鎮魂の演奏となった「レクイエム」 浦和混声合唱団55周年記念 第29回演奏会

私たちの合唱団は、昭和31年10月、市民のための合唱団を創ろうと旧浦和市(現在のさいたま市浦和区)に誕生しました。当時は100名を超す歌好きが集い歌っていたと聞いています。

合唱団の名前も、東京混声合唱団と同じ年に誕生したこともあり、浦和混声合唱団と名付け、「東混」にたいして「浦混」という愛称で市民から親しまれています。

現在の指揮者は、全日本合唱連盟副理事長の岸 信介氏で、35年の長きにわたりご指導をいただいております。

過去には演奏会において、オーケストラとの共演によるプログラムを主体にする活動が中心でしたが、近年はアカペラの宗教曲に主体が移り、ハーモニーとアンサンブルを追求し、人間の声の美しさを楽しんでいます。

今年は、創立55周年記念演奏会であることから、小編成オーケストラによるジョン・ラターの「レクイエム」を取り上げました。選曲した当初は、まさかあのような大震災が起こるとは知らず、奇しくもこの演奏会の最終ステージが鎮魂の演奏となってしまいました。

特に、大竹くみ先生にお弾きいただいたエレクトーンは、この「レクイエム」の主役となり、オルガンの音色など自在な音を奏でていただき、聴いてくださる皆さんの涙を誘う演奏となりました。

アンコールで皆さんと歌ったジョン・ラターの「For the beauty of the earth」は忘れられない思い出の曲になりました。ありがとうございました。

浦和混声合唱団代表/佐藤幸雄

エレクトーン演奏/大竹くみ

2011年7月2日 埼玉会館大ホール