遠隔会議システム「ADECIA」とソフトウェア「ProVisionaire Plan」を大幅アップデート
快適な会話環境と効率的なワークフローを実現

ヤマハ株式会社は、遠隔会議用ワンストップサウンドソリューション「ADECIA」のファームウェアと、ルームプランニングソフトウェア「ProVisionaire Plan」の大幅なアップデートを実施します。
今回のアップデートでは、広い会議室や教室でも明瞭かつ自然な会話を可能にする「ボイスリフト」の機能が加わりました。この新機能は、設計から導入、設定、チューニングに至るまでのワークフローを大幅に効率化するインテリジェントなボイスリフト自動設定機能が利用可能になります。これにより、システムインテグレーターはプロジェクトにかかる時間とコストを大幅に削減することが可能となります。
また、高品位な会話体験の提供にとどまらず、会議システムの設計と管理をよりスマートかつ効率的、そして誰にとっても使いやすいものにすることで、すべての参加者が場所を問わず生産的で快適なコミュニケーションを実現できるように支援します。
ADECIAファームウェアV3.0および「ProVisionaire Plan」のアップデートは、2025年冬に無償で提供開始予定です。なお、アップデート内容を体験いただけるデモルームの運用開始は2025年秋を予定しています。

主なアップデート
・プロセッサー「RM-CR」が部屋データを読み込み、自動で「ボイスリフト」用チューニングを実行
・プロセッサー「RM-CR」に「AI De-Noiser」を新搭載。ADECIAのマイクロフォン製品に内蔵されたノイズリダクションと併用可能で、今までにないクリアな音質を実現
・ワイヤレスアクセスポイント「RM-WAP-8/16」にオートミキサーを搭載。プロセッサー「RM-CR」1台で最大64本のワイヤレスマイクを運用可能
・導入から保守対応まで管理業務を効率化 ― スマート・セキュア・シンプルな遠隔管理を実現
プロセッサー「RM-CR」が部屋データを読み込み、自動で「ボイスリフト」用チューニングを実行


多様な働き方や、教育現場におけるディスカッション形式の授業の増加に伴い、大規模なハイブリッド会議や教室で対話の機会が増えています。大規模な施設の対話では、発言者から離れた場所では声が聞こえづらいことが課題となっています。これを解決するのが、声を自然に増幅させて、部屋のどこにいても相手の声を無理なく聞き取れるようにするヤマハの「ボイスリフト」技術です。この技術は広い会議室や教室のどの位置からでも均一でクリアな音声を届けることができ、すべての参加者がはっきりと発言を聞き取り、積極的に議論に参加できる生産的な環境を実現します。
今回のアップデートで搭載される「自動ボイスリフト設定機能」*は、自然な会話空間を実現するだけでなく、専門知識がなくても、短時間で高度なシステム構築を支援します。従来はボイスリフトのシステム導入に半日から数日かかる作業が、本機能では、わずか数十分から数時間で完了できる圧倒的な時間短縮を実現します。部屋の情報を入力した「ProVisionaire Plan」がシステムの自動設計を行い、設計後の部屋データを読み込ませた「RM-CR」が自動調整を行います。なお、ボイスリフト用マイクロフォンとしてはシーリングマイクロフォン「RM-CG」およびワイヤレス15cm/30cmグースネックマイクロフォン「RM-WGL」「RM-WGS」が対応、会議の形式や参加人数に応じて柔軟にマイクを選択することが可能です。
*「自動ボイスリフト設定機能」を使用するためには、Dante/PoE対応シーリングスピーカー「VXC2P」が必要です。
プロセッサー「RM-CR」に「AI De-Noiser」を新搭載、ADECIAのマイクロフォン製品に内蔵されたノイズリダクションと併用可能で今までにないクリアな音質を実現

ヤマハ独自の高性能AIノイズ除去機能「AI De-Noiser」をプロセッサー「RM-CR」に搭載しました。PCや外部ソフトウェアを使用することなく、空調音のような定常ノイズに加え、キーボードのタイピング音や紙をめくる音といった突発的なノイズも効果的に低減。さらに、ADECIAマイクロフォン内蔵のノイズリダクション機能と併用することで、今までにないクリアな音質を実現。聞き取りやすく、ストレスが少ない会話環境が集中力と生産性の向上に寄与します。
ワイヤレスアクセスポイント「RM-WAP-8/16」にオートミキサーを搭載。プロセッサー「RM-CR」1台で最大64本のワイヤレスマイクを運用可能*

ワイヤレスアクセスポイント「RM-WAP-8/16」にオートミキサーが搭載され、プロセッサー「RM-CR」1台で最大64本のワイヤレスマイクを運用可能になります。これにより、より大規模な会議にも対応が可能になります。さらに「自動ボイスリフト設定機能」と組み合わせることで、グースネックマイクロフォンによるボイスリフトのシステム構築も容易にできるようになりました。また、従来のADECIAのオートセットアップ機能によって、設置環境に合わせた音響の自動調整が可能で、システム設定や音響調整のそれぞれが簡単に行えます。
* 使用できるワイヤレスマイクの最大数は、設置環境の電波状況により異なります。
導入から保守対応まで管理業務を効率化 ― スマート・セキュア・シンプルな遠隔管理

今回のADECIAのアップデートはIT部門向けの管理機能も強化しています。ワイヤレスマイクロフォンシステム「RM-Wシリーズ」のネットワークおよびセキュリティー機能が向上し、SNMP(シンプルネットワーク管理プロトコル)やIEEE 802.1X認証に対応。認証ネットワーク接続によりデータ漏洩や不正接続を防ぎ、安全で効率的な会議環境を実現。バッテリー残量の遠隔監視、エラー通知、アクセス管理が安全に行えます。
さらに、ネットワークスイッチ「SWR2311P-10G」と組み合わせることで、より大規模で複雑な構成でも、RM-CRのWeb GUIから一元管理が可能になります。運用担当者にとっても、安心・安全な会議環境の構築と管理業務が容易になります。
これらの新機能により、システムインテグレーターや管理者の導入や運用にかかる負荷が大幅に軽減され、会議や教育現場での快適な会話体験とスマートで効率的なシステムの運用の両立が実現されます。さらに、対面・リモート・ハイブリッドなど、場所にとらわれない多様なコミュニケーションスタイルにも柔軟に対応し、大規模空間を含むあらゆる環境での円滑なコミュニケーションを支援します。
ヤマハ株式会社 プロフェッショナルソリューション事業部長のThomas Hemeryは、次のように述べています。
「ADECIA ファームウェアV3.0および『ProVisionaire Plan』のアップデートは、変化するコミュニケーション市場のニーズに対応する新たな機能強化を提供し、会議や教育分野において大きな進展をもたらします。ビジネスや教育のニーズが変化する中、ヤマハは柔軟で将来性のあるオーディオソリューションの提供を通じて、企業や教育機関の円滑なコミュニケーションを支援していきます。」