エレクトーンとヴォーカル、二人のライヴ DuoA Casa Classica Live Vol.3

"DuoA"は、ヴォーカル津久井舞とエレクトーン菊地友夏のデュオ。ミュージカルの舞台で役者と奏者として出会った私たちは、エレクトーンのオリジナルアレンジによるミュージカルナンバーを中心に、歌い手と伴奏者という立ち立場を超えて二人で一つのサウンドを作りたいという想いでコンサートやライブ活動を行っている。

東京の赤坂にあるカフェライブハウス「Casa Classica」にて3回目となる今回のライブは、1部ミュージカルステージ、2部はジャズステージと題してお届けした。特に今回力を入れたのが新しい試みである1部のミュージカルステージ。過去2回は通常のライブ形式であったが、二人の持ち味を十二分に発揮できるミュージカルをやりたい!ということで二人共目を輝かせて(笑)取り組んだ。

まずは1曲目のエレクトーンソロで観客を物語の世界に引き込む。一度物語が始まると、会場中をところ狭しと走りまわったり、客席の中での台詞を交わしたり。舞台と客席の境目のない空間だからこそできる演出を施し、40分間ノンストップで音楽と歌、セリフによって物語が紡ぎ出されていく。中盤に盛り込んだエレクトーンソロは、エレクトーンが持つ多彩な音色を生かしたスケールの大きなナンバーを演奏。観客の目と耳はエレクトーンから紡ぎ出される音ひとつひとつに釘付けになり、弾き終わったあとには大きな拍手が巻き起こった。音楽とともに物語が進行し、感情が歌となって溢れ出す。それを受け取った観客の反応がダイレクトに感じられるという心地よい経験を味わった。

さまざまな演出や工夫を凝らし、エレクトーンとヴォーカルの二人で創り上げたミュージカル。今回大きな手応えを掴むことができたので、今後も新たな可能性を求めて精力的に取り組んで行きたい。

エレクトーン演奏家/菊地友夏

エレクトーン演奏/菊地友夏

2015年9月20日 赤坂Casa Classica