【導入事例】南条装備工業株式会社 様 / 広島
Japan/Hiroshima Sep.2024
南条装備工業株式会社は大正15年に人力車の幌を作る会社として創業。1960年よりマツダの自動車内装部品の開発・設計・製造を手掛けています。このたび本社および国内各拠点に、ヤマハの遠隔会議用ワンストップサウンドソリューション「ADECIA」が導入されました。
「ADECIA」の選定理由や使い勝手、効用などについて、南条装備工業株式会社 IT推進部 部長の梅田 貴則 氏、情報技術グループ マネージャーの兼田 和弥 氏にお話をうかがいます。
自動車内装部品の開発・設計・製造を手掛ける
南条装備工業株式会社
南条装備工業について教えてください。
梅田氏:
弊社は今年で103年目を迎える会社で、最初は人力車の幌を作っていました。その後幌製作の技術を生かして自動車の布地シートの製造を開始し、1960年からは主にマツダ車の内装部品の開発・設計・製造を手掛けています。現在はドアトリムをはじめとするプラスチック製自動車内装部品の生産がビジネスの主流となっています。
人力車の時代から乗り物に関わっているのですね。拠点はどのくらいあるのですか。
梅田氏:
広島本社を含め、国内は愛知営業所、安芸高田のNGIC(Nanjo Global Innovation Center)、八千代工場、八千代第二工場、さらに山口工場と防府工場の7拠点があり、海外にはメキシコと中国2か所の3拠点があります。
国内拠点を結ぶリモート会議を
より効率的に運営するため「ADECIA」を導入
このたび「ADECIA」の導入に至った経緯を教えてください。
梅田氏:
弊社は国内7つの拠点を結んだ社内会議を日常的に行っています。各工場をつなぐ会議は毎日のように行っていますし、経営会議、本部長会議、部門会議など重要な会議もリモートで行っています。ですから遠隔会議システムは重要です。
弊社は以前からCisco Room Kitという遠隔会議用のシステムを使っていました。しかしシステム付属のマイクは使える数が少なく、発言者がマイクのある場所に移動したり、マイクを回す必要があったりと多人数では使い勝手がよくありませんでした。またリモート先の声も広い部屋の後方では聞き取りにくいことが多かったのです。
この問題を解消するためにまずヤマハの遠隔会議用のマイクスピーカーシステム「YVC-1000」を導入し、Cisco Room Kitの外部マイクスピーカとして利用を開始しました。こちらはマイクが5台まで拡張できるので人数の点は解決できました。音質も問題ありませんでした。ただ接続が有線だったので、マイクの設置や配線など準備に毎回15分程度の時間がかかっていました。この作業を7拠点で会議ごとに毎回やっているわけですから、その手間と時間をコスト換算すれば相当なものです。またケーブルが会議室の中にたくさん這っている見栄えもよくなかった。こうした問題を解決するためにワイヤレスの遠隔会議システムが必要だということになり検討を開始しました。
数ある遠隔会議システムの中から「ADECIA」を選定した理由はなんでしょうか。
梅田氏:
第一にすでに「YVC-1000」を使っていて、音質や使い勝手、そして信頼性に関してヤマハ製品を高く評価していました。もちろん他社製品も検討しましたが、価格が予算に合わない、もしくは安価ではあるがBluetooth接続でかつ数台までという制約があるものでした。遠隔会議システムは弊社にとって重要なインフラなので、検討の結果信頼性の高いヤマハの「ADECIA」を導入しようということになったんです。
それともう一点「ADECIA」の決め手は、Danteというネットワークプロトコルを採用していた点です。私はもともとネットワーク分野に携わっていたのでDanteについて少し調べました。音声データをIPで伝送するのは素晴らしい技術ですし、ヤマハがサポートしていると知り、安定性、将来性もあると考えました。
準備時間が不要になっただけでなく会議が活性化
「ADECIA」を実際に会議で使ってみての感想や、社内の評判はいかがですか。
兼田氏:
まずマイクのケーブルの引き回しがなくなったので会議室がスッキリと綺麗になりました。しかも7拠点で同時に「ADECIA」を導入したので、話す時も聞く時も音が良くて使いやすくなったと社内から高く評価されました。またマイクの取り回しが良くなったという感想もよく聞きます。特にマイク本体でミュートできる点は非常に助かります。相手側に聞かせるまでもない雑談や内輪の会話の時はワンプッシュでミュートしておけますから。
梅田氏:
私はスピーカー「VXL1B-16P」の音がいいことに驚きましたね。あんなに細いのに音量はしっかりありますし、遠隔からの拡声音が部屋の隅々まできちんと伝わります。しかもLANケーブル上で電源供給を行えるPoE(Power over Ethernet)なのでケーブル1本で設置できて配線が非常にスッキリします。
「ADECIA」は具体的にはどのように運用しているのですか。
兼田氏:
各会議室にマイクが8台あるので、参加者がそれぞれ持って席に着きます。もしそれ以上の人数の場合は無指向であることを生かしてマイクの近くに数人の参加者が座るようにしています。
遠隔会議のためのセッティングの労力や時間は減ったのでしょうか。
梅田氏:
事実上ゼロに近いのではないでしょうか。省力化だけでなく、部屋のどこにいても高品質に声が伝送できるようになり、会議が活性化したと感じます。
「ADECIA」で会議が活性化する、とはどういうことですか。
兼田氏:
今までの遠隔会議では、発言のたびにマイクを回してもらったり、マイクのそばまで行ったりする必要がありました。それが「ADECIA」導入後はマイクの存在を気にせず自由に発言できるようになったので、発言が活発になり会議の質自体が向上したと思います。
「ADECIA」の収録音とAIで議事録の自動作成も
今後「ADECIA」をどのように使っていきたいと思いますか。
梅田氏:
「ADECIA」のマイクで拾った音声をAIで自動的にテキスト化し、それをサマリングして議事録を自動で作成できるようなシステムの構築を行っています。「ADECIA」の導入は議事録の自動作成のプロジェクトの一環で、音声認識率の向上が実現できました。これまでは議事録作成に時間と労力がかかっていましたが、今後は会議が終わり次第出席者全員にAIが自動作成した議事録が送信されるようにしたいと思っています。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
南条装備工業株式会社
https://www.nanjo.co.jp/