DPX-1000 デジタルシネマプロジェクター 生産完了品
新設計・高解像度のオリジナル大口径レンズによる、比類なき鮮鋭画像の誕生です
デジタルシネマプロジェクターの心臓部とも言える光学エンジン。その中で、これまであまり語られることのなかった投写レンズに、DPX-1000は徹底してこだわりました。その理由は、スクリーンに映像を写し出すいわば映像の最終出口が投写レンズ。レンズの性能が低ければ、いかに高度処理された高画質デジタル信号も活かされないという、あまりにも当然かつ重要な基本的考えから発しています。12群14枚、F値2.4(WIDE)の非常に明るい大口径レンズ。ヤマハオリジナル設計のこのレンズは、高級カメラレンズやTV放送用カメラレンズに使われる設計ノウハウを注ぎ込み、レンズ素材には高価な異常分散(AD)ガラスを採用。また、非球面レンズ形状や独自のコーティングを施し、プロジェクター用として最適化しています。高解像度、高コントラストに加え、投写画像に影響を与える色収差や歪曲収差、さらには高いユニフォーミティを実現。また映像のディテール表現に重要な光量をコントロールする電動光学絞りも備え、絞り形状もシネマ用に最適チューニングされています。まさに磨き上げたと表現するのにふさわしいレンズ性能。色再現性、カラーバランス、高コントラスト、高解像度、そして何よりフィルムライクな、豊かな質感。この次元の違う鮮鋭画像には、きっと誰もが目を見張ることでしょう。
DLP™テクノロジーの中枢DMD™素子に、高コンストラストの最新HD2-DMD™を採用
映像デジタル信号で光変調するDMD™(デジタル・マイクロミラー・デバイス)。DPX-1000は米国テキサス・インスツルメンツ社開発の最新のDMD™素子を搭載。これはマイクロミラーの動作角が、従来の±10度から±12度になった16 : 9(1280×720画素)の最新HD対応デバイスです。マイクロミラーのオフ時(光源からの光をスクリーンへ反射させないときの状態)のスクリーンへの光漏れが従来より低減されており、またダークメタル仕様によりDMD™裏側からの迷光も抑止され、黒色が沈み、より深く、黒の表現能力が大幅に向上。高コントラストな画像が再現可能です。
DMD™性能をフルに引き出し、驚異のコントラスト比2700 : 1を実現する光学エンジンを新開発
光源(ランプ)からの光が照明系レンズ、カラーホイールを経て、DMD™素子で反射され、投写レンズへ。この一連の流れの中で、最新HD2-DMD™の性能を最大限に引き出すために、独自の高性能光学エンジンを新開発。2700 : 1というハイレベルなコントラスト比を達成しています。輝度、分光特性に優れた270Wの超高圧水銀ランプ、高い集光特性を持つ照明系非球面レンズの採用にはじまり、専用ダイクロイックカラーホイールの設計、DMD™素子への入射光の最適化、そして投写系レンズのオリジナル設計。さらには各光学部品への反射をおさえるコーティング、光学ユニット内の迷光や光漏れなどの削減など、細部へもあくまでこだわり黒が黒としてしっかり締まったダイナミックレンジの広い映像表現を可能にしています。また、照明系と投写系の双方のレンズ部には光学絞りを搭載。これによりコントラスト比の一層の向上はもとより、ユニフォーミティ(照度均一性)や、解像度も一段とアップして、より高コントラストな画像実現に貢献しています。
フィルムライク高画質を実現するヤマハ独自の高精度信号処理回路
DPX-1000は、ソフトに収録されている映像信号の全てを映し出すため、A/D変換以降、DMD™に直結されるデジタル回路をフル10bit処理にして高精度化(コンポーネント信号)。8bit処理の4倍の高精度で映像プロセッシングすることで、ソースに込められた微小な階調表現までが可能となり、自然な映像再現へと結実しています。DMD™が1280×720のHD対応になったことに伴い、映像信号プロセッシング回路もハイレベルに高精度化しています。デジタルハイビジョンの1080i信号には、ヤマハオリジナルの高品位IP変換回路を搭載し、本格的なHDプログレッシブ映像を生み出します。また、DVDなどの480i信号には、定評のあるファロージャDCDiTMを10bitモードで採用。ジャギーノイズの低減や輪郭補正技術の搭載で、美しい画像を作り出します。ほとんど全ての入力信号は、プログレッシブ化ののちに投写出画の画素数に応じてスケーリングされますが、ここも画質を左右する大きな要素になります。DPX-1000では、最適なアルゴリズムに基づく、ヤマハオリジナルの「領域適応型スケーリング処理」を採用。対象領域の画像エッジの分析により、複数個の拡大フィルターを組み合わせてスケーリング処理を行うことで、解像度感の極めて高い画像を獲得しています。また、最終的にDMD™への信号入力時に行なわれる14bitデジタルガンマ補正によって絵の階調感等を再現しますが、ここには時間をかけてチューニングしたオリジナル・ガンマカーブを採用しています。
