「だいじょうぶ! できる!」 いちかわ市民ミュージカル第10回記念公演 NEXT!~いちかわ黄金伝説~

いちかわ市民ミュージカル第10回記念公演「NEXT!~いちかわ黄金伝説」が、9月24日、市川市文化会館大ホールで2回公演行われました。

2002年から始まり、2年に一度の開催で、一昨年はコロナで中止となって4年ぶりの復活。千葉県内各地から応募してきた子どもからお年寄りまでの出演者130名と6人のオケピ演奏団(いちミュー・アンサンブル)が、溜まりに溜まったエネルギーを爆発させて、驚くばかりの反響を得ることができました。

この20年間、作・演出はすべて筆者が担ってきました。“わが街いちかわ"を素材にして、「市民芸術文化活動を通して世代交流とまちづくりに貢献」という目的に沿った活動は、市内外にかなりの評価を得てきたと自負しています。

とはいえ筆者も高齢となり、引退を意識して選んだテーマが「市民活動の歴史検証」。戦後の混乱の中で台頭していった市民文化活動を6つのエピソードで紹介していこうというものでした。

大衆受けしそうもないテーマです。5月から始まった稽古当初、70人の子どもたちの合唱が筆者一人のダメ出し声に負けてしまう有様、この間の閉塞状況が子どもたちの心身に与えた影響に愕然としました。襲いかかる第7波、広がる感染者、稽古中止、いよいよ公演中止か…と考え始めた8月後半、「何がなんでも面白くしてやる!」と居直りました。そこから、俳優たちの表情が変わっていきました。テーマが浸透し、「絶対成功させよう!」という意気込みが稽古場中に満ちていきました。市民活動の醍醐味です。

そして本番。エレクトーン(さいとうりょう)の響きが130人の合唱を引き立て、観客を圧倒します。「だいじょうぶ!できる!」…本当のテーマがコロナ鬱を吹き飛ばした瞬間でした。

著・いちかわ市民ミュージカル 作・演出/吉原廣

作・作詞・演出・美術/吉原廣

音楽/藤代敏裕

振付/安西真幸

出演者/6歳~84歳130名

観客数/1800名

エレクトーン演奏/さいとうりょう

2022年9月24日 市川市文化会館大ホール