オペラ定期公演は、エレクトーン伴奏で 日本大学芸術学部声楽コース 第47回オペラ公演『フィガロの結婚』(ハイライト/原語上演)

2016年11月17日、練馬文化センター小ホールに於いて、日本大学芸術学部音楽学科(以下、日芸)声楽コース 第47回オペラ公演「フィガロの結婚」(ハイライト/原語)が開催された。

日芸声楽コースでは、例年11月にオペラ公演を開催している。ソリストや合唱は在学生(卒業生含む)が中心となり、「オペラ」という総合芸術を定期公演という通年行事で具現化できることの素晴らしさを感じる。また、今回で47回目という継続性と歴史を感じる。

日芸声楽コースの池田直樹先生もソリストとして舞台に立たれたのと同時に、ナレーターも兼務された。原語上演であったため、オペラが初心者であるお客様でも十分公演が楽しめた。

演出は岩田達宗先生が担当。演出、音楽、衣装、照明といった舞台一体として捉える、熱心で情熱ある先生の指導には学生も一語一句漏らさぬよう真剣そのもの。

指揮は江上孝則先生。オーケストラはエレクトーン2台、西岡奈津子さんと私・高橋豊が担当、チェンバロが江澤隆行先生の3人編成で行われた。

本公演でエレクトーンにあえてスポットを当てるならば、特筆すべき点は機種ではなかろうか。現行機種ELS-02Cともう1台はEL-900mという2004年に生産終了された機種だ。この2機種の組み合わせは今となっては見かけることがなくなった。今回、江上先生はこの機種の違いを超えて、限られた時間の中で音楽をまとめてくださった。

この公演でエレクトーン奏者として感じ得たことは、エレクトーンが音楽教育の現場において非常に有効的なツールであると再認識。ピアノ伴奏とは異なる持続音のサウンドに触れる機会を作ることは大変有意義であると考える。

このようなエレクトーンの活用法が広がっていくことを願う。

エレクトーン演奏家/高橋 豊

エレクトーン演奏/西岡奈津子、高橋 豊

2016年11月17日 練馬文化センター小ホール