ヴィヴァルディって、こんなに楽しいんだ! 杉並混声合唱団 第44回定期演奏会

杉並混声合唱団(愛称は杉混)は、1970年に創立されました。団の発足から小林光雄先生のご指導のもと、宗教曲と日本人作曲家の曲の2本立てで定期演奏会を開催しています。

その小林先生が米寿になられて、昨年を最後に常任指揮者を退かれたため、今回は、先生は2つの小品を、後は団員3名が指揮をするという形式での開催となりました。高田三郎作曲の「心の四季」、木下牧子作曲の「地平線のかなたへ」の邦人の合唱組曲の後に、ヴィヴァルディの「Gloria in D」という曲順です。

ヴィヴァルディの曲は、バロックの音楽としての様式美が整っているだけでなく、ものすごく耽美な旋律もあり、リズムの怒濤もあり、バロック音楽としてはその曲想の幅は群を抜いていて、ヴィヴァルディは、時代の最先端を行く作曲家であり人物であったと思っております。

このため、杉混としては、エレクトーンの伊藤佳苗先生とピアノの北矢由美先生、声楽の加藤美帆さんと下倉結衣さんのご協力を得て、この曲をバロック時代の枠に閉じ込めるのではなく、新しいものを追及していたヴィヴァルディの思いや姿勢を表現して、会場の皆さんに楽しんでいただけるようにと、頑張って演奏をいたしました。

実は、エレクトーンによって、音の音色や持続など表現に幅が出てくる一方、合唱団にとっては、音の立上がりやバランスなど合わせるのが難しくなってきます。しかし、杉混としては、この5年間連続してエレクトーンとの共演をして経験を積み重ねてきました。そして、今回の演奏は、会場の皆さんだけでなく団員にも評判が良く、とても楽しい演奏会となりました。皆さんもご一緒にどうですか。

著・ヴィヴァルディの指揮担当/影井良貴

エレクトーン演奏/伊藤佳苗

2018年9月8日 杉並公会堂 大ホール