【導入事例】株式会社ミックス 様 / SR カンパニー / 福岡
Japan/Fukuoka Apr.2022
福岡市西区にオフィス兼倉庫を構える株式会社ミックス様は、1983年に設立された地元密着型のPAカンパニーです。2022年現在総勢8名のスタッフを擁し、音楽のコンサートから各種イベント、ライブ配信、さらには冠婚葬祭に至るまで、さまざまな催し物の音響を担当。その堅実な仕事ぶりは、多くのクライアントから高く評価されています。
そんなミックス様は、九州では他に先駆けてNEXO製品を採用したPAカンパニーとしても知られ、PS15を皮切りに、PS10、Alpha Series、NXAMP、ID Seriesなど、多数の製品を導入。今やNEXO製品は、ミックス様の業務に無くてはならない存在となっています。
はたしてどのような経緯でNEXO製品を導入することになったのか、どのあたりを気に入ってNEXO製品を愛用し続けているのか、エンジニアの徳王 崇人 氏、南 信也 氏、久保田 洋平 氏、阿南 大志郎 氏にお話を伺いました。
ミックス様が手がけられている仕事は多岐に渡るそうですね。
徳王氏:
イベントが中心にはなるのですが、野外のコンサートも手がけますし、地元に根ざした音響の会社ということで、冠婚葬祭もやっています。最近はライブ配信なんかも増えていて、そういった仕事は若いスタッフが手がけていますね。ウチの強みは、スタッフ全員がそれぞれ得意分野を持っているところ。みんなバラバラに動いて、自由にやっているんですが、それによって成長もしている。極端な話、個人商店の集まりみたいなものです(笑)。
久保田氏:
スタッフ全員、音響だけでなく、いろいろな分野の知識を持っているので、お客様から変わったオーダーがあっても柔軟に対応できるというのは弊社の強みですね。基本はPA屋ではあるんですが、音響以外の要望にも柔軟に対応しています。
ミックス様にはNEXO製品を早くからご活用いただいていますが、そもそも導入のきっかけは何だったのでしょうか。
徳王氏:
PS15が発売になったとき、確か2000年になるかならないかという時期だったと思いますけど、試聴する機会があったんです。そうしたら、それまでに無い感じというか、自分が使ったことがないような音質で、これは良いなと。パッと鳴らしただけで、いきなり整理された音が出てきたんですよね。当時はPS15のような整理された音のスピーカーって珍しかったので、これは全然違うなと。体積に対しての音量感も十分で、NEXOというブランド自体、よく知らなかったんですけど(笑)、他に先駆けて導入してみようと。
南氏:
PS15は音質もそうなんですが、サイズ感が凄く魅力的でしたね。それまでハイエースを2台出していた現場でも、PS15ならモニターを含めて1台でいけてしまうなと。
久保田氏:
それまで使っていたスピーカーと比べると、サイズ的には1/4という感じでしたよね。本当にPS15の可搬性の良さは魅力でした。
徳王氏:
そんな昔話をして懐かしんでも、若い人からは笑われちゃいますけどね(笑)。でも、コンパクトなところは本当に良かった。当時のスピーカーは、バトンに吊り下げるのも難しかったんですけど、PS15は簡単に吊り下げられたりとか。凄くコンパクトなところは、お客さんからも喜ばれましたね。
その後にPS10も導入したんですが、音質的なバランスはPS10の方が好みでした。PS15は15インチなので、ローとかロー・ミッドに特徴のある音がするんですけど、現場によってはそのクセが邪魔になるときもある。その点PS10は、全体のエネルギーのバランスが良いというか、そのあたりを意識せずに使うことができたんです。
その後、Alpha Seriesも導入していただきました。
徳王氏:
たまたま試聴会がホールであって、当時の社長と2回くらい聴きに行ったんです。そうしたら社長がめちゃくちゃ気に入って、“トク、どう思う?”と訊かれたんですけど、“凄く良いと思います。でもウチに買えます?”と答えたのを憶えていますね(笑)。地方のPA屋なので、1ツアー回ってペイできる価格ではなかったんですけど、それだけの投資をしたくなるスピーカーだったんです。最初は確か、片側にS2サブウーファーを2台、B1ベースキャビネットを4台、M3ミッドハイキャビネットを4台を導入して、その後にS2 x 1・B1 x 3・M3 x 3を追加しました。
南氏:
最初に他社のスピーカーとS2 x 2・B1 x 4・M3 x 4で聴き比べをしたとき、世界が違う感じがしましたね。額で聴ける音というか、ちょっと衝撃的なサウンドでした。
久保田氏:
本当にこれじゃないと出ない音というのがありますよね。
徳王氏:
