渋谷桜丘・大和田“さくらホール”開館! メサイアコーラルソサイェティ合唱団・管弦楽団公演 ヘンデル オラトリオ・メサイア 「いざ、大いなることを歌おう」

メサイアコーラルソサイェティ(MCS)は、合唱の喜びを知っている人々が毎年ヘンデル作曲「オラトリオ・メサイア」を歌うために組織した合唱団です。宗教音楽をレパートリーとしているアマチュア合唱団はたくさんありますが、MCSは「メサイア」演奏のみに集中しています。「メサイア」は合唱のバラエティにおいても、テクニックにおいてもレベルが高い曲です。ソリストのテクニックが要求されるパートがたくさんあります。また世界中に「メサイア」歌いがたくさんいまして、欧米では教会で「メサイア」が歌えれば必ず仲間ができるという風潮があります。MCSはまた、「メサイア」のふるさと英国ツアーなどもして研究に励んでいます。

MCSは、「メサイア」を毎年クリスマスシーズンに演奏してきました。近年はサントリーホール ブルーローズ、東京芸術劇場などで開催してきましたが、今回は昨年11月に竣工したばかりの渋谷文化総合センター大和田さくらホールを使用することができました。732席の中ホールですが、舞台も広く、音響もよく、アマチュア合唱団としては使いやすいホールでした。

ヘンデルは1741年8月22日から24日間で3時間にもおよぶこの大曲を書き上げ、彼自身があまりに早く書き上げたのが不安で、2ヵ月も紹介しなかったほど霊感に打たれたような作品です。作品番号で言えば600曲にもおよぶ作品、オラトリオだけでも35曲をヘンデルは書いていますが、特に「ハレルヤコーラス」は最も有名だと言って過言ではないでしょう。56歳の大作曲家の没落しかかっていた時、神が与えられた宝石のような賛歌が「メサイア」です。その美しさと荘厳さに魅せられた合唱団員は、毎年新鮮な感動をもって歌っています。実は指揮者である私こそ「メサイア」に魅せられて40年以上演奏してきました。

「メサイア」は合唱ばかりでなくソロも美しい。しかし指揮者としてはオーケストラをどうまとめるかは毎回の課題です。音楽監督としてご指導を仰いでいる山田純彦先生がエレクトーンの使用を勧めてくださり、室内楽にエレクトーン2台を加えて、西岡奈津子さんと黒澤有香さんが弾いてくださいました。さくらホールは中ホールの割に舞台は天井が高く、オーケストラと66名の合唱団を支えるにはエレクトーン効果が大でした。特に木管やバスを補いつつ、オルガンの大音量を出し、現代のクラシックを演出できました。1742年のダブリン初演以来、このくらいのサイズの演奏会場が用いられたことの意味を噛み締めている昨今です。

今年もさくらホールで12月12日「2011メサイア」を予定しています。また近年中に「1000人のメサイア」を計画中です。

メサイアコーラルソサイェティ指揮者 ライトハウス代表/小田 彰

(上から)写真1:エレクトーン演奏/黒澤有香、西岡奈津子|写真2:指揮/小田 彰

2010年12月14日 渋谷区文化総合センター大和田さくらホール