第5回記念公演を開催!ちちぶ国際音楽祭オペラ公演 プッチーニ作曲『トゥーランドット』

去る8月15日、16日、秩父ミューズパーク音楽堂にて、ちちぶ国際音楽祭オペラ公演プッチーニ作曲『トゥーランドット』を上演いたしました。

この「ちちぶ国際音楽祭」は、海外から訪れる世界的に著名な指導者による教育プログラム「ユース&ミューズ」を主体とし、指導者や受講者による、コンサートやアウトリーチコンサート(学校や病院におけるコンサート)のほか、プロ・アマ・ジャンルを問わず秩父市民により随所で行われる街中コンサート、秩父発の卒業式ソング「旅立ちの日に」を課題曲にしたコンクールなど、さまざまな企画が盛り込まれた音楽祭です。そしてこのオペラも音楽祭の一環として2011年より始まりました。

秩父は昔から一流の音楽家をたくさん輩出しており、中でも声楽においては、新国立劇場など日本の中心で活躍するオペラ歌手が多く出ています。この秩父のオペラで2011年に上演したのが『ミカド』というオペラです。実はこのオペラにはTown of Titipuという副題がついており、このTitipuが秩父であるという説から、秩父出身のオペラ歌手たちによりこれまでたびたび上演されてきました。秩父ではこの『ミカド』以外のオペラはこれまであまり上演されませんでしたが、この音楽祭を機に活躍する音楽家たちが秩父に集まり毎年8月に公演することになり、『ミカド』に続き『メリー・ウィドウ』『こうもり』『魔笛』と上演してまいりました。

このオペラ公演は毎回満席のお客様からとてもご好評をいただいており、徐々に規模を拡大して、今年は第5回の記念として『トゥーランドット』を上演するに至りました。指揮・演出は公演監督である私、細岡雅哉が担当し、トゥーランドット役に羽山弘子、カラフ役に藤田卓也、リュー役に薗田真木子、ティムール役に鹿野由之、ほか秩父出身のソリスト、合唱団、ダンサーなど総勢100名が出演しました。オーケストラは、私が以前から信頼を寄せ、オペラオーケストラの音創りに定評のある山木亜美さんと柿﨑俊也さんがエレクトーンを担当し、ほかにチェレスタ、ハープ、シロフォン、スネアドラム、バスドラム、タムタムを加えました。

今回は秩父ミューズパーク音楽堂というコンサートホールでの上演ということでピットがなく、前方客席を外して仮設のピットを作ったため、音のバランス面で大変苦労しましたが、奏者と地元の音響さんと私で何度も調整した結果、お客様にも大変喜んでいただけるバランスとクオリティになり、その音色の素晴らしさに感激したとお声をたくさんいただきました。私もオペラのオーケストラでエレクトーンを使用するようになり15年余り経ちますが、音楽スタッフ、歌手たちにも大変支持されるようになりました。それによりこれまで予算や奏者不足などの関係でできなかった地方団体や小さな劇場でもオペラ公演が可能になり、オペラファンの拡大にも大きく貢献していると思います。

私どものオペラも地元の方々からたくさんのご支持をいただき、来年からは装いも新たに"ちちぶオペラ"として活動することになりました。来年は8月13日(土)、14日(日)にプッチーニ作曲『ラ・ボエーム』を上演いたします。これからもエレクトーンと共に素晴らしい公演を続けてまいりたいと思います。

ちちぶオペラ公演監督/細岡雅哉

(上から)写真2:エレクトーン演奏/山木亜美、柿﨑俊也

2015年8月15日、16日 秩父ミューズパーク音楽堂