【導入事例】DEK 青山 様 / レストラン / 東京

Japan/Tokyo Jun.2023

2023年2月、東京・表参道駅にある商業施設「グラッセリア青山」内にオープンした「DEK(デック) 青山」は、青果市場で仲卸に携わる株式会社「船昌」が展開するレストラン。選び抜かれた新鮮な野菜や果物がふんだんに使用されており、旬の青果を堪能できるレストランとして人気を集めています。

このたび店舗の音響システムとして、ヤマハのシーリングスピーカー「VXC4W」「VXC2FW」、サブウーファー「VXS10SW」が導入されました。導入理由やBGMのコンセプトなどについてDEK 青山を担当する株式会社船昌の石山 健一 氏、そして音響システムの設計・施工と音楽デザインを担当したMood Media Japan株式会社の柴崎 大和 氏、高橋 嶺治 氏にお話をうかがいました。

株式会社船昌 店舗開発マネージャー 石山 健一 氏(写真中央)
Mood Media Japan株式会社 ミュージック・デザイナー 柴崎 大和 氏(写真左)
Mood Media Japan株式会社 アカウント・エグゼクティブ 髙橋 嶺治 氏(写真右)

「野菜と果物が身近にあふれる暮らし」がコンセプト

石山氏:
DEK 青山は大田市場で野菜と果物の仲卸に携わる来年で創立100周年を迎える株式会社船昌が初めて手掛ける飲食店です。私たちがDEK 青山で目指したのは、「野菜と果物が身近にあふれる暮らし」の提案です。アジアで最大と言われる大田市場に集まる青果から、本当に美味しい野菜や果物を見分ける”目利き”が私たちの強みであり、目利きした旬の野菜や果物を毎朝市場から仕入れ、美味しい料理に仕立ててお客様にご提供しています。

株式会社船昌 店舗開発マネージャー 石山 健一 氏
DEK 青山の店頭には仕入れたばかりの新鮮な青果がディスプレイされている

お店の内装デザインにもこだわりを感じます。

石山氏:
「DEK 青山」のDEKとは、船のデッキこと。船昌のコーポレートマークの船からのイメージで、1階2階ともに船のデッキらしい天然木を多用しています。内装のコンセプトも1階は船の甲板にいるような明るいイメージ、2階はシックでウッディな内装で丸窓を配した客船の中にいるような落ち着いた雰囲気にしています。

1階は明るい雰囲気でスイーツやお食事が楽しめる「DEK KITCHEN」、2階の「DEK DINING」はマホガニーの船室をイメージした落ち着いた空間で、ワインセラーも備えてコース料理中心のメニューを提供します。

1階は旬な青果を楽しむカジュアルキッキン「DEK KITCHEN」
2階は旬の青果を存分に取り入れたフルコースで四季を味わえる「DEK DINING」

いいお店の条件として「音楽」は絶対に欠かせない要素

DEK 青山はBGMの選曲や音質にもこだわったそうですね。

石山氏:
はい。いいお店づくりには、内装、料理、サービスは絶対に欠かせない要素ですが、音楽も同じぐらい重要な要素だと考えています。私は前職でカフェやレストランを展開する会社に勤めていましたが、音楽が非常に大きな役割を果たしていました。その時、店舗のコンセプトに合わせたBGMを選び、音響システムを設計してくださったのがMood Media Japanさんでした。そして今回DEK 青山を出店するにあたり、ぜひお願いしたいと思って声をおかけしました。

依頼を受けたMood Media Japanさんではどのようなサウンドコンセプトを設定したのですか。

柴崎氏:
青果だからナチュラル、フレッシュといった画一的な考え方で音楽デザインを行うと、いわゆるオーガニックカフェのようなイメージで終わってしまう可能性があります。そこから一歩深く踏み込み、DEK 青山の「日本の青果の今を体験できる専門店」としての個性を音楽へ反映し、船昌さんの青果への深い理解とこだわりを選曲に込めたいと思いました。ですから単に心地良くて耳障りが良い楽曲を揃えるのではなく、あえてエッジの利いた曲、たとえばコード進行が斬新なものや、リズムに揺れやクセがあるような、アコースティックでありながら最先端のアプローチに富んだ楽曲を組み合わせることで、青山に立地する上質なコンセプトストアとして認知・支持されるような空間づくりを目指しました。

Mood Media Japan株式会社 ミュージック・デザイナー 柴崎 大和 氏

高橋氏:
柴崎は依頼を受けた段階で似た業態のレストランに足を運び、どんな音でどんな音楽が使われているのかを調査したうえで、DEK 青山にはどういうコンセプトがふさわしいかを検討しています。このように1つ1つのお店に対して、音を使って他店との差別化を図りファンを増やす顧客体験を丁寧にデザインするのが、私たちの強みの一つだと考えています。

Mood Media Japan株式会社 アカウント・エグゼクティブ 髙橋 嶺治 氏

1階と2階、そして時間帯などで選曲を変えているのですか。

柴崎氏:
DEK 青山トータルの共通コンセプトである「青果のおいしさ、魅力を伝える」というコアは保ちながら、各フロアの特色が出せるように差別化を計っています。たとえば終日フルコースを提供する2階の「DEK DINING」は終日エレガントで落ち着いたBGMを使っており、いつでも同じ雰囲気を味わえるようにしています。一方1階の「DEK KITCHEN」では、もう少しカジュアルなイメージの選曲とし、午前中、昼から夕方、夜以降と時間帯ごとのシーンの違いに応じて3つのパターンを用意しています。

シーリングスピーカー「VXC4W」「VXC2FW」を内装に合わせて塗装し、サブウーファー「VXS10SW」を天井裏に設置

スピーカーにヤマハのシーリングスピーカー「VXC4W」「VXC2FW」サブウーファー「VXS10SW」を導入した理由をお聞かせください。

柴崎氏:
青果の美味しさを伝えるというブランドビジョンから着想を得て、システムについてもナチュラルなサウンドを意識し、原音を重視したヤマハの音響システムを使おうと考えていました。当初はシーリングスピーカーの「VXC4」だけで構成するつもりでしたが、船昌さんより音響に対して「良いものであればお金は惜しまない」と後押しを頂いたため、サブウーファー「VXS10SW」も追加し、低音から高音までしっかりと綺麗な音が出せるBGMとしてはとても豊かなサウンドに仕上げました。トイレにもシーリングスピーカー「VXC2FW」を入れています。

露出型のスピーカーではなく埋め込み型のシーリングスピーカーを採用したのはどうしてですか。

高橋氏:
デザイン的な意味合いが強いですね。できるだけインテリアを邪魔しないようにシーリングスピーカーの「VXC4W」を導入しました。さらに天井の木の部分に設置するスピーカーは木の色に、左官仕上げの部分は同じグレーの色味に、さらに白い天井の部分でも天井素材の白味に合わせて塗装し、できるだけインテリアに馴染ませています。またサブウーファー「VXS10SW」に関しては外からは見えないように天井裏に設置し、天井全体が響くようにしてあります。

シーリングスピーカー「VXC4W」
木目部分に合わせて塗装されたシーリングスピーカー「VXC4W」
左官仕上げの色合いに合わせて塗装されたシーリングスピーカー「VXC4W」
トイレの天井にされた設置シーリングスピーカー「VXC2FW」

DEK 青山で美味しい野菜や果物を味わっていただき
日々の暮らしにより多くの青果を取り入れていただきたい

お店ができあがった音の感想はいかがですか。

石山氏:
音がクリアでとても自然な音色だと感じます。そのサウンドがお客様の会話を邪魔することなく心地良い音量・音質で流れており、まさに狙いどおりです。これはMood Media Japan のみなさんのお陰だと感謝しています。それと外からは見えませんが、やはりサブウーファーが効いているのだと思いますが、ジャズ系の曲ではウッドベースの音が生演奏のように柔らかく響いていて、とても豊かな響きだと思います。

今後はどのような運営を目指しますか。

石山氏:
まずは1階のカジュアルキッキン「DEK KITCHEN」と2階の「DEK DINING」の2業態で多くのお客様に喜んでいただくのが目標です。その上で「おいしい野菜と果物を提供する」というコンセプトの軸は変えずに例えばスイーツに特化したお店など、業態の違う店を増やしていきたいと考えています。そしてこれらの店舗を通じて本当に美味しい野菜や果物を知っていただき、少しでも日々の暮らしの青果を取り入れていただければ嬉しいです。ぜひ青山で、美味しい野菜や果物を味わってください。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

DEK 青山
https://dek.world

製品情報

シーリングスピーカー VXC4WVXC2FW
サブウーファー VXS10SW