イベントレポート&ミニインタビュー「Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2026 - True Sound Experience -」
Japan/Tokyo Apr. 2026
話題の新製品をいち早く体験
試聴セッションも
2026年4月15日(水)、東京・恵比寿「ザ・ガーデンルーム」にて「Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2026 - True Sound Experience -」が開催されました。今回のハイライトは、ヤマハのパワードラウドスピーカー全4機種の比較試聴。多くの音響技術者やPA関係者の方々が足を運び、急遽座席を増やした回もあったほど。
盛況を呈した約1時間のプログラムをレポートするとともに、プレゼンテーションで取り上げた2つの新製品についての登壇者インタビューもお送りします。
PHOTO・INTERVIEW:池谷恵司(Dialog)/REPORT・DESIGN:ハイナーデザインフィックス
TRUE SOUND EXPERIENCE
─“本当の音”を体感できる貴重な一日
今回の「Pro Audio Day」ではデジタルミキシングコンソールの最新モデル「MGXシリーズ」(2026年2月発売)とラウドスピーカー・サブウーファーの新製品「DXR/DXS/CXR/CXS mk3シリーズ」(2026年4月9日リリース/6月発売予定)のプレゼンテーションが行われました。
会場となった恵比寿「ザ・ガーデンルーム」には、パワードラウドスピーカー「DZR12-D」「DXR12 mk3」「DHR12」「DBR12」とパワードサブウーファー「DXS18 mk3」、パッシブラウドスピーカー/サブウーファー「CXR12/CXS18 mk3」がスタンバイ。試聴セッション時にホール内を自由に移動して音の抜けや指向性、質感などを確認できるよう席間をあけて椅子がセットされました。試聴セッションの後にはフリータイムが設けられ、リアパネルを確かめたりコントロールノブの動作を試したりと製品に直に触れて理解を深める様子が閉場時間いっぱいまで見受けられました。
またホール入り口のロビーでは製品展示が行われ、デジタルミキサー「MGXシリーズ」をはじめ、オーディオインターフェース「URXシリーズ」やシグナルプロセッサー「DME5」「DME3」、パワーアンプリファイアー「XMSシリーズ」など話題の新製品に加え、デジタルミキサーの定番として評価を高めている「DM7」「DM3」も展示されました。
ロビー展示
気になるスペックや動作を実機で確認
左から「MGX16B」「MGX16VW」「MGX12B」「MGX12VW」
EVENT REPORT -1
ヤマハ デジタルミキシングコンソール「MGXシリーズ」 商品プレゼンテーション
アナログミキサーの名機「MGシリーズ」のデジタル進化形として開発されたデジタルミキシングコンソール「MGXシリーズ」。そのプレゼンテーションは、製品概要を紹介するムービー(https://youtu.be/eZ7fJhpOiAY)でスタートしました。
プレゼンターは、音響事業戦略部 CCA事業企画課の滝澤真二(上写真右上写真下)。デジタルならではの多様なエフェクト機能やクリエイティブツールを搭載し、オーディオインターフェース機能が強化されていることなどをまず紹介。スペック解説のムービー(https://youtu.be/8-1DS_vqitQ)に続いて、直感的でスピーディな操作性にも言及。ライブイベントや配信、設備音響はもちろん、Vモデルで実現する映像信号処理は、近年増加のライブ(オフライン)と配信(オンライン)を同時に行うハイブリッドライブなどでも活躍するデジタルミキサーであることをアピールしました。
EVENT REPORT -2
パワードラウドスピーカー「DXR/DXS mk3シリーズ」/パッシブラウドスピーカー「CXR/CXS mk3シリーズ」 商品プレゼンテーション
