次世代への継承とさらなる可能性を信じて オペラ『カルメン』

これまでに全国各地へ届けてきた『アーツのカルメン』。去る6月5日、我々の本拠地小平市、ルネこだいら大ホールにて開催しました。とりわけ本公演は【次世代育成プログラム】と位置付け、高校生以下100名を《特別ご招待》にてご案内したところ、とても大きな反響をいただき、当日はたくさんの小・中・高校生が初めてのオペラ鑑賞に心弾ませ、「オペラ歌手のエネルギーあふれる歌声」「オーケストラさながらのエレクトーン演奏の多彩な魅力」等、感想を寄せてくれました。舞台を見つめた眼差しが、感性豊かな未来へと継承されることを願ってやみません。

またこの公演に先立ち5月25日には、エレクトーン奏者の西岡奈津子さんによる『将来(あす)の音楽家のためのセミナー「オペラスコアリーディングとアナリーゼ」』を、ルネこだいらレセプションホールにて開催。当日は音楽大生、留学生、演奏家として活躍されている指揮者、ピアニスト、演出家、声楽家の皆様が来場され、実演を交えた西岡さんの数々のオペラ公演の実績から語られる内容の濃いセミナーとなりました。

そして6月25日、26日には、宝くじ文化公演として山口県和木町文化会館、ドリームシップ下関市生涯学習プラザ海のホールにてオペラ『カルメン』を上演。和木町では1カ月前に完売。下関市でも満席。お客様で埋め尽くされた会場、その温かい拍手が我々にどれだけ大きな力となったか言うまでもありません。さらに和木町では大きなサプライズがありました。10年前に同会場で実施したカルメン公演で共演した小学生が音大生となられ、当日は会場スタッフとして私たちを力強く支えてくださり、感激の再会となりました。

ステージを届けることのできる喜び、待ってくださっている方がいることの喜び。改めてそのことの深い意味を感じる大切な公演となったことに感謝し、新たな可能性を信じて歩み続けていきたいと思います。

著・一般財団法人オペラアーツ振興財団 理事長/山田大輔

エレクトーン演奏/西岡奈津子、小倉里恵

2022年6月5日 ルネこだいら大ホール/6月25日 山口県和木町文化会館/6月26日 ドリームシップ下関市生涯学習プラザ海のホール