ソリストと1対1で音楽の対話を 原美千代ピアノコンサート 〜ソロ&協奏曲〜

このたびはピアニスト原美千代さんのコンサートにて「グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16」のオーケストラパートを担当させていただきました。

独奏楽器とエレクトーンという編成で協奏曲が演奏される機会はよくありますが、エレクトーンはオーケストラの代替として使える楽器である一方、実際のオーケストラとは異なり、奏者が1対1だからこそできるソリストとの対話が強みです。その楽曲が作られた時代にはなかったエレクトーンという楽器を使うことは、従来のクラシック音楽を新たなアプローチで表現できるということを、今回改めて感じました。

また、アンコールの「タイスの瞑想曲」でも共演させていただきました。原曲はヴァイオリンが独奏楽器のオーケストラ楽曲ですが、今回はピアノとのデュオということで新たな編成にアレンジしました。フルートとホルン、弦楽器でまとめ、原さんのアイディアでウインドチャイムを味付けに、シンプルながらもスッキリと、グリーグのあとに相応しいアレンジになるよう心がけました。

今回の会場はサロンでしたのでお客様との距離が近く、とても温かい方々ばかりで、原さんの明るいお人柄と相まって、とても幸せな気持ちで演奏させていただきました。

ご来場いただいた皆様、応援・ご協力してくださった皆様、どうもありがとうございました。

また、事前に開講されたデボラ・エイケン先生による公開レッスンで指導していただき、アンサンブルや表現方法についてたくさんのヒントを得られたのも幸いでした。

エレクトーンを使う協奏曲の公開レッスンで国外の先生が指導してくださる機会は珍しく、貴重な経験でした。これを機に海外の方や聴講に来てくださった方など、さらにたくさんの方々にエレクトーンを知っていただきたいですし、また、このような機会があれば、ぜひとも受講したいと思いました。

今後もこのようなアンサンブル経験やエレクトーンならではの特徴を活かし、音楽と向き合っていきたいです。

エレクトーン演奏家/松田有季乃

エレクトーン演奏/松田有季乃 Photo by Yasu Iijima

2016年6月26日 サローネ・フォンタナ(東京都世田谷区)