パワードラウドスピーカー「DXR/DXS mk3シリーズ」は、音響性能・機能性・出力で高評価を得てきた「DXR/DXS mkⅡシリーズ」(2019年発売)をアップグレードしたモデル。アンプを省いたパッシブラウドスピーカー/サブウーファー「CXR/CXS mk3シリーズ」も同時発売予定。こちらは音響事業戦略部 PS事業企画課の米倉慎一郎がプレゼンテーションしました。
製品サイトでも公開中のプロモーション動画(https://youtu.be/dUs3M7oMkLg)に続いて紹介されたのは、音がすべてを決める瞬間に、確かな音響性能を発揮する“Sound Changes Everything”という「DXR/DXS mk3シリーズ」のコンセプト。その実現を支えた新たな機能やテクノロジーが次々と披露され、パッシブスピーカー/サブウーファー「CXR/CXS mk3」に対応するパワーアンプ「PXシリーズ」のファームウェア:Ver.1.66のリリース情報もアナウンスされました。
EVENT REPORT -3
ヤマハ ラウドスピーカー 試聴セッション
ヤマハパワードラウドスピーカーの全ラインナップ ──「DZR12-D」「DXR12 mk3」「DHR12」「DBR12」 (いずれも12インチ)── を聴き比べるこの企画。試聴ソースは、①男声ナレーション、②ピアノと男性ボーカルによるチルサウンド、③ドラムやパーカッション、ギター、ベースによるラテンテイストの音楽の3タイプ。初めは着席していた方々も、試聴が進むにつれて立ち上がったり、ホールのあちこちへ移動したり、思い思いのポジションで音を体感されていました。
最後は「DXR12 mk3」にサブウーファー「DXS18 mk3」を加え低域を効かせたクラブサウンドで試聴。音楽ソースの違いによって各シリーズそれぞれの音の個性がより際立ち、参加された方々の表情には各シリーズの特色を感じ取った満足感と納得感がうかがえました。
プレゼンテーション登壇者インタビュー -1
アナログの良さとデジタルのメリットを融合した「MGXシリーズ」
ベストセラー「MG」にデジタルのメリットを融合した発展形
「MGXシリーズ」は、世界的なベストセラーであるアナログミキサー「MGシリーズ」をデジタル化して発展させたモデルです。現在小規模向けのデジタルミキサーとして「DM3」が高く評価されていますが「MGXシリーズ」はその置き換えではありません。USBデバイス入力やBluetooth経由のBGM再生、ライブ配信など音響現場のニーズが多様化した昨今、アナログの良さを維持したまま、デジタルのメリットが享受できる選択肢です。プロエンジニアだけでなく、ミキサーに触れる機会の少ない方でも、直感的に操作できる使いやすさを目指しました。
「True Sound」、サイズを超えた高音質を実現
クリエーターから設備音響など多くの方にお使いいただける「MGXシリーズ」ですが、その実力はライブPAの現場でこそ真価を発揮します。音質面では32bit/96kHz対応の高解像度AD/DAコンバーターや、超低歪み設計のマイクプリアンプを投入することで、入力信号を正確に捉え、色付けすることなく再生する「True Sound=原音再生」を実現しています。
アナログ的な使い勝手を実現する1レイヤー構造
デジタルミキサーの多くは、コンパクトなサイズ上に多数のチャンネルを収めるため、フェーダーをレイヤー構造とします。しかし「MGXシリーズ」はあえてレイヤーを排除しました。1chのフェーダーは、常に1ch、というアナログミキサー譲りのわかりやすい操作性を約束します。
配信現場のリアリティに直結する独立系統と専用機能の実装
近年のライブ現場は、同時にライブ配信を行うケースが増えています。「MGXシリーズ」はそのニーズに応え、メイン出力から完全独立した「ストリーミングアウト」を装備し、ライブと別ミックスでの配信やリップシンクの調整も可能です。さらに「MGX-V」モデルではHDMI端子も搭載し、USB-Cで接続されたPCへの映像キャプチャー機能も搭載します。さらに配信用途で重用される「マルチバンドコンプ」や、効果音出しに使える「サンプリングパッド」も搭載しました。
他社機器とも柔軟に連携するエコシステム
