オーケストラとエレクトーン、ピアノで「水のいのち」を演奏 マーキュリー・グリー・クラブ第9回定期演奏会

8月31日東京オペラシティで男声合唱団マーキュリー・グリー・クラブの第9回定期演奏会を開きました。この会場での定期演奏会は5回目。一橋大学のグリークラブ、コール・メルクールのOBを中心に様々な大学のOBが集まって、木曜日夜に東京芸術劇場のリハーサル室を主に使って練習している60人ほどの合唱団です。定期演奏会のほか、仏、伊、独、英、墺と5回のヨーロッパ演奏旅行などを楽しんできました。

大学の男声合唱は現役はすたれ気味ですが、OB合唱団は各地で活発です。私たちの演奏会も毎回オペラシティがほぼ満席です。今回は学生時代に多くのメンバーがお世話になった指揮者の荒谷俊治先生への感謝の思いを込めた演奏会という意味合いを持って企画しました。

先生のご希望を汲んで演奏会を組み立て、2台のピアノ伴奏(中野マリさん、仕入順子さん)で先生の指揮によるお得意のブラームスの「愛の歌」、「アルトラプソディ」(アルトソロ:阪口直子さん)を第1、第2ステージとしました。第3ステージは団内指揮者の永井宏指揮で、かつて男声合唱の定番のように歌われた「枯れ木と太陽の歌」。そして第4ステージは荒谷先生の指揮で彼の師である髙田三郎の「水のいのち」をオーケストラとピアノそして清水のりこさんのエレクトーンという厚い伴奏で演奏しました。このステージはイントロに同じ髙田作品の典礼聖歌から2曲を、これはエレクトーンだけの伴奏で演奏。「水のいのち」は荒谷先生ご自身の編曲によるオケ伴で、何度も歌ってきたピアノ伴奏による演奏とは曲の表現が大きく変わりました。私の感想で言えば、ある小説を読んだときの感動とそれが映画化されたものを見た感動の違いに似ていると思います。ピアノ伴奏になれた聴衆のみなさんからも様々な評価、感想を戴きました。

せっかくのエレクトーンでしたがメインの楽器ではなかったので清水のりこさんの素晴らしい演奏を堪能するまでに行かなかったのはやや心残りでした。

第9回定期演奏会委員長/石林紀四郞

エレクトーン演奏/清水のりこ

2013年8月31日 東京オペラシティコンサートホール