Alpha Seriesは、超ラクなスピーカーなんです。ラクというのは本番がラクということで、自由にエンジニアのコントロールが利いて、思ったように鳴ってくれる。それと積み方も変えられるので、現場に合わせていろいろな使い方ができるのもいい。サブ、ロー、ミッド/ハイの比率を変えてみたりとか。こういうセパレート型では一番最後だと思うんですけど、本当に便利なスピーカーです。
NXAMPを導入された経緯をおしえてください。
徳王氏:
やっぱりアンプって悩むんですよ。キャビネットはもちろん重要なんですけど、アンプってシステムの心臓みたいなものじゃないですか。以前使っていたアンプが古くなって代替えが無くなり、安心して現場に行けなくなってしまって、次のアンプはどうするか、これまでのようにプロセッサーで鳴らすのか、皆でさんざん話し合ったんですが、煩わしいことをするよりはNXAMPを導入してしまうのがベストだろうと。2017年に最初のNXAMP4x4を導入し、ウチはNEXO製品が多いので、基本的にすべてNXAMPに切り替えてしまいました。
NXAMPに変えて、やっぱり音が変わりましたよね。余計なところが出ないスッキリしたサウンドというか。昔のアンプにはそれならではの良さがあるんですけど、どちらが好きかと訊かれたら、ぼくはNXAMPと答えます。
久保田氏:
ローの感じが全然違うので導入当初は戸惑ったりもしたのですが、それ以上に明瞭度が上がったというか、上の繋がりがすごく良くなりました。
徳王氏:
これまでよりも全然突っ込めますし、ロックのコンサートでもまったく問題ない。NXAMPの導入によって音のクオリティが上がっただけでなく、古いスピーカーを延命できたのも良かったですね。
ミックス様には一昨年、ID Seriesも導入していただきました。
徳王氏:
ID Seriesを導入するまでは、小さいスピーカーは古い定番のやつしか持っていなかったので、コンパクトでもクオリティを保てるものが欲しいなと思っていたんです。ID Seriesは、たまたまデモしていただいたんですけど、音も良くて形も良い。インフィルではなくリップフィルとしても使えるなと思って導入しました。
最初は半信半疑だったんですけど、実際に使ってみると本当にいろいろな用途に使えるスピーカーですね。今年に入ってすぐにジャズ・ポップスのコンサートがあったんですけど、ウェッジを持って行かずに、ID24とID14だけでやってしまいましたよ。そんなに音量が必要ではない現場であれば、ID Seriesでやってしまった方がステージ上の音が汚れないですし、見た目もいい。ミュージシャンも喜んでくれますね。
久保田氏:
ぼくが手がけているライブ配信の仕事だと、スピーカーがカメラに映り込むので、ID Seriesは見た目がスッキリしているのがいいですね。出音もキチンとしていますし、プロセッサーが制御してくれるので、不意に大音量になってもしっかり抑えてくれる。
南氏:
行政主催の津波演習という現場があったんですけど、そこでもID Seriesを使いました。見た目はコンパクトですけど、パワー的にも全然OKでしたね。
徳王氏:
最初はPS SeriesやAlpha Seriesとは全然違うのかな?と思ったんですけど、サイズが小さくてもNEXOサウンドはしっかり受け継がれています。不思議なものですね。
それと今年、P15を10本導入したんですよ。こういう時期なので勇気がいったんですけど、軽くて使い勝手が良さそうですし、クオリティも上げられそうだなと。まだ届いたばかりで、本格的に運用するのはこれからなんですけど、間違いなく良いと思いますね。
最後にNEXO製品に対するイメージをお聞かせください。
南氏:
音質に関して言えば、奥行き感が全然違いますよね。立体的な音というか、音楽的な音というか。弊社はラインアレイも持っているんですが、バンドや歌ものの仕事のときはAlpha Seriesを持って行ってしまいます。
徳王氏:
ポイントソースなので、位相干渉はあるんですけど、それを考えても使いたくなる音のスピーカーですよね。位相干渉と言っても、積み方を変えたりしてカバーできますし。音質に関しては好みがあると思いますけど、ぼくはいまだにポイントソースの方が好きです(笑)。突っ込んでいっても痛い音にならないですし、ミッド・ローとか低い部分がしっかりしているんですよ。ラインアレイも大型のものであれば、そのあたりはしっかりしているんでしょうけどね。でもウチが導入できるクラスのものだと、どうしてもミッド・ローが物足りなく感じてしまう。
久保田氏:
それとNEXO製品は輸入代理店がヤマハミュージックジャパンさんというのも大きいですよね。
徳王氏:
やっぱり大きいよね。東京にだけ事業所がある会社とは違って安心できるというか。でも、NEXOは一度も飛ばしたことがないので、実際にはあまりサポートを受けたことはないんですけど(笑)。
本日はご多忙の中、ありがとうございました。
株式会社ミックス
http://mixsr.jp/
データ
NEXO製品についてはこちらをご覧ください。
NEXOサイト 日本語ページ