エレクトーンによるオペラ公演も回を重ねて5回目 Heartful Concert Vol.Ⅴ 歌劇『スザンナの秘密』全1幕/ 歌劇『ジャンニ・スキッキ』全1幕

Heartful Concertは2001年、スクール公演を機に立ち上げ、幅広く活躍中の演奏家とともに回を重ね、近年はメノッティのオペラを上演、本年はヴォルフ=フェラーリ『スザンナの秘密』とプッチーニ『ジャンニ・スキッキ』の2作品を上演いたしました。

『スザンナの秘密』は、伯爵ジル/細岡雅哉、伯爵夫人スザンナ/佐藤泰子の熱演により、煙草の秘密がピュアな心情と美しい日本語で表現されました。サンテは田中まさよしが演じています。

『ジャンニ・スキッキ』(細岡雅哉指揮・演出)は、冒頭、大富豪ブォーゾ・ドナティの寝室で亡骸を囲み嘆き悲しむ親族のシーンから始まり、ツィータ/須永尚子、リヌッチョ/嘉松芳樹、ゲラルド/小野島佳伸、ネッラ/栗田真希子、ベット/富田駿愛、シモーネ/井上白葉、マルコ/柳澤孝德、チェスカ/鈴木美也子らが演じる遺産をめぐる繊細な動きの中、無邪気なゲラルディーノ/高橋薫が愛らしい印象です。続いてジャンニ・スキッキ/香月健と娘ラウレッタ/小林悦子の登場。ラウレッタの歌に心緩むもスキッキの企みが膨らみ、訪ねてきた医者スピネロッチョ/鹿内芳仁との滑稽な会話が弾みます。さらに公証人アマンティオ/白岩洵、ピネッリーノ/倉藤理大、グッチョ/清水一成(27日)、管谷孝介(28日)らの宣言によりスキッキの思いのままとなり、若い愛が実りながら終幕しました。舞台には細岡手法によりあらゆる人間模様が描き出され、エレクトーンとパーカッション田中まさよしの良い調和がオペラの魅了へと導きました。

エレクトーンによるオペラ公演の認知度がまだまだ低いため、この主催公演を通じて広げて行くことができれば本望です。演奏全体のクオリティを上げることはもちろん、集客等の主催としての課題を改め、次に向けて踏み出したいと思います。

次回Heartful Concert vol.Ⅵをどうぞご期待ください!

ハートフル・アーツ/小林悦子・山木亜美

エレクトーン演奏/山木亜美

2016年9月27、28日 エレクトーンシティ渋谷