バッハのカンタータをエレクトーン伴奏で演奏 三友合唱団 第57回定期演奏会

三友合唱団は昭和21年3月、日本橋三井ビル内に三井グループの人を中心にした勤労者の合唱団として創立されました。現在はそれにこだわらず各年齢層の団員で構成されています。創立当時、指揮者伊藤武雄氏のピンチヒッターとして桐朋学園高等指揮科に在学中だった小澤征爾氏が指導に当たることもあり、同氏は日経新聞の「私の履歴書」の中にその頃のことを記述しています。

創立71年目を迎えた今回のプログラムは、前半は日本語の合唱曲を。源田俊一郎編曲による混声合唱のための唱歌メドレー「ふるさとの四季」。長い年月歌い継がれる唱歌は、多くの観客の皆様に“ふるさと”を実感していただけたのではと思います。次に小林秀雄作曲「落葉松」。ことばのディクションを大切に、情感を込めて歌い分けました。団員も練習を通じて、スタンダードな日本語合唱曲の魅力を大いに感じ取ることができました。

後半は、ドイツ語による二つの合唱曲。まず、歌曲王シューベルトの「ドイツ・ミサ」。全編美しい旋律の曲ですが、言葉を軽視すると平板に聴こえがちです。私たちは指揮の北村哲朗先生の指導の下、ドイツの単語一つひとつのディクション、アクセント、語尾の処理を時に多くの練習時間を割き、ほぐし、つむぐということを行って演奏会に臨みました。

そして、最終ステージ。エレクトーンを伴奏に、4人のソリストとJ.S.バッハのカンタータ第4番BWV4を演奏しました。演奏を聴いていただいた客席の皆様からは、エレクトーンの奥行きのある音色がこの曲にマッチしていたと好評をいただきました。アンコールに同じくバッハのカンタータ第147番からコラール「主よ人の望みの喜びよ」を。これもエレクトーン伴奏で演奏し、大きな拍手をいただきました。

先日、70年間の活動に対して、その功績を東京都合唱連盟に表彰されるという栄誉を得ました。が一方で、近年団員の減少が大きな問題となっています。引き続き演奏活動を行うためにはどうしたらよいか、模索をしながら次の演奏会へ向けての練習を続けています。

団長/滝川潔

エレクトーン演奏/西岡奈津子

2017年10月14日 日本橋公会堂