“裏方"仕事をとおし、舞台制作を体験 こどもたちとつくるオペラガラコンサートお姫様を取り戻せ!

4月23日に大田区民ホール・アプリコ大ホールで行われた『こどもたちとつくるオペラガラコンサート お姫様を取り戻せ!』、この公演のコンセプトは、子どもたちに舞台裏の仕事を知ってもらう、ということ。いわゆる“裏方"の職業体験をしてもらい、どんな舞台も、表に出ている出演者や演奏者といった“表方"だけでは成り立たず、客席側からは普段は見えない多くの人たちの働きがあって成り立っているということを、その面白さや大変さを体感することによって、舞台への理解を深めるというものです。

参加したのは小学1年〜6年生の総勢24名。子どもたちは事前オリエンテーションで下記の4つのチームの特徴を聞き、自分はどのチームに興味があるのか希望を出してもらいました。

【ステージチーム】

舞台監督として各セクションに指示を出したり、舞台上の場面転換を主に担う。

【照明チーム】

客席や舞台の照明、稲光などの光の演出効果を担う。

【音響チーム】

出演者たちの歌声や楽器の響きの調節やサウンドエフェクト(SE)を担う。

【衣装・ヘアメイクチーム】

出演者の髪型や顔色を素敵に変化させたり、衣装制作や着付けを担う。

なんと一番人気は【衣装・ヘアメイクチーム】でした。子どもたちは、それぞれ第一希望のチームで創意工夫を凝らし、大人も驚くほどのこだわりと情熱を注いで活躍してくれました。各チームのプロから仕事を直接教わるワークショップを経て、いよいよ本番へ。子どもたちの成果発表としてさまざまなミッションをクリアしていく第一部、ミッションクリアの暁にはチームごとに“達成の証"を獲得していきます。そしてその証を王子タミーノに託し、子どもたちは客席へ。

第二部はオペラ『魔笛』を基本としたオリジナル台本の『お姫様を取り戻せ!』の上演です。魔法の笛の代わりに、子どもたちの“達成の証"を使って物語を進め、お姫様を取り戻すというもの。自分たちが体験したさまざまな舞台効果を目や耳で追いかけながら、大人たちプロの演奏やオペレートを客席から見守り、応援してくれました。

今回の演奏はエレクトーン(STAGEA)西岡奈津子さんとピアノ宇根美沙惠さん。すばらしいコンビネーションで贅沢なオーケストラサウンドはもちろん、達成の証を授与されるときの煌びやかなファンファーレなど、数々の音響演出もサポートしてくださいました。

本公演が、多岐にわたる舞台芸術全般に携わる我々からの、子どもたちへの良いプレゼント(というよりは、良いプレゼンテーション〈笑〉)になったなら、これ以上幸せなことはありません。兎にも角にも実現するにとても大変な企画でございましたので、この場をお借りして携わってくださった皆様に、厚く御礼申し上げたいと思います。

著・オペラ歌手・プロデューサー/大山大輔(当公演企画構成、台本、演出)

エレクトーン演奏/西岡奈津子、ピアノ演奏/宇根美沙惠

写真提供:(公財)大田区文化振興協会

4月23日 大田区民ホール・アプリコ大ホール