コンサートオペラシリーズ公演を終えて オペラ・アクターズ公演「ラ・ボエーム」

去る2月15日にプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』の公演を行いました。今回新たな試みとして、コンサートホールに於いて特に音楽面を重視し、舞台の反響板を使用したより良い音響の中でのオペラ公演に取り組みました。舞台装置も簡略化でき、また演奏会形式ではなく芝居もきちんとお見せできることに加え、コストを抑えられるというメリットもありました。

オペラは豪華な装置で見たいとおっしゃる方ももちろん多いと思います。たとえ豪華にしなくともオペラ公演には制作・指揮・演出・美術・照明・衣裳・大道具・小道具・オーケストラ・ピアニスト・合唱団・バレエ団・オペラ歌手など専門的な知識や技術を持った人たちがたくさん必要なため非常にコストがかかってしまいます。それでもその優れた人たちが結集して1つの作品が仕上がった時に、オペラでしか味わえない感動が生まれます。当団としましてはその魅力を出来るだけ多くの方々に届けたいと考えた結果、各セクションの方々の賛同を得て多大な協力をいただき今回のスタイルで公演することができました。数万円という大金を出し、豪華なオペラを楽しむ喜びもあります。しかし今回のように3,500円で提供でき、加えてクオリティの高い演奏ができるなら、それを支持してくださる方も決して少なくないと思います。

またそんな中、今回の公演で最も評価が高かったのがエレクトーンの演奏でした。来場された方々はみなその音色の素晴らしさと、なんとも複雑な装置を操る奏者の技術の高さに感動されていました。特に現在日本の第一線で活躍されているオペラ関係者の方々からのエレクトーンの評価が非常に高かったことは、10年以上前から主催公演の度に共演をお願いしてきた私にとって最もうれしいことでした。また明らかに10年前とはエレクトーンの性能は向上し、奏者の音作りによって全く違和感なくオーケストラサウンドが聴こえます。進化し続ける楽器と優れた奏者は、オペラのみならず音楽界全体にとってさらに必要なものとなると私は思います。

代表/細岡雅哉

エレクトーン演奏/山木亜美、柿崎俊也

2013年2月15日 渋谷区文化渋谷センター大和田さくらホール