エレクトーン1台で3時間半。アレンジ&生演奏を担当 ミュージカル劇団Alumnae公演 ミュージカル『ロミオとジュリエット』

群馬県内で活躍する女性アマチュアミュージカル劇団アラムニー。

『多くの人にミュージカルの素晴らしさを伝えたい』をモットーに2000年に旗揚げされ、今年で14年目を迎えた。毎年2月、3月に群馬県内3都市6公演にて3時間を超える大作(過去には『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』など)を無料で上演し、延べ5000人ほどのお客様にアラムニーのミュージカルを楽しんでいただいている。そんなアラムニーの活動に共感し応援する賛助会・ファンクラブ、そして、共催、後援、協賛という形で劇団を支える群馬県内の方々や企業は後を絶たない。

4年前、劇団を支えるスーパーバイザーの中村美幸氏からのご紹介で公演を観劇し、彼女たちの創り上げる舞台に大変感動した私は、エレクトーンを使ってお手伝いしたいと熱烈な手紙を送った。打ち込み音源を使用していた当時、エレクトーンという未知の楽器&生演奏への不安を乗り越え、昨年第13回公演『エビータ』より全曲エレクトーン1台でのアレンジ&生演奏を担当し、私自身の大きな夢が叶った。

そして今年、第14回公演『ロミオとジュリエット』では、前作を超える全38曲約3時間半の超大作に挑んだ。知らない人はいないと言っても過言ではない不朽の名作の、フランスでロックミュージカルとして制作されたミュージカル版『ロミオとジュリエット』。音楽はどれも刺激的で斬新。そのショー的な要素を多く含むナンバーはエレクトーンにはもってこいの題材だ。

団員が書いたボーカル譜と原曲音源を元に、1曲1曲に込められた演出家と団員の想いを受け止めアレンジしていく。どんな時でも全力で向かってくる団員へ妥協は許されず、エレクトーンで表現できる最大限、生演奏で実現できる最大級のことを試行錯誤し実行していく作業が続く。アレンジが出来上がると同時に全曲練習用に録音し、エレクトーンの音で各ナンバー練習を重ね、いよいよ公演2週間前からは生演奏での練習、通し稽古が始まる。役変わり公演となるため、それぞれキャストに合わせたテンポ、間、きっかけ…BGMにいたっては演技に合わせた盛り上げ方のタイミングなど、綿密に練習が必要となる。そして、公演当日は、ゲネプロ、本番と1日6時間×全6回公演、舞台のすぐ下で、感動の舞台を目の前に1000人のお客様を背中に緊張の空間でD-DECKを演奏する。たまらない瞬間だ。

「いい音楽」の上に舞台が存在するのではなく、素晴らしい舞台に音楽が溶け込んでこそ、老若男女たくさんのお客様に感動を伝え、千秋楽でのスタンディングオベーションとなった。それは、今この瞬間「演技・歌・踊り・音楽」が同時に生きることができる…生演奏での舞台にしかでき得ないことではないかと、確信している。

そんな環境を作っていただいた、スーパーバイザーの中村美幸氏、エレクトーン関係者の方々、劇団関係者の方々に、深く感謝申し上げたい。

さて、今年度第15回公演の演目は『モーツァルト!』に決定した。今回も全曲アレンジ&全公演生演奏を担当させていただく。アラムニーをきっかけに群馬県でのミュージカルがエレクトーンと共に盛り上がるよう、これからも全力でサポートしていきたい。

エレクトーン奏者/菊地友夏

エレクトーン演奏/菊地友夏

2014年2月24日・23日 群馬県藤岡市みかぼみらい館大ホール|2014年3月8日・9日 群馬県前橋市民文化会館大ホール|2014年3月22日・23日 安中市文化センターホール