20周年は、うれしい偶然 アメリカの歌研究会 20周年記念コンサート

今年は奇しくも“アメリカの歌研究会”20周年、エレクトーンシティ渋谷開設20周年ということで、うれしい偶然であった。常々エレクトーンはミュージカルに最も適していると思っており、奥野由希子さんにお願いした。照明の効果も大きく、3時間があっという間に過ぎた楽しい会になり、本当によかったと思っている。

この日の演奏をCDにしないかなど、多くの反応をいただき、今更ながら20周年の蓄積が大きな宝として日本のミュージカル界の1ページを創ったのだと実感した。今回は声を聴かせるのでなく、ミュージカルの作曲家を紹介するのが目的で、会員各自の選んだ作品を自由な方法でプレゼンテーションするスタイルを取った。C.ポーター、J.カーンからG.ガーシュイン、R.ロジャース、J.ボック、J.カンダー、F.ロウ、J.ハーマン、C.ワイル、S.ソンドハイム、J.スタイン、L.バーンスタイン、A.L.ウェバー、C.M.シェーンバーグ、F.ワイルドホーンなどの名曲が、歌い、語り、踊り継がれたが、「いつもくちずさんでいるあの歌は、この作曲家が書いたのだと初めて知った」といった人や「モーツァルトと『フィガロの結婚』は一緒に浮かぶのに、『屋根の上のバイオリン弾き』の作曲家は誰だったっけ?と思っていた」などの反省の言葉が出たのは興味深いことであった。奥野さんの負担は大変であったと思う。70曲くらいあったと思うが、早くから来て練習しておられたのには一同頭が下がった。お陰でミュージカルの魅力は2倍にも3倍にもなったと感謝している。

ヘンデルやパーセルの古典に始まり、ビートルズからディズニーのアニメ曲まで幅広く発表してきたが、私の希望は正しい英語の発音で歌える人が増えてほしいことである。そしてミュージカルとエレクトーンのコラボレーションには大きな未来があると感じた一日であった。

主宰/藤井多恵子

エレクトーン演奏/奥野由希子

2012年7月7日 エレクトーンシティ渋谷