エレクトーン演奏で歌って踊る!若手スターを次々と輩出する『恋ブロ』 恋するブロードウェイVol.6

8年前から始まった『恋するブロードウェイ』(略して、恋ブロ)も2年ぶり6回目を迎えました。ミュージカル楽曲をエレクトーン演奏で歌い、踊り、毎回7~9人の出演者を迎え、数々のシーンに若手スターを輩出してきました。国内のみならず、イギリスのウエストエンドで1カ月主役を務めた海宝直人ほか、今や日本のミュージカル界に欠かせないキャストになっている、小野田龍之介、大山真志、内藤大希、ストレートプレイの世界に鮮烈なデビューを飾った味方良介、テレビ・舞台で活躍中の松下洸平が恋ブロVol.1の出演者です。そして、スピルバーグに見出され映画で主要キャストを務め、国内の映画にも出演している森崎ウィンも恋ブロVol.2の出身です。

恋ブロはいつも1カ月くらいの稽古期間で、普段歌っていない楽曲、新たな踊り、ステージングを覚えステージに立ってもらいますが、本番では成長した姿をステージで見せてくれる彼らの力量には毎回驚かされます。MCもそのひとつで、普段なかなかやらないキャストが多い中、恋ブロではMCも求められ、稽古中ではとまどっているキャストも、本番では客席を沸かせるほどの力をつけ、歌だけではなく、総合的に力を付けていけるのも恋ブロの魅力ではないかと思います。今回もMC、そしてトークコーナーでは盛り上げ、沸かせ、もちろん歌、ダンスでも魅了していました。

音楽監督としては、毎回楽曲が決まり稽古場に入り、キャストに歌ってもらい、キーを決め、またそのキャストの持ち味を出すためのアレンジをその場で考え、まとめる、という形なので、稽古の最初が一番ハードになります。もちろんオリジナルのまま歌うこともありますが、今回もかなりオリジナルとは違ったアレンジもあり、客席の反応が心配でしたが、ものすごい拍手をもらって安心しました。アレンジを変える場合はキャストと会話、歌いながら決めていきますが、何日もかかる場合もあります。キャストの個性と結びつけるためなので妥協せずに時間をかけている部分でもあります。また歌唱指導、会場での歌を含めたサウンド作り、アレンジだけではないのですが、音楽監督の仕事は楽しいです。

著・音楽監督・ピアニスト・編曲家/森俊雄

エレクトーン演奏/森俊雄

2019年10月31日、11月1日 恵比寿ガーデンホール