圧巻の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」 くにたち混声合唱団ときわ 第43回定期演奏会

東京都多摩地区を拠点に歌い続けて66年。20代から傘寿を超える団員まで“仲良く、楽しく、上手に”をモットーに、邦人曲・宗教曲・ポップスなど広いジャンルの曲を心ゆくまで楽しんでいます。演奏活動としては、定期演奏会を1年半に1回開催、国立・三多摩・都合唱祭へ毎年参加。介護施設などへ出向いての交流コンサートも活動の一つとしています。しかし、昨年はコロナウイルス関連の影響で自粛体制となり、練習は休止、演奏活動もすべて中止。文化活動の中でも音楽関係、とくに合唱団にとっては活動が難しい状況となりました。

今回の演奏会については「会場が閉鎖にならない限りは開催」と昨年末に決めたところに年明けの非常事態宣言再発令で練習休止。2月まで宣言が延長となり開催も危ぶまれましたが、解除後、幸いなことにホールが開館となり、無事開催できたことは本当にうれしいことでした。また、人数制限の中、お客様に来ていただけて本当に良かったと思います。この状況下、本番を目指し練習を重ねてきた団にとって、客席からの温かい拍手は「開催して良かった」という安堵と今後への励ましとなりました。

共演者の方々にも練習不足をカバーしていただいた今回でした。とくにフォーレのミサ曲では伴奏部分をエレクトーンで演奏していただき、コロナ禍を忘れさせるような荘厳な雰囲気になりました。何といってもアンコールの「トリッチ・トラッチ・ポルカ」が圧巻もの。エレクトーンの機能が最大限に生かされ、見事なオーケストレーションで締めくくることができました。

振り返れば、前回の定演後まもなく発生したコロナと向き合い、練習の休止や団員の減少、感染予防対策などさまざまな困難を乗り越えてのマスク着用演奏会でした。最後の3週間で追い上げた団員の底力にもあっぱれですが、共演者の方々や応援し見守ってくださった皆様がいてこそ開催できた演奏会、感謝のひと言に尽きます。ありがとうございました。

著・常任指揮者/木野村雅子

エレクトーン演奏/橘 光一

2021年3月20日 府中の森芸術劇場ウィーンホール