柴田直人(アンセム)のベース・エフェクター踏み比べ
WTDI
エデンの特徴である、クリーンかつハイ・クオリティなサウンドを、使いやすく抜き出していますね。上から下まできれいに伸びてくれる。それに、ベース、ミッド、トレブルに加えて、ベース・ブーストとミッド・シフトが付いていたり、トーン全体のシェイプを調整するエンハンスがあったり、かなり細かく音作りできるんですよ。
ゲインも付いていますけど、個人的には歪ませるためのものではなくて、あくまでもクリーンを基本に音作りしたいですね。そこにゲインは味付けを加える感じで使いたい。あと、ツマミそれぞれの効き方も見た目どおりに変わっていくというかわかりやすくて、どのセッティングでも使える音になるのがいいです。これだけ小さいのにコンプもついているので、メインで使うのは当たり前として、例えばつねに持ち歩いて、スタジオのアンプとベースの相性が悪い時にこのペダルをはさんで、音を作り直すというのもいいです。
ここまでコンパクトで超高性能なプリアンプってすごいですよ。手持ちのプリアンプとしてかなり使えます。
I90
コーラス・ペダルの基本である、深さを決めるデプス、速さを決めるスピードのかかりが、どちらともとっても自然ですね。ツマミをどの位置にしても、極端なところがなくて、使えるセッティングになっています。コーラスとして、とてもピュアで暖かみのある音が出せますし、コーラスの変化や効果を純粋に追求しているペダルだと思います
そして、ここが大切なんですが基本のサウンド・クオリティがとても高い。
さすがにエデンだと感じます。
ロー・カットは左に絞ると低域がカットされて、上げていくと低域が増すようになっているんですが、EQ的に使えるようにうまく調整してあります。このロー・カットを上げていくと、サウンド・キャラクターがマイルドになって、なんとも言えない浮遊感を出せますね。あと、原音に対してコーラスを足していくミックス・レベルのツマミもいいです。上げていっても、極端に音質が激変することがなくて、そこもとてもよくできていると思います。
とても簡単で使いやすいし、音もいい。プロはもちろん初心者にもいいコーラス・ペダルと思います。これいいですよ。
CaliforniWAH
フィルター系のペダルとしては、操作性はシンプルだし、かかり具合も手に負えなくなる程に極端に変わってしまうものではないですね。他のエデンのペダルもそうですが、使い勝手がよくて初めて使う人でも使いやすいと思います。ただ、フィルター系はファズとかのように極端に音を激変させるエフェクターではないし、使うセンスも問われると思うので、そういう意味では玄人好みのペダルという考え方もできますけどね。
細かく触っていくと、まずヴォイス・スイッチがポイントでしょう。これを押すとかかり具合が深めになるので、好みで使い分けられます。かかり始めの帯域を決めるロー・ポイントやかかり始める感度を決めるセンシティヴィティというツマミも、かかり具合がちょうどいい範囲にセットされているという印象です。
アナログらしいトーンだし、他社のフィルターと比べて、オーソドックスですが、それだけ使い勝手はいいと思います。他のエデンのペダルもそうですが、飛び道具的な過激すぎるサウンドは持ってないです。ただ、基本性能が高い。僕としてはアタックの入力に対して、もうひとさじぐらい繊細にコントロールできる機能が付いているとうれしいですが、これはこれで充分。これにファズを噛ましてみたりすることで可能性が広がると思います。