ガラ・コンサートを終えて Le voci 特別公演 オペラ・ガラ・コンサート

2007年のレ・ヴォーチ第5回公演、ビゼー『カルメン』以来、ヤマハエレクトーンシティの協賛を得て、エレクトーン2台のオーケストラで、オペラ公演を続けています。昨年も第6回公演、プッチーニ『蝶々夫人』をエレクトーン2台+バイオリン、ハープという編成で公演し、奏者の橘光一さんとも信頼関係を構築してこられたのでは……と考えています。

今年の4月18日には、以前より公演を持ちたいと思っていた会場、かつしかシンフォニーヒルズにて、ガラ・コンサートを開催しました。前半がビゼー『カルメン』のハイライト、後半は、アリアや重唱を集めたガラという内容で、「ベルサイユのばら」の作者であり、東京音楽大学声楽科を卒業後、現在はソプラノ歌手としても演奏活動している池田理代子さん、そして、藤原歌劇団の本公演にプリモとして抜擢されているテノールの若き新星、笛田博昭さんのお二人をゲストにお迎えし、コンサートに花を添えていただきました。

ゲストのお二人には『ラ・ボエーム』より〈私の名はミミ〉、『トゥーランドット』より〈誰も寝てはならぬ〉などの定番中の定番を歌っていただいたほか、『セヴィリアの理髪師』『サムソンとデリラ』『トロヴァトーレ』などから、煌めくアリアがプログラムに並びました。

フルオーケストラも入れる大ホールのオーケストラピットに、エレクトーン2台というのはなかなか奇妙な感じでしたが、演奏は白熱したものとなり、公演では照明トラブルなども起きてしまったものの、ほとんどのお客様が長いコンサートを最後まで聴いていただき、好評なご感想をたくさんうかがうことができました。

エレクトーン奏者のお二人(橘光一、柿崎俊也)には、前半のカルメンでは一度ご一緒しているものの、後半は楽器編成も違えば、1曲1曲のニュアンスも全く違うプログラムを丁寧に作っていただき、特にワーグナー『タンホイザー』の殿堂のアリアでは、「本物のオーケストラと錯覚してしまうほどだった」とお客様からもご感想をいただきました。 この秋には、ヴェルディ『リゴレット』を公演する予定があり、とても楽しみにしているところです。

指揮 安藤 敬

2009年4月18日 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール