OBが全国から集合! 東京楠声会合唱団第6回演奏会

まず東京楠声会合唱団について。鹿児島に本部を置く楠声会合唱団の関東支部として1988年に設立された男声合唱団で、一般的な男声合唱曲や日本の叙情歌、世界の歌、宗教曲、映画、ラテン音楽等、幅広いレパートリーを完成度の高い演奏を楽しんでいる団体。楠声会の楠は旧制七高(現鹿児島大学)の正門前にあった楠の巨木に由来する。楠声会は、この鹿児島大学の男声合唱団フロイデコールを卒業したOBが男声合唱の味を忘れられずに結成した合唱狂いの集団である。

したがって、男声合唱経験は、50年以上の猛者が多く在籍する。現在は母体の源となる現役大学生のフロイデコールが団員減少により廃部になり、新人の供給源がなくなり、増員にかなり苦労をしている。

現在の東京のメンバーは50名弱であるが、いったん大きなコンサートを企画した場合は本家、鹿児島をはじめ、宮崎、熊本、長崎、福岡から応援が駆けつけてくれるのも、この合唱団の大きな利点である。

大きな友情と絆の深さを感じている。

今回の演目の2番目、「山に祈る」(清水脩構成、作詞作曲)は、原作に沿った演出で、OB劇団の皆さんの共演で感動的な演出の演奏だった。

特筆すべきは、今までの数多い演奏会には、必ずエレクトーンを伴奏楽器に選んでいることだ。

第四部のエレクトーン伴奏のお二人、内海源太さんと平沼有梨さんは、さすが世界一の演奏家にふさわしいアンサンブルで、楠声会を支えて、素晴らしいサウンド・ステージを創り出していた。

東京楠声会合唱団 常任指揮者/ホセ生駒

エレクトーン演奏/内海源太、平沼有梨

2011年9月18日 大田区アプリコホール