【導入事例】有限会社津川プロ 様 / SRカンパニー / 大阪
Japan/Osaka Mar. 2026
有限会社津川プロが国内で初めてAlpha+システムを導入
有限会社津川プロ(大阪市北区)は、1986年に法人化された老舗のSRカンパニーです。ライブ・コンサートから企業イベントまで、さまざまなタイプの現場を手がけている同社は昨年、「Alpha+ Series」を片側1/1/1対向という構成で導入。「Alpha+」はこれが国内初の導入事例となります。
発売からすぐに「Alpha+」を導入した理由と現場での使用感について、有限会社津川プロ代表取締役の井出 賢吾 氏、取締役の八木 剛 氏、吉永 圭佑 氏にお話を伺いました。
「Alpha+」は一聴して、ウチが求めていたシステムだと確信した
はじめに、津川プロ様について簡単にご紹介いただけますか。
井出氏:
1986年に先代が法人化した会社で、2012年に代替わりし、僕が二代目代表になります。設立当初は、音源録音制作/各種ホール管理業務が中心だったのですが、音源を納品していた各種イベントなどのPAオペレート/システムデザイン業務も手がけるようになり、次第にそちらがメインになっていった感じですね。現在は完全にSR/PAの会社で、僕を含めて5名のスタッフで運営しています。
最近はどのような現場が多いのですか?
井出氏:
中型フェスなど各種イベントの音響業務が中心です。もちろん、音楽物もありますし、オールマイティーに携わらせていただいています。現場の内容は季節によって違いますが、現在のような春先ですと、楽器店主催のエレクトーンの発表会などが多いですね。
八木氏:
全国各地で開催されるお祭りや町おこしのような小型イベントも多数手がけています。
SRカンパニーは日本全国にございますが、同業他社と比較した貴社の特色というと?
井出氏:
機動力だと思います。中小規模の現場が多いので、時間的な制約や設置条件が厳しい場面もあるのですが、そのような現場でもフットワーク軽く、満足いただけるクオリティを提供するように心がけています。小型のシステムであっても、大型のシステムに引けをとらないものを提供するというか。
それと当たり前なんですけど出音にはかなりこだわりがありますね。今は僕自身若い時に衝撃をうけたあのライブ・サウンド、あの時の感覚をサービスできるように後の世代に引き継ぎたいと思っているんです。
津川プロ様には昨年、「Alpha+」を導入していただきました。既存のスピーカーを更新する形での導入だったのでしょうか。
井出氏:
弊社では現在、ラインアレイシステムを2セット運用しているのですが、フットワークの軽さをウリにしていることもあり、ラインアレイシステムがすべて出払っているときでも新規案件を受注できるように、新たな選択肢として「Alpha+」システムを導入しました。ですので、既存のシステムの拡張というわけではなく、システムの選択肢拡張を目的に導入しました。どうせなら既存のシステムとはまた違う選択肢を提供できるスピーカーシステムとしての位置づけで導入したんです。
八木氏:
「Alpha+」を試聴するまでは新しいスピーカーを導入するなんて、まったく考えていませんでしたね。既存のスピーカーシステムで各現場は問題なくまかなえていましたから。
最初の「Alpha」は使用されていましたか?
井出氏:
昔はどこに行っても「Alpha」があったので、よく使わせてもらってましたね。初めて使ったときの印象は今でも憶えていて、このサイズでこんなに音量が出るのかとビックリしましたよ。「うわ、凄い音圧だな」と。当時はまだコンパクトラインアレイシステムが普及していなくて、ポイントソーススピーカーボックスを組み合わせてかき鳴らしていた時代ですから、「Alpha システム」の特に低域の出音は特に満足度が高かった印象ですね。もう大好きなシステムでした。
八木氏:
僕もめっちゃ好きでしたね。ひとことで言うと、出したいだけ出せるスピーカーというか。それにジャンルを選ばないところも好きでした。クラブ系やうるさい系のバンドにはバッチリでしたし、J-POPやシャンソンのような繊細な音楽も表現できる。それと音飛びがいいところも良くて、例えば『高知よさこい祭り』なんかでも、ラインアレイが普及する前は皆「Alpha」システムをセレクトしていましたね。
そんな「Alpha」の名を冠した新型スピーカーが発売になるという情報を知ったときは、どのような感想を持ちましたか?
