場でも日々機材や環境が変化していることを踏まえ、ネットワークオーディオの授業を強化することに。そこで選定したのが「RIVAGE PM3」でした。
教材としてヤマハミキサーを使っていただいているのはどうしてですか。
豊島氏:
授業を担当する教員・講師は現場で経験を積んできたプロです。その私たちの共通認識として『PAの現場ではヤマハのミキサーや機材は必ず出てくるもの』という考えがあります。だから、プロなら使えるのはあたりまえ。そのプロを育てる専門学校としては、まずヤマハのミキサーを使いこなせるようになってもらうべきと考え、実習にも使用しています。
「RIVAGE PM3」は画面が大きく指導用ミキサーとしても最適
実際に授業をされている杉山先生にうかがいます。「RIVAGE PM3」を使ってみていかがでしょうか。
杉山氏:
今までのヤマハのコンソールと比べると、ディスプレイ画面が大きくなっているので、視認性がすごく良くなっています。ミキサーを教えている時は、一人の学生しかミキサーに触れないので、他の学生は後ろから操作を見るのですが、やはり画面が大きい方がわかりやすいです。それと「RIVAGE PM3」はコンパクトなので、モニター卓として舞台袖に組むこともでき、メイン卓を想定した実習、モニター卓としての実習のどちらでも使用可能です。複数の用途で使用ができる点も教材としてマッチしていると思います。
「RIVAGE PM3」になって学生から反応はありますか。
杉山氏:
画面やボタンが大きく操作しやすい点に加え、フェーダーやLCDの明るさなど、視認性がすごく良くなっているので触りやすくなった、と言っています。
杉山先生はPAエンジニアとしても活躍されていますが、「RIVAGE PM3」はどのあたりがいいと思われますか。
杉山氏:
96kHzのDanteで動作できる点です。I/Oは同じRioシリーズでも、「CL5」で48kHzで使っていた時と「RIVAGE PM3」で96kHzで動かした時では、やっぱり音の密度が違って96kHzのほうが音が濃く感じます。僕としてはそこが一番気に入っています。
「音響の仕事は楽しいもの」ということを伝えたい
優秀なPAのエンジニアを数多く輩出されているキャットミュージックカレッジ専門学校ですが、教育方針やモットーなどがあったら教えてください。
豊島氏:
「個性」を磨き「才能・能力」を高め「技術」を身に付ける、というのが本校の教育理念です。まずは学生にとって将来につながる有意義な学校であること。そして業界にとって信頼できる人材育成機関であるために、日々さまざまな点で試行錯誤を繰り返しています。どんな仕事でもいえることだと思いますが、現場に出て初めの頃は雑用や手伝いがメインです。だからこそ、この学校にいる2年間はできるだけ僕らが持っている知識やノウハウをアカデミックに教えてあげたいと思っています。
杉山先生は教えることを通じて学生たちにどんなことを身につけてほしいと思いますか。
杉山氏:
ここで教える根底には「音響という仕事は楽しいものだ」ということを伝えたいという想いがあります。僕らの仕事はアーティストに音を出してもらわないと仕事が始まらないし、一人ではできない仕事です。それでもアーティストが出した音を素直に拡声できるのは楽しいことだ、ということを、実習などを通じて少しずつでも学生たちに伝えていけたらと思っています。
実習を拝見しましたが、最近は女性の学生が多いのですか。
杉山氏:
そうですね。以前に比べてエンジニアになりたいという女性は増えています。現在比率的には半分が女性ですね。
今後優秀な女性ミキシングエンジニアが増えてくるかもしれないですね。
杉山氏:
それは良い傾向だと感じます。女性アーティストも多いし、女性のエンジニアの方が適した現場もあるので、今後は音響業界もどんどん女性の活躍できる場が広がっていくのではないでしょうか。
ご多忙中ありがとうございました。
キャットミュージックカレッジ専門学校
https://www.cat.ac.jp
製品情報
デジタルミキシングシステム | RIVAGE PMシリーズ |