オペラとエレクトーンの新たな関係 EMIES 56th Workshop「オペラとエレクトーンの新たな出会い」 ~歌劇「ポッペアの戴冠」ハイライト~

2月9日、ヤマハエレクトーンシティ渋谷において、全日本電子楽器教育研究会主催のワークショップが行われました。テーマは、従来演奏されてきたイメージにとらわれず、オペラとエレクトーンの新たな関係を模索することにあります。二期会会員で世界水準のカウンターテナーであると同時に演出や執筆でも活躍されている、彌勒忠史氏のプロデュースのもとモンテヴェルディ作曲『ポッペアの戴冠』に今までにない解釈がなされ独自の世界が作られました。エレクトーンは平部やよい氏が担当です。

彌勒氏より、ストーリーやバロックオペラのスタイル、時代背景など、わかり易くレクチャーがなされました。

また、この作品は通奏低音で書かれた伴奏ですが、使用する楽器や構成音は演奏者に任されていたという解説のもと、ストーリーの内容から、ロック、ジャズ、ヒーリング系、民族音楽など、様々なスタイルをとりいれた音楽が提案され、エレクトーンならではの音作りがなされました。

それに対する歌い手の皆さん(和泉万里子〈ソプラノ〉、長谷川忍〈メゾソプラノ〉、坂下忠弘〈バリトン〉)も、その音楽に応えて、リズミックに、ある時はたっぷりと歌い上げ、一体となった音楽表現をする姿が印象的でした。今までにないオペラアリアの演奏表現と言えるのではないでしょうか。

出演していただいた皆さんの音楽に対する柔軟な姿勢、新しいものにチャレンジする積極的な意識が感じられました。17世紀の作品が新鮮な響きで再現され、何よりもエレクトーンだからできるサウンドが新たな音楽の可能性を示されたワークショップとなりました。

全日本電子楽器教育研究会 事務局長/増田豊彦

エレクトーン演奏/平部やよい

2014年2月9日 エレクトーンシティ渋谷