忠実な色再現性を発揮するモノリシック・カラーホイール
新開発カラーフィルターは、一枚のガラスにRGBの3色をダイクロイックコーティングしたカラーホイール。複数のガラス板の組み合わせとは異なり、合理的で効率の良いシネマ専用設計です。カラーフィルターの透過特性の改善を図り、さらに光源ランプの分光特性とのマッチングで最適化され、HDTVの映像規格であるBT.709part2の色度再現範囲を実現しています。また、5倍速処理によって、カラーフリッカーも極小に低減され、微妙なニュアンスの表現力に富んだ、滑らかで安定した映像を出力します。
クラス最大ズームレンズ(×1.6)により、大画面の設置性が大幅に向上しています
DPX-1000に搭載した投写レンズは、鮮鋭画像の再現のみならず、ユーザーのさまざまな設置環境に対応する多彩な機能を備え、大画面の設置性を大幅に向上しました。まず何より、画面を拡大/縮小できるこのクラス最大の“ズーム機能(ズーム比1.6倍)”を持ち、100インチ16 : 9の大画面が投写距離わずか3m(短焦点側)~4.8m(長焦点側)の広い範囲で設置可能となっています。さらに、投写位置を上下に調整できる、可変幅の広い“レンズシフト機能”により、0~1.24m(上下)の範囲で設置可能。また設置位置や角度の制約によって、画像が台形に歪んでしまっても、“デジタルキーストン補正機能(上下)”で簡単に調整が可能。これらは全て、リモコンで電動調整が可能なため、天吊りや、棚置き後の調整も非常に容易です。限られたスペースや制約のある場所での設置にも柔軟に対応できるDPX-1000の優れた設置性。場所を選ばず、快適な視聴環境を構築して大画面が楽しめます。
ヤマハの音響技術を駆使した、30dBという徹底した静音設計
“音のヤマハ”のノウハウを活かしたオリジナル静音設計を施しました。吸音材張りのチャンバー(膨張室)を設けた消音ダクトを3つ独立して採用。静音技術を駆使した排気システムとあいまって、270Wの高出力ランプを搭載しながら、30dB(25℃)の静音性能を獲得しています。さらにランプ寿命に貢献するエコノミーモード時には28dB(25℃)と一段と静音性を発揮。快適な視聴のための静かなシアタールームを実現します。
フルレンズシフトで広がる、快適設置、快適鑑賞
さまざまな設置環境下で、大画面を快適に楽しむために大切な機能、レンズシフト。DPX-1000はリモコンによる電動調整により、投写位置を上下に完全に1画面(=スクリーンの中央線を基準に半画面)移動調整可能なため、本機の設置やスクリーンの配置に制約があっても、柔軟に設置対応できます。また、レンズ回りの調整を全て電動としたことで、視聴位置からの調整を可能とし、設置の自由度を大幅にアップ。快適な視聴環境が容易に得られ、大画面を満喫できます。
思いどおりの色を出す、画像、色調整のための豊富なパラメーター
DPX-1000は設置調整から画像調整まで、あらゆるパラメーターをスクリーン上で確認しながら容易に設定することができます。しかも、フル10bitデジタルプロセスを活かして各パラメーターは、他のパラメーターに影響を及ぼさない独立した調整が可能で、いつでもデフォルト復帰が可能なことも含め、微細で自由度の高い調整を安心して行うことができます。基本となるオンスクリーン調整画面は、DPX-1/LPX-500で好評を博したモノトーンメニューを採用。色温度調整・カラーバランス調整では、サブ画面つき色度図により、分かりやすく調整が可能となりました。なお、調整されたパラメーターは入力端子ごとに6パターン(合計36パターン)までメモリー可能です。
最新映像フォーマットにも幅広く対応する、多彩な入力モード
BSデジタル放送の最高画質(1080i/720p)をはじめ、DVDやVTR、PCなど、家庭用映像メディアのフォーマットに幅広く対応します。RCAコンポジット入力や、S-Video入力に加え、BNC端子による色差(コンポーネント)入力およびRGB入力、D4端子、そしてデジタルRGBのDVI端子も装備。もちろん、アナログRGBのパソコン出力にはミニD-Sub端子で対応します。
全機能を手元でコントロールできる、自照式ワイヤレスリモコン
DPX-1000の全ての設定、調整、レンズ操作が手元で行えます。スイッチ操作で約10秒間点灯するバックライトも内蔵。使用頻度の高い操作には専用ボタンを設けるなど、快適な操作性を提供します。