創設者・小林光雄先生を偲んで 杉並混声合唱団 特別演奏会

杉並混声合唱団(通称:杉混)は、1970年、当時、杉並区立宮前中学校音楽教諭の小林光雄先生(のちに国立音楽大学教授)が創設した合唱団です。先生は常日頃、「音楽に国境はない」「歌の語源は“訴える”で、心の思いをきれいな大和言葉できちんと伝えるつもりで歌いなさい」と説かれ、音楽、殊に合唱のすばらしさ、奥深さを教えてくださいました。私たちにとって大きな支柱であったその小林先生が91歳を一期として、今年7月、鬼籍に入られました。

結成50周年にあたる昨年は、コロナ禍により、定期演奏会の開催を断念しました。今年の春頃よりリモート形式で練習を再開し、ワクチン接種を終えた団員を中心に、直接参加型の練習に切り換えたのが6月末で、“集まれるメンバーだけで、歌える曲を集めて、演奏会を開催する”ことを目標に練習を重ね、9月25日、杉並公会堂で、“特別演奏会”と銘打って開催しました。

指揮は、2代目指揮者の蓮沼勇一先生(元暁星小学校教諭で、合唱指揮・合唱教育指導法で小林先生に師事)、ピアノは冨田昌子先生(桐朋音大卒で宮前中学校時代に小林先生に学ぶ)で、三善晃編曲の「山田耕筰による五つの歌」、横山潤子作曲の「たましいのスケジュール」などを演奏しました。

メインは、エレクトーンに伊藤佳苗先生(国立音大時代に教科教育法で小林先生に学ぶ)も加え、『小林先生を偲んで』と題し、小林先生が広められた「大地讃頌」のほか、「カッチーニのAve Maria」など先生の下で歌った名曲を演奏し、聴衆の心の琴線に触れる演奏ができたものと思います。私たちは、先生からいただいた教えを大切にし、これからも歌い継いでまいります。

著・団長/坂田 稔

エレクトーン演奏/伊藤佳苗

2021年9月25日 杉並公会堂