【導入事例】株式会社tep 様 / SRカンパニー / 東京

Japan/Tokyo Jun.2022

「あなたの“やりたい”をトータルプロデュースします」をスローガンに、イベント制作、会場運営、音響など様々なニーズに応える株式会社tep(Tokyo Entertainment Promotion)(以下、tep)。2021年1月、同社にヤマハデジタルミキシングシステム「RIVAGE PM5」、「RIVAGE PM3」が導入されました。

導入の経緯や選定理由などについて、tep サウンドエンジニア 植村 英弘 氏、同 五味 竜太 氏にお話をうかがいました。


あらゆる用途に対応できる「RIVAGE PM5」「RIVAGE PM3」

tepについて教えてください。

植村氏:
弊社は2015年にコンサートの制作・企画・運営、チケット発券までを業務とする制作部を中心に設立しました。音響部が立ちあがったのが2021年で、イベントやコンサートの音響に加え、神戸のミュージカル専用劇場「AiiA 2.5 Theater Kobe」、東京都大田区の日本工学院専門学校内の多目的アリーナ「片柳アリーナ」でのホール管理、音響、照明のオペレートを行っています。

tep サウンドエンジニア 植村 英弘 氏

このたびヤマハデジタルミキシングシステム「RIVAGE PM5」、「RIVAGE PM3」を導入いただきました。その選定理由を教えてください。

五味氏:
2019年に音響部を立ち上げる話が出た時、実は別のミキサーを選定していました。でもコロナ禍でその話は保留になってしまいました。そして2020年になって再び動き出したのですが、ちょうどそのタイミングで「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」が発売され、検討の結果、導入を決めました。コロナ禍でなければ別のミキサーにしてたことになりますが、結果的に良かったです。

tep サウンドエンジニア 五味 竜太 氏

選定済のミキサーから「RIVAGE PM5」「RIVAGE PM3」に変更したのはなぜですか。

五味氏:
我々が想定している用途により適していたこと。それから自社だけでなく機材の貸し出しも行いますので、ヤマハミキサーなら誰でも扱えて貸出もしやすく、稼働率も高いだろう、という点を考慮しました。

植村氏:
弊社はコンサートに限らず、企業系の催しなど、イベントに関することであれば360度、何でも対応するのがコンセプトです。ヤマハのミキサーも何かに特化しているのではなく、コンサートはもちろん、企業系のイベントでも、また昨今急激に増えた配信など、さまざまな用途に対応できます。

インタビューを行ったtepのオフィススペース

「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」には
全く同一のDSPエンジンとI/Oを用意

「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」はどのように使い分けていますか。

植村氏:
基本的にはコンサートPAを想定し「RIVAGE PM5」をFOH用、「RIVAGE PM3」をモニター用と考えました。「RIVAGE PM5」には大型画面が3つあるという視認性の高さがあり、「RIVAGE PM3」はコンパクト性に加えてUser Defined Keysが多くモニター用として使いやすいメリットがあります。

ただ、弊社の「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」はいずれもコントロールサーフェスが異なるだけで、DSPエンジンもI/Oも、そしてオプションのカードも含め、全く同じものを使っていてラッキングまで同じにしています。ですからコントロールサーフェスが異なっても、全く同じ考え方で運用できるようにしました。

tepの「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」は全く同一のDSPエンジン、I/Oラックで運用されている
「RIVAGE PM3」
「RIVAGE PM3」のUser Defined Keys
3つの大型画面を持った「RIVAGE PM5」
DSPエンジン「DSP-RX」とI/Oラック「RPio622」

五味氏:
あえて使い勝手で言えば「CL5」を使っていたような現場は「RIVAGE PM3」が担ってくれるという感覚ですね。

植村氏:
今まで「CL5」をモニターとして使っていたような現場でも、最近はイヤモニが多いので「CL5」ではアウトの数が足りない、ということが増えました。その点「RIVAGE PM3」であればアウトが非常に多く、その心配はありません。

音の分解能、そしてエフェクトのクオリティが格段に上がった

導入されて1年半となりますが、使ってみた感想をお聞かせください。

植村氏:
今までずっとヤマハのミキサーを使ってきたので、操作性に関してはすぐ自然に手が動く感じで非常に良いと思います。特に「RIVAGE PM3」はPAオペレーターならすぐに使えるのではないでしょうか。それとiPadでリモート操作できる「RIVAGE PM StageMix」も便利です。リモートコントロールはもともとヤマハのものが一番使いやすいのですが、その良さが継承されています。

音に関してはいかがですか。

植村氏:
以前のモデルと比べると96kHz対応ということもあり、格段に解像度がアップしている印象があります。たとえばあるPAカンパニーに「RIVAGE PM3」や「RIVAGE PM5」を貸し出したら、ミキサーとI/Oラック以外はまったく同じシステムなのに、音の質感が全く変わり、聴こえがとても良くなったそうです。

五味さんはいかがですか。

五味氏:
ミキサーの素の音も素晴らしいですが、私はエフェクトもかなり良くなっていると思います。特に「Bricasti Design Y7」のリバーブの精度は素晴らしいですし、「P2MB(Portico II Master Buss Processor)」もよく使っています。

P2MB(Portico II Master Buss Processor)画面

植村氏:
リバーブってオペレーターの好みがあって、人によって「あれを使いたい」っていうことがあると思うんです。でも内蔵の「Bricasti Design Y7」は、「これで十分」というより「これがいい」というレベルのクオリティなので、外部のエフェクトを使おうという気はなくなります。「Bricasti Design Y7」を一番使うシーンは、アコースティックもののボーカルや、ホールのルームエコーをもうちょっと増やしたい時ですね。「Bricasti Design Y7」はホールへの馴染みがすごくいいんです。いい質感を持ったリバーブだと思います。

また最後にマスターに何かをかましたい時や、配信で音を厚くしたり広げたりしたい時には「P2MB(Portico II Master Buss Processor)」をよく使用します。

それから企業系のイベントや配信だとピンマイクをよく使いますので、その時は「Portico 5045」を使ってバックグラウンドのノイズをカットするという使い方もしています。これらが全て内蔵されているのは素晴らしいと思います。

「Bricasti Design Y7」画面

五味氏:
エフェクトに関してはクオリティが上がっただけでなく、使用できるエフェクトの数も増えているので、そこもいいと思います。以前は外部のプラグインも使っていましたが、「RIVAGE PM5」「RIVAGE PM3」なら内蔵のエフェクトだけでシステムが完結します。

植村氏:
それと「SILK」は味付けとしては抜群ですね。原音を壊さず自然に、抜けを良くしてくれます。派手に効くものではないんですが、とても滑らかに効いてくれるので、すごくいいなと思います。

最後に今後の抱負をお聞かせください。

五味氏:
tepの音響部はまだ立ち上がったばかりなので、頑張って業界での認知度を高めて事業規模を大きくしていきたいと思っています。

tepのサウンドエンジニア 植村 英弘 氏(左端)
同 五味 竜太 氏(右端)
同 黒木 友美 氏(中央)

植村氏:
導入した「RIVAGE PM5」「RIVAGE PM3」はオールマイティに使える機材なので、これらを駆使して、コンサートでも、企業イベントでも、配信でも「tepに頼めば必ずクオリティの高い仕事をしてくれる」と言っていただけるように頑張りたいと思います。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

株式会社tep
https://www.tepteptep.com

製品情報

デジタルミキシングシステム RIVAGE PMシリーズ