感動が増大するエレクトーン伴奏 湘南市民コール第55回定期演奏会

神奈川県藤沢を本拠地としている湘南市民コールは、ここ数年続けて大竹くみ先生にお願いし、エレクトーンの伴奏で1ステージを演奏しています。一昨年はキンターナという南米の作曲家による華やかなミサ曲を演奏し、昨年は作曲家の横山潤子先生にお願いして「サザンオールスターズ」の編曲をエレクトーンとピアノの伴奏で演奏しました。今回は、ミシュキニスというリトアニアの作曲家によるリズミックなミサ曲「MISSA BREVIS」を演奏しました。

合唱団としては、ピアノ伴奏のままで演奏することでも良いのですが、オーケストレーションを前提とした曲であったり、ポップスであったりした場合に、ピアノだけでは物足りない曲もありますが、エレクトーンの伴奏にすることで、その曲の新しい顔が見えて感動が大きくなると思っています。エレクトーンの利点は1台でオーケストラ楽器もパーカッションも音にすることができることと、ピアノは打音が減衰していく音であるのに、合唱は持続音となりますので、オルガン同様、エレクトーンも持続音が出せることで合唱との一体感と相乗効果が生まれると思っています。

ただし、エレクトーンの場合、演奏者のセンスや、どれだけ編曲の引き出しを持っているかでその効果が倍増したり、半減したりすることになります。長年お付き合いいただいている大竹くみ先生は、優れた作曲家でもあり、いつも期待以上のオーケストレーションをしてくださいますし、合唱の良さも引き出す演奏をしてくださるので、安心してお願いしています。2年前のキンターナの時にはドラが鳴ったり、昨年のサザンの時は原曲に添った演奏をしてくださいました。今回のミサ曲は、パイプオルガンの響きを取り入れ、合唱がリズミックであるために薄れがちなフレームを作ってくださいました。

この他のステージとしては、信長貴富作曲による「あの町この町」「宵待草」などが収録された「近代日本名歌抄」と湘南市民コールが委嘱した鈴木輝昭作曲の「大地はまだ」を演奏いたしました。

会長/門井淑治

指揮/清水敬一 エレクトーン演奏/大竹くみ 写真提供:(有)スタジオ・スペース・フォト

2010年7月10日 藤沢市民会館大ホール