クォリティの高いすばらしい演奏でソリストを支える 日本音楽舞踊会議主催 ELオーケストラによるコンチェルトとアリアの夕べ

今年創立60周年を迎えた日本音楽舞踊会議は、1990年より2017年まで通算17回『エレクトーンのための新作コンサート』を、2012年より今回までで通算9回『ELオーケストラによるコンチェルトとアリアの夕べ』を開催し、積極的にエレクトーンを取り上げて、その可能性を世に問うてきた。

今回は、1台のエレクトーンでの伴奏。赤塚博美さん、西岡奈津子さん、市川侑乃さん、松田有季乃さんの4名が担当した。この分野の草分け中の草分け、赤塚博美さんは世界で活躍し、現在は、洗足学園大学・大学院電子オルガンコース客員教授。西岡奈津子さんは、新国立劇場、二期会、藤原歌劇団などで活躍しており、オペラの伴奏を最も得意としている。「アリアなら何曲でも!」という頼もしさ。市川侑乃さんは、自主企画のリサイタルで現代音楽を作曲家に委嘱し初演や過去の作品の再演を続けており、現代物を最も得意とする。松田有季乃さんは、コンサートでの伴奏以外に、水族館やテーマパーク、リーディング舞台での即興演奏、編曲も手掛けている。

クォリティの高いすばらしい演奏でソリストを支えてくれて、コンサートは大好評であった。大曲、難曲をスコアから編曲し、レジストを作り、演奏するという気の遠くなるような時間をかけて作り上げてくれた彼女たちには、心から感謝と称賛を送りたい。

ソリストの皆さんのご感想は、「1台でここまでオーケストラを表現できるのかと、非常に驚いた」「さまざまな音色と表現の幅の広さにワクワクした」「生のオーケストラと同じ感覚で、自然に合わせることができた」「ピアノ伴奏では聴こえなかった音が聴こえたりと、発見が多く、楽しかった」「エレクトーン1台とは思えない重厚なサウンドに感動!」「色彩豊かでダイナミックにして繊細で神秘的なラヴェルのオーケスレーションが再現されていて、驚嘆した」など。エレクトーンの魅力、可能性を演奏者にもお客様にも知っていただけたことは何よりもの喜び。もっともっと多くの方々に知ってほしいと願っている。

著・日本音楽舞踊会議主催公演プロデュース・エレクトーン奏者/西山淑子

エレクトーン演奏/赤塚博美、西岡奈津子、市川侑乃、松田有季乃

photo by 奈良岡忠

2023年9月26日 すみだトリフォニー小ホール