作曲家小林樹とエレクトーンによる魅力的な世界 劇団マリーちゃん第5回公演「道を指し示す光2」

劇団マリーちゃんは公演の企画を立てた時だけ活動する劇団です。普段は一切活動していませんし、劇団員や専属のスタッフもいない劇団です。それ故、毎回公演ごとにいろいろな人との出会いがあります。出会いは不思議なものだと考えさせられます。その人と出会うことにより、人は良きにつけ悪しきにつけ人生が変わっていきます。人との縁はまさに必然的に巡り会う運命だと思っております。何億といる人の山の中で生きて行くうえで決して避けて通れない人との付き合い。それは時に微笑み、喜び、幸せとなり……時に傷つき、悲しみ、不幸を招くこととなるかもしれません。それでも人は、また人と出会うものだと思います。そんな『人との繋がり、出会い、絆』を描いたのが第5回公演「道を指し示す光2」でした。そして、この作品を成功へ導いてくれたのが作曲家小林樹(たつき)さんです。

小林樹さんには劇団マリーちゃん第1回公演の時から非常にお世話になり、第3回公演の時は全曲自分で作曲したいと申し出ていただき、第4回公演の時にはボーカル入りCDを作りたいと申し出ていただき、今回の第5回公演の時は生演奏を実現したいと申し出ていただき……、本当に苦労の種でした。でも毎回新しいこと、自分にとってステップアップに繋がることを試みる彼に感心させられました。

今までの公演ではDTMで作成された音源を流すのみでしたが、毎回、小林樹さんに、「生演奏だったらもっと良い音楽を届けられるのに」「生演奏だったらもっと良い音楽を届けられるのに」「生演奏だったら……」と嫌がらせのように同じことを囁ささやかれていました。公演する芝居小屋と呼ばれる劇場は非常に狭く、楽器を置く場も無いほどの場所で公演しております。なので、生演奏は夢のまた夢、と思っておりましたが…… 出会い、そして人との繋がりが……夢と思えた生演奏のミュージカルを現実へと導いてくださりました。

エレクトーン3台とドラムによる演奏は、まさしくオーケストラに匹敵する感動を与えてくださいました。公演アンケートに「今回使われたエレクトーンについて」の項目で多くのお客様が「エレクトーンに魅力を感じた」「エレクトーンをはじめたくなった」にチェックをつけていただきました。作曲家、そして指揮者の小林樹さんとエレクトーン、ドラムによる魅力的な世界がお芝居と融合して素敵なミュージカル公演を成功させていただけたことに、また大変お世話になりましたエレクトーンシティの方々、お忙しいなか足を運んでいただきました多くのお客様、この公演に関わったすべての方々に感謝いたします。ありがとうございました。

劇団マリーちゃん主宰/林 敏幸

(上から)写真3:エレクトーン演奏/小倉里恵、三浦美帆、鈴木弥生

2011年7月8日、9日 エレクトーンシティ渋谷