八木氏:
製品発表の直後に知ったのですが、ポイントソースの時代ではないのに新しい「Alpha」が出るということに驚きましたね。でも、他のブランドもそうですけど、原点回帰というか、フレキシブルに使えるスピーカーに戻ってきている印象があったので、すぐになるほどなと思いました。
最初に試聴されたのは?
井出氏:
去年の秋くらいにとある大ホールでデモしてもらったんですけど、一聴してすぐに前モデルである「Alpha」のあの印象が蘇りましたね。サブウーファー帯域のニュアンスがかなり好みで、「これはAlphaだな 笑」と。新しいスピーカーは常にチェックしているのですが、このスピーカーこそ、選択肢を広げたいウチが求めていたシステムなんじゃないかと思ったんです。
八木氏:
僕は、いい意味で「Alpha」とは違う、バランスの取れたスピーカーだなと思いました。近しいけれども、違う音というか。シンプルにええ音だなと思いましたね。もちろん到達距離カバーはラインアレイシステムの方が優れているわけですけど、このシステムはやっぱり音楽的な音なんだなとあらためて思いましたね。
導入されたシステムの構成についておしえてください。
井出氏:
「M210」が2台、「B218」が2台、「L20」が2台という片側1/1/1対向という構成で、駆動アンプは「NXAMP4x4MK2」が2台ですね。
八木氏:
多分、NEXOとしては「L20」を片側もう1台追加した構成が推奨だと思うんですが、僕らが普段手がけている現場規模的に、そんなにサブは必要ないなと。それでヤマハミュージックジャパン(以下YMJ)にお願いして、片側1分の1分の1対向という構成で聴かせてもらったら、バランスが凄く良かったんですよ。この構成で約1,000人キャパ以上規模の会場だとつらいかもしれませんが、約800人キャパ以下規模の会場であれば問題なくいけそうです。
井出氏:
あとは弊社のトラックの荷台容量制約というのもありました。スタックして転がして、そのまま積み込めるのが1/1/1いう構成だったんです。なのでまずはこの構成で運用してみて、足りなければ追加を考えようと。
“ハイブリッド・ソース”というコンセプトは、もの凄く理にかなっている
実際に現場で使用されて、「Alpha+」の印象はいかがですか?
八木氏:
届いたのが昨年の12月なんですが、もう何も言うことはないですね。
先日も収容人数700名ほどのホールで行われたエレクトーンの発表会で使用したのですが、エレクトーンの音の再現性が凄く高いんです。オペレートはまったく変えていないのに、お客さんからも「これまでと音の密度が違う。めっちゃローエンドが伸びてるし、これは凄いスピーカーだね」と言われました。普段、そういうことをあまり言わない人からいきなり言われたので驚きましたよ。エレクトーンの音色だけでなく、人間の声に関しても、HPFをある程度入れてもしっかり人間の声がするんです。入力を突っ込んでも飽和せずに余裕があるのも使いやすいなと思いました。
それとカバーエリアが広いというか、近場が広い三角形の指向性になっているので、物理的な向きさえ合っていればもうバッチリで。ラインアレイのような細かい調整は不要で、システムチューニングに時間がかからなくなりました。凄くラクですね。
井出氏:
やっぱり、現場ではできる限りミックスに集中したいんですよ。現場でのシステムチューニングにまとまった時間をかけることができれば、ラインアレイシステムはより素晴らしいスピーカーシステムだと思うんですが、現実にはそんな案件はほとんどない。僕らは限られた時間の中で最高の結果を出さなければいけないわけです。手元のミックス作業の方になるべく時間をさきたい。
その点、「Alpha+」は煩雑な設定はほぼ不要で、搬入して結線すればすぐに調整を開始できる。ミックスアプローチを試すための時間を確保できるようになったのは凄く嬉しいですね。音に関して言えば、「L20」と「B218」のキャビネット構成による低域が特に凄くいい。「Alpha」独特の迫力がある低域なんですよ。
八木氏:
ラインアレイはセッティングが決まれば最高なんですが、事前にソフトウェアでシミュレーションしても、現場に入ってみるとちょっと違うなということが結構あったんですよ。セッティングした後に、上のユニットをもう少し煽りたくなったり。それがAlpha+システムの「M210」は、垂直指向性をワンタッチで変えることができるんです。アカンかったら戻せばいい(笑)。試行錯誤する必要はないのがラクです。
吉永氏:
僕はソフトウェアのコントロールがあまり得意ではないんですけど(笑)、難しいことを考えずに直感で使うことができる新しいスピーカーシステムなのかなと。いい意味で余分なテクノロジーを削ぎ落とされたシステムというか。僕のようにソフトウェアが苦手な人でも簡単に使うことができるスピーカーシステムという印象です。
ポイントソースのスピーカーでありながらラインアレイの利点を取り入れた“ハイブリッド・ソース”というコンセプトについては、どのような印象をお持ちですか。
井出氏:
「Alpha+」のインタビューでこんなことを言うのもどうかと思いますが、僕らのような中小規模のSRカンパニーが運用するスピーカーとしては、コンパクトラインアレイシステムが最適解だと思っているんです。でも、僕らが手がけているような案件では、ラインアレイを吊ることができる会場設備の制約、予算設定などフライングが叶わない場面も多々あり、もったいない運用をしているなと、感じていたんです。
その点、Alpha+のM210は音の広がりや到達感はラインアレイシステムを想起させますし、グラウンドスタック運用なので設置時間も短縮できる。先ほども言ったとおり、トラックから降ろして定位置に搬入して結線すれば調整を開始できる。ハイブリッドソースというのは、もの凄く理にかなったコンセプトなのではないかと感じています。
前モデルの「Alpha」は2列3列といった横に並べるための設置面積もかなり確保が必要だったんですけど、「Alpha+」はコンパクトですし、機動力をウリにしている我々のような会社には最高のスピーカーだなと。
八木氏:
音の到達性もいいですしね。前の「Alpha」も飛び感の良いスピーカーだったんですけど、「Alpha+」は1枚のフラムで頑張っていたものが4枚になって、音のバランスが保たれたまま飛び感が良くなった感じがします。
現場での扱いやすさについてはいかがですか?
井出氏:
重さはどれくらいなのか気にしていたんですけど、「Alpha+」はM210が思ったより軽量な事が嬉しいですね。B218は軽くはないんですけど(笑)、3段目でも2名で手積みすることができるので、この構成のシステムとしてはかなり軽量だと思います。さすがに4段目になると2名では厳しいかもしれませんが、3~4名であれば問題ないのではないでしょうか。それとNEXOの製品は、SR用スピーカーを長年開発している会社だけあって、ハンドルの位置とかが絶妙なんですよ。本当に現場ライクな設計になっているんです。
キャビネットのデザインについては?
井出氏:
ロックなイメージで、凄くカッコいいですね(笑)。僕らのような80年代-を生きてきた人間にとっては、スピーカータワーの“圧”を感じるデザインというか。無音でも、音圧を感じるデザインなんです。(笑)音だけでなくデザインに関しても原点回帰な感じがしますね。(笑)
「NXAMP4x4MK2」については、どのような印象ですか?
八木氏:
「Alpha+」のプリセットも用意されていますし、シンプルでいいですね。現状、入力はアナログ接続しているのですが、井出はデジタル入力にも対応できるように構築したいと言っています。
井出氏:
「NXAMP」に関しては、4x4の初代のモデルから運用していますが、ハイパワーな出力が得れる事もそうですが、とにかく特に耐久性の面で信頼できるパワーアンプなんですよ。実際ライブの世界ではここが最重要観点でアンプが壊れてしまったら単純に音を出す事ができない、何よりもこの安定、安心感のあるところが特に気に入ってます。
「Alpha+」は、国内では津川プロ様が初の導入例になるのですが、実績のない機器を導入することに不安はありませんでしたか?
井出氏:
NEXOの製品ですし、ブランドに対する実績、信頼度が高かったので、まったく不安はありませんでしたね。経営者目線でいうと導入コストパフォーマンスやメーカー技術アフターサポートというのはとても重要だと考えているのですが、YMJさんには普段から手厚くサポートケアしていただいているので、安心して導入することができました。
最後に、NEXOというブランドに対するイメージをおしえていただけますか。
井出氏:
文句がないと言ったら嘘になりますけど(笑)、SR/PAの現場をよく理解して開発されている製品という印象です。SR/PA機器の中でも、スピーカーキャビネットの堅牢さやリギングの手軽さが特に際立っているというか。今回導入した「Alpha+」も、とても弊社にとっては理にかなったコンセプトで、さすがはNEXOの製品だなと感銘を受けているんですよ。
今後様々な現場で効率的に使っていきたいと思います!