【導入事例】日本発条株式会社 様 / 神奈川

Japan/Kanagawa Sep. 2025

1939年の創業以来、自動車用の懸架ばねをはじめ、金属加工・熱処理・接合技術といったコア技術で日本のものづくりを支えてきた日本発条株式会社(呼称はニッパツ)。近年はその技術を生かし、ハードディスクドライブ用サスペンションや半導体装置向けキーパーツなど、情報通信分野でもなくてはならないキーパーツを展開している。また産業・生活分野など幅広い分野にも事業を展開し、世界者シェアナンバーワンの製品を多数有している。他社には真似できないオンリーワンの技術で世界をリードする企業へ進化しています。

このたび横浜事業所にあるニッパツのシート生産本部に、ヤマハの遠隔会議システム「ADECIA」が導入されました。活用方法や選定理由について、開発部 商品企画・デザインチーム 野上 裕生 氏にお話をうかがいました。


会議室とオンライン、すべての発言をまるごと共有したい

今回導入いただいたシステムはどのような場面で使用されていますか。

野上氏:
シート生産本部では年に4回、会長や社長も参加する会議を実施しています。毎回3~4人の社員がテーマ別に発表を行う形式です。以前は全員がプレゼンテーションルームに集まり、自己拡声システムを使って発表を行っていました。

しかしコロナ禍以降、全員を一箇所に集めることが難しくなり、遠隔会議システムの導入を検討することになりました。ちょうどプレゼンテーションルームの改装計画も進んでいたため、それに合わせて音響システムの刷新を行うことにしました。

日本発条株式会社 シート生産本部 開発部 商品企画・デザインチーム 野上 裕生 氏

音響システムの刷新にあたって、どのような要望がありましたか。

野上氏:
会議室の発表者や出席者に加え、自席や在宅勤務で参加する社員も含め、全員の発言を自然な形でオンライン配信する必要がありました。最初は自分でシステムを構築することも考えましたが、プレゼンテーションルーム内の自己拡声音によって発生するエコーやハウリングを抑える調整は、専門知識なしでは難しいと感じました。

そこで各社の音響システムを比較する中で、ヤマハのラインアレイスピーカー「VXLシリーズ」に出会いました。デザインが洗練されており、新しい会議室の雰囲気にもぴったりでした。さらに調べるうちに、「ADECIA」なら我々の要望をすべて満たせると確信しました。

Dante/PoE給電対応ラインアレイスピーカー「VXL1B-16P」

発言者以外の声も自然に伝わる遠隔会議へ

「ADECIA」を選んだ決め手は何でしたか。

野上氏:
「ADECIA」はマイクの種類が豊富で、専門知識がなくてもタブレットで簡単に操作できます。他社製品はプロ向けで操作が複雑かつ、高コストなものが多く、一般的な会議室での運用には不向きだと感じました。

ヤマハは必要な機能をトータルで提供する「ADECIA」があり、個別にプロセッサーやアンプ、スピーカー、マイクなどを個別に複数メーカーから選定・設定して構築する場合に比べ、大幅にコストを抑えられる点が決め手になりました。

導入後に課題はありましたか。

野上氏:
最初はワイヤレスグースネックマイクを2~3本設置しましたが、発表者以外の声を拾えず、相づちや質問が聞こえないという課題がありました。その結果、オンライン参加者には突然無音になったり急に笑い声が聞こえたりと、会議の流れがつかみにくい場面がありました。

どのように改善されたのですか。

野上氏:
指向性の高いグースネックマイクの使用をやめ、ワイヤレス無指向性のテーブルトップマイクロフォン「RM-WOM」を複数台設置しました。これにより、オンラインでもプレゼンテーションルーム内の全員の声が聞き分けられ、臨場感が感じられるようになりました。また、ワイヤレスは最大約20時間の連続運用が可能なため、会議中に充電切れの心配もありません。ヤマハのワイヤレスマイクロフォンシステムの実用性の高さにも非常に満足しています。

ワイヤレス無指向性テーブルトップマイクロフォン「RM-WOM」
最大8台を同時充電できるマイクロフォン充電ステーション「RM-WCH-8」

簡単操作で立ち上げもスムーズ。会議の質も向上

利用者の反応はいかがですか。

野上氏:
壁掛けスピーカーながら、会議室のどこにいても音が均一に届き、ボリュームのムラがないことにみんな驚いています。拡声しているのに音の粒がはっきりしていて声が自然。動画を再生しても非常にクリアでとても会議室レベルの音ではないと驚いています。やはり、こうしたシステムでは違和感なく音を伝えることが何より重要で、それを高次元で実現していると感じています。

システムの使い勝手はいかがですか。

野上氏:
音量バランスなどの調整は、タブレット上で操作可能な「ProVisionaire Control PLUS」でシグナルプロセッサー「MRX7-D」を操作して行っています。導入時に設定を済ませた後は、ほとんど調整の必要がなく、タブレットの画面で電源をオンにするだけで、すぐにシステムが使用できます。

画面構成は、システムを納入した映像センターさんに依頼し、音量調整などの基本操作を上位メニューに配置するなど、誰でも直感的に扱えるように工夫しました。これにより、専門知識がなくても、「RM-WOM」を机に置くだけで会議が始められるようになり、業務効率の向上にもつながっています。

用途に合わせた柔軟なシステム構築が可能なシグナルプロセッサー「MRX7-D」(上段)
小・中規模設備に最適な出力を備えたパワーアンプ「PA2120」(下段)
システム全体の操作を、直感的な操作で行える「ProVisionaire Control PLUS」

会議中のオペレーションも不要になったのですね。

野上氏:
以前のシステムでは、スピーカーごとに音量調整など会議中の操作が必要でした。今はそうした煩雑な作業が不要となり、全員が会議の内容に集中できるようになりました。結果として、会議の質そのものが大きく向上したと実感しています。

本日はご多忙の中、ありがとうございました。

日本発条株式会社
https://www.nhkspg.co.jp/

販売協力:株式会社映像センター
https://www.avc.co.jp/