制作環境やクリエイターに向けては周辺機器と柔軟に連携するエコシステムをご提案しています。例えば、Elgato社のコントローラー「Stream Deck」と連携し、手元のボタン操作でスピーカーの切り替え、ヘッドホンの音量調整などが行えるなど、外部デバイスと連携した快適な制作・配信環境を提供します。このように「MGXシリーズ」は、ライブ、配信、スタジオワークに至るまで、あらゆる用途に応える次世代のスタンダードミキサーとして、自信を持ってお勧めできる一台です。
プレゼンテーション登壇者インタビュー -2
圧倒的な音質向上と現場のニーズに応える「DXR/DXS mk3」「CXR/CXS mk3」
数値では測れない「出音のキャラクター」をその耳で確かめてほしい
今回は現行ラインナップの12インチモデルの4機種を用意し、同じ音源で比較試聴する鳴き比べを行いました。ここにはカタログスペックの数値だけでは伝わらない各モデルの音を、ご自身の耳で確かめていただきたいという狙いがありました。
会場に用意したのは、軽量で扱いやすい「DBR12」、堅牢な木製キャビネットの定番「DHR12」、軽さとハイパワーを両立した最新の樹脂製モデル「DXR12 mk3」、そしてクラス最大級の2000W出力を誇るフラッグシップ「DZR12-D」。純粋な比較のため、あえてEQはフラットとしました。
メーカーとして10年以上前の機種と最新機を同じ土俵で鳴らすことは冒険でしたが、音に「どれが一番良いか」という正解はありません。現場のニーズや好み、サイズ感、可搬性など、多種多様な用途に合わせて最善の選択肢があるということをお伝えすることを主眼としました。
10年の蓄積が結実した「今の音」と、それを支える新技術
最新の「DXR mk3」は、最新素材、デバイス、そしてこの10年で培った技術を投入することで「今の時代に求められる音」を実現したモデルです。象徴的なのはHFドライバーのポリイミド製ダイアフラムで、高い耐久性を確保しつつ、驚くほど歪みのないクリアな高域再生を実現しました。私自身「ここまで違うのか」と驚いたほどです。信号処理の要である「Advanced FIR-X Tuning」も進化し、クロスオーバー付近の位相歪みを徹底的に排除しています。心臓部には新開発の2000WクラスDアンプを搭載し大出力に対応しています。
現場のニーズに答えた軽量化と樹脂キャビネットの常識を覆す高音質
昨今のPA現場では、時に音質以上に軽量性や可搬性が重視されます。多くの女性が活躍する音響現場において「一人で安全に担げるか」「スムーズに着脱できるか」といった物理的負担の軽減が、現場での作業効率を大きく左右します。「DXR mk3」は大出力の2000Wアンプを搭載しながら、エンクロージャーに樹脂素材(発泡成形)を採用し、常識を覆す驚異的な軽さを実現しました。また「樹脂は音が軽い」といったイメージを払拭する高音質も両立させています。
PAスピーカー初のBluetooth対応と、現代的な操作インターフェース
ヤマハのPAスピーカーとして初めて、スマホの専用アプリ「D-Remote」によって手元でのコントロールを可能にしました。最大10台までのBluetoothによるリモート操作に対応。操作の自由度が飛躍的に向上します。
サブウーファー「DXS mk3」、パッシブラウドスピーカー/サブウーファー「CXR/CXS mk3」もラインナップ
「DXR mk3」はパワードサブウーファー「DXS mk3」と組み合わせることで、圧倒的な音圧と重低音を再生します。また既存のアンプを活用したい場合や設備用に、同仕様のユニット・筐体を採用しアンプ部を省いたパッシブモデル「CXR mk3」とサブウーファー「CXS mk3」もラインナップしました。ライブからイベント、固定設備に至るまで、あらゆるPAシチュエーションを網羅するラインナップに仕上がりました。
イベント概要
| 名称 | Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2026 |
| 日時 | 2026年4月15日(水)10:30~/13:30~/16:30~(所要時間:各回とも約1時間) |
| 会場 | 恵比寿ガーデンプレイス「ザ・ガーデンルーム」 |
| 内容 |
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