90年の歴史で初のエレクトーン伴奏 男声合唱団東京リーダーターフェル1925

男声合唱団東京リーダーターフェル1925(以下TLT)はドイツの男声合唱に憧れた山口隆俊氏、秋山日出夫氏などにより大正14年(1925)に創立され、今年で90周年を迎える日本最古の社会人アマチュア男声合唱団です。TLTは古くからわが国唯一のドイツ合唱連盟海外会員として認められ過去6回のドイツ演奏旅行やベルリンリーダーターフェル、ニーダーヴェルシュタットなどの男声合唱団との交流が続いています。また1983年以来、韓国アマチュア男声合唱団の最高峰である韓国男声合唱団との交流を続けており、さらに2014年3月には台湾にて台北永楽扶輪社合唱団などと演奏会を開催、新たに東アジアでの合唱の交流の輪を広げています。

昨年の定期演奏会(11月16日於:すみだトリフォニーホール)ではケルビーニ作曲「レクイエムニ短調」をヤマハエレクトーンシティ様のご協力により無事演奏することができました。20年以上前にパイプオルガンで演奏したことがありますが、90年の長い歴史の中でエレクトーンを使用したのは初めてのことでした。当初エレクトーン利用について若干の不安もありましたが、事前に塚瀬万起子先生、伊藤佳苗先生の演奏を聴かせていただき、お二人の演奏テクニックから素晴らしいオーケストラの響きが繰り広げられ、安心感に包まれたことを覚えています。本番前のゲネプロで初めて両先生によるエレクトーンとの合わせを行い、重厚なオーケストラの響きを前に83名の団員の緊張感も一気に高まりました。演奏会当日の準備も手際よく進めていただき、エレクトーンの演奏にティンパニも加えた男声合唱でのレクイエムに1500名のお客様も大変満足して帰られ、成功裡に終わることができました。今後はオペラ合唱曲など、本来オーケストラとの演奏が相応しいステージにぜひ導入し、音楽表現の奥行を広げ格調の高い演奏会にしたいと思っています。

技術局長/池野洋臣

エレクトーン演奏/塚瀬万起子、伊藤佳苗

2014年11月16日 すみだトリフォニーホール