10回目を迎え、華やかに開催! 茨城県民オペラ協会主催 「ニューイヤーガラコンサート2020」

茨城県民オペラ協会は今年創設45周年を迎えます。水戸市を中心に『カルメン』『蝶々夫人』『椿姫』等々を公演してきました。また、オペラを観る機会がない子どもたちに、間近で聴いて親しんでもらおうと、県内各地の小中学校を訪問し、その学校の生徒も出演する参加型公演を始めました。これは大変盛り上がります。質問コーナーでは「どうすればそのような声が出るの?」「歌の勉強を始めたきっかけは?」などと生徒たちとのやりとりも訪問ならではの楽しみのひとつです。併せて老健施設訪問も行っており、懐かしい歌に涙するお年寄りや一緒に歌う方もいて、改めて音楽の持つ素晴らしい力を感ぜずにはいられません。

そのほかにも年に2回、サロンコンサートを開催しております。私たちの団体は、演奏する団員ばかりでなく、応援してくれる一般会員とで構成されており、その会員の方々にじっくりと聴いてもらうコンサートは歌い手の研鑽の場となっております。

ニューイヤーガラコンサートは年に1度、演奏部員総出演の大々的なコンサートで、今回10回目を迎えました。今年はオリンピックイヤーです。幕開けは小林由佳さんのエレクトーンによるファンファーレが会場いっぱいに響き渡り、続いて児童合唱団がオリンピック応援ソング「パプリカ」をダンス付きで歌い華やかに始まりました。

第1部は演奏部員によるオペラのアリアの数々を披露、終わりは小林由佳さんのオリジナルアレンジによる「戦場のメリークリスマス」をジャズダンスで締めました。

第2部は、『こうもり』全3幕(ハイライト版)を上演。台詞は現在話題になっている出来事が盛り込まれ、会場からはときおり笑いも出て、より親しみやすく観ることができたかと思われます。男声キャストはゲストをお迎えし、芝居の指導もしていただき大変勉強になりました。女性キャストは少しでも多くの歌い手が出演できるよう、ロザリンデ、アデーレを幕ごとに変えました。

演奏はエレクトーン1台。本来数十人で演奏するオーケストラを一人で2時間近く演奏するエレクトーン奏者の気力、体力は並大抵のことではなく、それをさらりと弾いてしまうのに脱帽です。また、オケのスコアからエレクトーンの楽譜に起こしていく行程は、大変な作業だと尊敬しております。

近年のエレクトーンは管楽器など本物となんら遜色なく、豊かな音色の中で歌えることは歌い手にとっても大変心地よく幸せなことと感じております。そしてそのオーケストラとともに、これからもオペラの楽しさを少しでも広げていけるよう、活動して行きたいと思います。

著・代表/町田由美子

エレクトーン演奏/小林由佳(右)、小谷奈津美(左)

2020年1月19日 小美玉市四季文化館「みのーれ」森のホール